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記事一覧

安倍首相の式辞 歴史の教訓なぜ触れぬ(2020年8月20日配信『東京新聞』-「社説」)

 安倍晋三首相は終戦の日の式辞で、先の大戦でのアジア諸国への「加害と反省」にも「歴史の教訓」にも言及しなかった。「負の歴史」にも向き合わなければ、国際的な信頼を損ねるのではないか。 首相の歴史観、安全保障観がにじむ式辞だった。8月15日の終戦の日の「全国戦没者追悼式」。安倍首相は第1次内閣の2007年には「加害と反省」に言及したが、第2次内閣の13年以降、今年も含めて8回連続で触れていない。 昨年...

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わたしの戦争~戦後75年 埋もれた記憶掘り起こそう(2020年8月13日配信『佐賀新聞』-「論説」)

 まもなく、75年目の「終戦記念日」が巡ってくる。佐賀新聞は「ひろば」欄で、「わたしの戦争」をテーマに投稿を呼び掛けてきた。 佐賀人たちは、あの戦争をどう生き抜いたのか。生の声を、紙面に刻んでおきたいという狙いである。 初回(6日付)は、佐賀市の江里口勉さん(75)の「太もものへこみ」を掲載した。自らの太ももに残るへこみが、大陸から引き揚げる時に、よちよち歩きの1歳児を歩かせるためにやむなく打たれ...

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<戦後75年>ドイツの終戦 「解放の日」へ決意込め(2020年8月12日配信『東京都新聞』-「社説」

  日本と同様、先の大戦の敗戦国で、戦後経済復興を成し遂げたドイツ。しかし、終戦のとらえ方は日本とは違うものでした。 ドイツにとって終戦の日は日本より一足早く、連合国に降伏した5月8日です。この日の意味合いについて、長い間、論争が続いてきましたが、今年、この日開かれた終戦七十五周年式典の演説で、シュタインマイヤー大統領が一つの決着をつけました。いわく、「5月8日は解放の日だった」。 「心の底からこ...

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<戦後75年>米中の「新冷戦」 狭間の国はどうしのぐ(2020年8月10日配信『東京新聞』-「社説」)

 「新冷戦」とまで呼ばれる米国と中国の覇権争い。「熱戦」へエスカレートさせないために両国には自制が必要です。一方、日本をはじめ米中の狭間(はざま)にある国々に求められるのはバランス感覚です。 戦後長らく続いた米国とソ連の冷戦が終結すると、到来したのは米国の一極支配時代。それもつかの間、のし上がった中国が超大国の米国に挑む時代に入りました。「ポスト冷戦後」は再び別の冷戦というのは、うんざりします。 ...

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もうすぐ立秋…75年前の夏(2020年8月5日配信『毎日新聞』-「余録」)

 もうすぐ立秋。街角で見かける花も変わろうとしている。赤、黄、青。花の思い出は色と共に残る。「記憶色」という写真用語がある。人が脳に刻み込んだ色は実際より鮮やかになりやすいという▲75年前の夏、花々は日本人の目にどんなふうに映ったのだろう。NHKは1987年、視聴者から体験を募り、ラジオ番組を制作した。終戦の日に咲いていた花は、ひときわ鮮烈な印象を残したに違いない▲番組を基にした本「八月十五日 花の...

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「殺してくれ」うめく戦友残し… 激戦地レイテ島から生還した元上等兵が背負うものとは<つなぐ 戦後75年>(2020年8月4日配信『東京新聞』)

 遺体が漬かる水たまりの水をすすり、「殺してくれ」とうめく戦友を残して退却―。東京都品川区の元陸軍上等兵、島田殖壬ひろとおさん(94)の脳裏には、太平洋戦争で最激戦地の1つとなったフィリピンでの情景が今も鮮明に残る。兵士の大半が戦死し、フィリピン戦の中でも特に悲惨な戦場だったレイテ島で負傷し、終戦を迎えてから75年。「戦争なんて、何もいいことがない」と言い切る。(梅野光春)レイテ島の内陸部に前進す...

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今年は戦後75年(2019年12月5日配信『日本経済新聞』―「春秋」)

 昔、ある高僧のもとに年賀にやってきた男が、なにか縁起の良いことを書いてほしいと頼んだそうである。それで僧がしたためた言葉は「親死に、子死に、孫死ぬ」。正月から不吉だと怒る男に僧いわく「いや、この順番ならばめでたい。逆になったら大変なことだ」。▼金田一春彦の名著「ことばの歳時記」を繰っていたら、おせち料理に添える「ゆずりは」の項にこんな話があった。この植物は、新しい葉が成長すると古い葉がポトリと落...

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特攻兵器「回天」の記憶を、父の遺志受け米国で語り継ぐ マイケル・メアさん追悼式参列(2019年11月21日配信『毎日新聞』)

追悼式で「KAITEN」執筆の経緯や平和への思いを語るマイケル・メアさん(右)=山口県周南市の大津島で2019年11月10日午後0時49分 太平洋戦争末期の旧海軍の特攻兵器「回天」で戦死した搭乗員らの追悼式が今月、山口県周南市であり、父が回天に撃沈された米軍艦艇の乗組員だった米ウィスコンシン州の歴史家、マイケル・メアさん(65)が初めて参列した。父の遺志を受けて元兵士らから聞き取るなど回天の史実を...

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神風特攻隊(2019年10月27日配信『愛媛新聞』ー「地軸」)

 西条市の楢本神社で25日、神 風(しんぷう)特攻隊の慰霊追悼式典があっ た。75年前に第1陣の敷島隊が 出撃した日であり、搭乗した西条市出身の関行男、新居浜市出身の大黒繁男らの命日でもある▲「特攻第1号に県人がいた」という史実は「西条市民でも知らない人が多い」と、主催する奉賛会の村上俊行会長は話す。特攻に対しては「彼らの犠牲で今の平和がある」という敬意もあれば、英雄視することへの批判もある。教育現場...

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「戦争は一つも利益ない」神風特攻隊、初攻撃から75年 遺族らが追悼式典(2019年10月25日配信『毎日新聞』)

特攻隊員の冥福を祈り、献花する参列者=愛媛県西条市大町で2019年10月25日午前11時6分 旧日本海軍が編成した「神風特別攻撃隊」初の攻撃から75年となった25日、敵艦への体当たり攻撃などで命を落とした愛媛県内出身の将兵ら約90人の追悼式典が25日、同県西条市大町の楢本神社であった。遺族や自衛隊関係者ら約250人が黙とうをささげ、平和への思いを新たにした。 同神社にある神風特攻記念館の資料などによると、初の攻撃となっ...

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「大本営発表(2019年10月22日配信『日本経済新聞』―「春秋」)

 旧日本軍の「大本営発表」はフェイクニュースの元祖だろう。敵機多数撃墜、わが方の損害軽微なりといった常套(じょうとう)句の多くがウソだった。その始まりは1942年6月のミッドウェー海戦だといわれる。空母を4隻失ったのに「1隻喪失、1隻大破」などと言い募った。▼真珠湾攻撃からまだ半年、勝った勝ったの世論が高ぶっていたころだ。いまでは太平洋戦争の大きな転換点として知られるが、当時の国民は発表を信じ、破滅への道...

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旧日本軍の神風特攻隊(2019年10月21日配信『徳島新聞』ー「鳴潮」)

 首都マニラから北へ80キロ。今月初旬、訪れたフィリピン北部のマバラカットは気温30度を超えていた。四方に入道雲が湧き立つ。軍服の彼らも同じように暑さを感じ、空を見ていただろうか。旧日本軍の神風特攻隊がここから初めて出撃し、きょうで75年になる 戦闘機に250キロ爆弾を載せ、敵艦に体当たりする。生還を許さない、人道無視の無謀な作戦だった。若き航空兵は終戦までに約4千人が散ったとされる フィリピンは急成長が続...

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魂の叫び(戦没学生の遺稿集)(2019年10月20日配信『佐賀新聞』ー「有明抄」)

 〈お母さん、とうとう悲しい便りを出さねばならないときが来ました。親思う心にまさる親心 今日のおとずれなんときくらん この歌がしみじみと思われます〉。特攻隊員として沖縄で戦死した学徒兵が母親に送った最後の手紙である◆手紙は続ける。〈母チャンが私をたのみと必死でそだててくれたことを思うと、何も喜ばせることができずに、安心させることもできずに死んでいくのがつらいです〉。太平洋戦争の戦没学生の遺稿集『き...

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[10・10空襲75年]無差別爆撃を忘れまい(2019年10月10日配信『沖縄タイムス』-「社説」)

 「バラ色に染まる暁の沖縄東南海上を低く機種不明の編隊機群が現われ、金属性の爆音をとどろかせた。初秋の空は、高く晴れ、千切れ雲が淡く流したようにたなびいていた。(略)前夜の防空演習の疲れで、那覇市民の、眠りは深かった」。住民視点に立って沖縄戦を記録し、1950年に出版した『鉄の暴風』(沖縄タイムス社編)は、44年10月10日をこう記述する。 10・10空襲である。 米軍は空母から発進した艦載機延べ...

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10・10空襲から75年 軍備増強が惨劇を招いた(2019年10月10日配信『琉球新報』-「社説」)

 南西諸島の島々を延べ1400機の米艦載機が攻撃した「10・10空襲」から75年になる。668人が死亡し、768人が負傷した。那覇市の約9割が壊滅し、被災した市民約5万人が本島中南部に避難するという大惨事となった。空襲の被害は周辺離島、宮古・八重山、奄美にも及んだ。 米軍上陸による激しい地上戦の前哨戦となった10・10空襲は、日本全国で76万人が犠牲となった無差別攻撃の始まりでもあった。 早朝に始まった5次に...

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長崎・あの日を忘れない

1000円(税別)平田 勝政 /著66ページ 長崎文献社内容紹介視覚障害者、聴覚障害者の被爆体験記長崎大学教育学部教授平田勝政氏は障害者対応の教師養成を担当してきた。教育現場30年の集大成を1冊の本にした。「もうひとつの被爆体験者がいた」ことを知ってほしい。内容(「BOOK」データベースより)視覚障害者、聴覚障害者の被爆体験記。長崎大学教育学部教授平田勝政氏は障害者対応の教師養成を担当してきた。教育現場30年の集大...

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抑留者の遺骨 国は収集の責務を果たせ(2019年10月2日配信『西日本新聞』ー「社説」)

 国策の戦争で亡くなった犠牲者とその遺族に対して、あまりにも不誠実な対応である。事実関係の公表を避けてきた姿勢にも強い疑問を禁じ得ない。 国の戦没者遺骨収集事業で、ロシアから持ち帰ったシベリア抑留者の遺骨計597人分が日本人のものでない可能性があることが新たに判明した。 そもそも遺骨の取り違えなどあってはならないのに、数の多さに驚く。他の事例もありはしないかという疑念も浮かぶ。 なぜ、こんな失態が起...

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「ノモンハンを繰り返すな」(2019年9月29日配信『徳島新聞』ー「鳴潮」)

 美波町の観音寺で、今年も彼岸の中日に戦没者供養が営まれた。旧日和佐町出身の戦没者508柱を弔う法要を仕切ったのは、名誉住職の東義照さん。101歳になっても、これだけは東さんが導師を務めると決まっている 法要中、脳裏に浮かんだのは旧満州(中国東北部)とモンゴルの国境付近の大草原で繰り広げられた光景だったろう。80年前、旧日本軍とソ連・モンゴル軍が武力衝突したノモンハン事件だ 主力の第23師団に配属された東さん...

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シベリアなどで抑留の体験者描く 風景、労働の様子 九段ギャラリーで展示(2019年9月28日配信『東京新聞』)

抑留中の生活を描くスケッチなど約40点が飾られた会場=千代田区で 終戦後、シベリアなど旧ソ連やモンゴルに抑留され強制労働に従事した旧日本軍兵士らの姿などを題材とする絵画展「冬と夏を描く」が、千代田区の九段生涯学習館「九段ギャラリー」(九段南1)で開かれている。人力で丸太を運ぶ過酷な労働の様子や雪に閉ざされた冬の景色が描かれている。  シベリア抑留は、日本人捕虜ら約57万5000人のうち、約5万50...

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悲しい過去との対話(2019年9月25日配信『琉球新報』-「金口木舌」)

 沖縄戦について文章を書くとき「何人の県民が犠牲になったのか」という基本的な事柄にいつも悩む。県資料や「平和の礎」の刻銘者数を参考にするのだが、犠牲者数が確定しているわけではない▼沖縄戦が終わった日も説が分かれる。32軍司令官らが命を絶った1945年6月23日を日本軍の組織的戦闘終了日としているが、自決はその前日との説もある。「慰霊の日」も制定当初は6月22日だった▼名前の分からない犠牲者もいる。6月23日...

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「ノモンハン事件」(2019年9月23日配信『西日本新聞』ー「春秋」)

 モンゴルは横綱白鵬関ら大相撲力士の母国として日本人になじみが深い。親日国でもある。関係良好な両国だが、1939年に武力衝突した過去がある▼「ノモンハン事件」と呼ばれる。旧満州(中国東北部)とモンゴルの境界付近で起きた。旧日本軍はソ連(当時)モンゴル連合軍の戦力を侮り、敗れた。「事件」と呼ぶことで敗北の実態を隠したが、作家の司馬遼太郎さんは「戦闘というより一方的虐殺」と形容したそうだ▼内実もひどかった。...

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〈親は刃(やいば)をにぎらせて/人を殺せとおしえしや〉(2019年9月23日配信『神戸新聞』ー「正平調」)

 〈親は刃(やいば)をにぎらせて/人を殺せとおしえしや〉…。日露戦争への反戦詩「君死にたまふことなかれ」で、与謝野晶子はこう叫んだ。親があなたに刃物を握らせ、人を殺せと教えましたか、と◆しかし親は教えなくとも、戦時下では国家がそれを教えるのだ。姫路市香寺町の日本玩具博物館で開催中の「太平洋戦争とおもちゃ」展(10月14日まで)を見ると、その残酷な教育がいかに巧妙に行われたかが分かる◆日本が戦争に突き...

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前橋空襲の継承 7年で幕 あたご歴史資料館 来年3月閉館(2019年9月22日配信『東京新聞』)

展示品について話す原田恒弘さん(右)と今井弘之さん(左)=前橋市で 終戦間際の前橋空襲の悲惨さや戦時中の暮らしを伝えようと、前橋市住吉町2丁目の自治会が運営してきた「あたご歴史資料館」が来年3月に閉館する。運営者の高齢化に加え、後継者と財源不足により、存続が困難になった。展示品は閉館後、市が管理を引き継ぐ予定。 資料館は旧母子福祉センターが空き家だったため、自治会が市から無償で借り受けて2012年...

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「餓島」(2019年9月18日配信『日本経済新聞』―「春秋」)

 太平洋戦争の転換点のひとつは「ガ島」の戦いである。ソロモン諸島で最大の島、ガダルカナル島のことだ。1942年、日本軍は赤道の南のこの地域まで占領に及んだが、やがて米軍との悲惨な戦闘を強いられる。たくさんの餓死者を出した島は「餓島」と呼ばれた。▼ずいぶん遠いところまで進攻線を広げておきながら、作戦は行き当たりばったり、補給は極めて不十分。将兵はその犠牲になったわけだ。しかし戦いの舞台にされたソロモン諸...

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「嫌韓」の空気によみがえる「徴用工」の記憶 水戸の91歳高鍋さん「差別と加害の歴史に向き合って」(2019年9月17日配信『東京新聞』)

 「韓国なんて要らない」とうたう週刊誌やテレビの報道、慰安婦をモチーフとした少女像を巡る展示の中止…。はびこる「嫌韓」の空気に眉をひそめる人がいる。水戸市の高鍋あいさん(91)。太平洋戦争末期、陸軍の工場に動員され、朝鮮人徴用工と共に働いた。「あの頃に引き戻されるよう」と薄気味悪さを感じている。「朝鮮人徴用工は虐げられ、かわいそうだった」と振り返る高鍋あいさん=水戸市で◆怒鳴られ、殴られ、見下され…...

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欧州は「複雑怪奇」(2019年9月2日配信『徳島新聞』ー「鳴潮」)

 言うまでもなく「下手」である。近現代史を振り返れば、その証拠はごまんと集まる。そんな日本外交のあまりに象徴的な出来事が1939(昭和14)年、平沼騏一郎内閣の時に起きた この年の8月23日、独ソ不可侵条約が結ばれたのに衝撃を受け、右翼の巨頭でもあった平沼は、「複雑怪奇」の一言を残して政権を投げ出した。米国からは日米通商航海条約の破棄も通告されていた。世界情勢の急激な展開に、ついて行けなかったのである ノモ...

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刃物が生み出すものは(2019年9月2日配信『琉球新報』-「金口木舌」)

2019年8月27日、米自治領サイパン島の「おきなわの塔」前で焼香する参列者ら(共同) ナイフを握り、軽やかな手つきで竹や木を削る。あっという間に竹とんぼや動物たちが出来上がった。那覇市の上運天賢盛さん(87)は県内各地で子どもたちにおもちゃ作りを教えている▼3年前に自宅工房で取材に応じ、工具用刃物を扱えない世代が増えていると語っていた。「けがを恐れては何も学べないし、触れることで刃物は危険だと学ぶ...

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終戦の9月(2019年9月2日配信『京都新聞』ー「凡語」)

 8月15日が終戦記念日として定着しているが、本当に第2次大戦が終わったのは9月2日だ。74年前、東京湾に浮かぶ米艦ミズーリ艦上で重光葵外相らが降伏文書に署名した日である▼その翌日、医学生で後に作家となる故山田風太郎さんは京都駅で「ああ、東京湾上降伏文書調印成る」と大見出しの新聞を買う。疎開先の長野県飯田から、故郷の兵庫県養父郡に帰る途中だった▼夜明け前の烏丸通を歩くと、東本願寺前で老婆に食べ物をせ...

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揺らぐ記憶(2019年9月2日配信『北海道新聞』ー「卓上四季」)

 炎天下、直立不動で玉音放送に耳を澄ます。「終戦の日」のイメージはそんな感じだろうか▼1945年8月15日の道内はおおむね曇りだったが、道民の多くは晴れて暑い日だったと回想しているという調査結果がある。京都大の佐藤卓己教授が先月の本紙「各自核論」で、これは「メディアが創造した集団的記憶」による「記憶の上書きではないか」と考察し、興味深い▼気象予報士の饒村曜さんは「終戦の年は暑いというイメージがあるが...

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「東京裁判」の同日同刻 塩田 芳久(2019年8月31日配信『西日本新聞』ー「オピニオン」)

 第2次世界大戦に勝利した連合国が、日本の戦争指導者を裁いた極東国際軍事裁判の全貌を伝えるドキュメンタリー映画「東京裁判」(小林正樹監督、1983年)。劣化したフィルムを最新の技術でよみがえらせたデジタル修正版が完成し、この夏全国で公開された。映像も音声も鮮明になり、時代の空気まで伝わってくる。 映画の監督補佐と脚本を担当した小笠原清さん(83)は構成上の三つの柱をこう語った。「一つは裁判の流れ、一つは...

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土崎空襲惨劇、感情込め朗読 浅利香津代さん(2019年8月30日配信『秋田魁新報』)

朗読の前に平和の意味を問い掛ける浅利さん 子どもたちに戦争の悲惨さを伝える朗読会と、戦没者を追悼する行事が29日、それぞれ秋田市で行われた。朗読会に参加した児童や追悼行事の参列者が不戦への誓いを新たにした。 戦争の悲惨さや平和の尊さを学ぶ「平和の朗読会」が29日、秋田市の保戸野小学校(伊藤一校長)で開かれた。同市出身の女優浅利香津代さん(75)が土崎空襲を題材にした絵本「はまなすはみた」を朗読し、...

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一億総懺悔の日(2019年8月28日配信『高知新聞』ー「小社会」)

 1945年のきょう8月28日、敗戦国のトップに任命されたばかりの東久邇宮(ひがしくにのみや)稔彦(なるひこ)首相は記者会見で敗因に触れてこう語った。「ことここに至ったのはもちろん政府の政策がよくなかったからでもあるが、また国民の道義のすたれたのもこの原因の一つである」。 「この際、私は、軍官民、国民全体が徹底的に反省し懺悔(ざんげ)しなければならないと思う」。いわゆる「一億総懺悔」は流行語にもな...

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令和の平和も法と共に 親友対談 半藤一利さん×中西進さん(2019年8月28日配信『東京新聞』)

 新元号「令和」の考案者とされる国文学者の中西進さん(90)=写真(右)=と、昭和史ノンフィクションの第一人者で作家の半藤一利さん(89)=同(左)=が戦後74年のこの夏、「令和の平和」をテーマに対談した。2人は東京大文学部国文学科の同級生。それぞれの戦争体験に始まり、青春時代、新元号「令和」などを語り合い、平和憲法の大切さを訴えた。 対談は終戦の日の翌16日に、東京・内幸町の東京新聞で行われた。...

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「令和の平和」親友対談 半藤一利さん×中西進さん(2019年8月28日配信『東京新聞』)

「令和の平和」について対談する作家の半藤一利さん(左)と国文学者の中西進さん=東京都千代田区で 新元号「令和」の考案者とされる国文学者の中西進さん(90)と、昭和史ノンフィクションの第一人者の作家・半藤一利さん(89)は、東京大国文学科の同級生。ともに昭和、平成、令和と変化に富んだ三つの時代を生きてきた親友だ。万葉の昔から戦争体験、戦中戦後の混乱期の青春、憲法、そして平和への思い-。二人の対談は時...

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<つなぐ 戦後74年>紙とこんにゃくで勝てる!? 風船爆弾の歴史 演劇で紹介(2019年8月26日配信『東京新聞』)

公演「カミと蒟蒻」の一場面=京都市で(シアターリミテ提供) 太平洋戦争で、北茨城市などから放球された風船爆弾を題材にした演劇「カミと蒟蒻(こんにゃく)」が9月14、15の両日、水戸市内で上演される。京都を拠点にする劇団「シアターリミテ」の公演。ひたちなか市出身で劇団を主宰する長谷川源太さん(50)=京都市=は「紙とこんにゃくで勝てると信じていた当時の妄信性は、現代にも通じるということに気付いてほし...

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対馬丸惨事75年の夏(2019年8月25日配信『中国新聞』ー「天風録」)

 「孫は来てよし、帰ってよし」とよく言う。水あそびして毎日が主人公=中田尚子(なおこ)。目を細め孫を見守る光景を想像してもいい。その疲れがどっと出てくる夏の終わりである▲75年前の夏、雪を見たい、と浮き立つ子たちがいた。初めての長旅とあれば無理もない。戦局悪化の中、沖縄では本土への学童疎開が推奨されていた。だが航路は敵潜水艦が出没する魔の海域とあって、家族は不安で仕方がなかった▲ある国民学校の校長は...

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シベリア抑留 政府は実態解明に責任果たせ(2019年8月23日配信『しんぶん赤旗』-「主張」)

 戦前の日本が侵略・支配していた「満州」(現在の中国東北部)などにいた日本軍兵士や民間人のうち約60万人が第2次世界大戦直後、旧ソ連によりシベリアやモンゴルの各地に連行・抑留され、強制労働をさせられました。当時のソ連の最高指導者スターリンが連行を命じる指令を出したのは、1945年8月23日でした。元抑留者と遺族らはこの日を「シベリア抑留の日」とし、毎年東京で「犠牲者追悼の集い」を行っています。 お...

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<つなぐ 戦後74年>ゲゲゲの娘、反戦語る 「きなくさい世に」危機感(2019年8月19日配信『東京新聞』-「夕刊」)

父親の戦争体験を語る水木しげるさんの長女、原口尚子さん=名古屋市で 「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家の故・水木しげるさんは、太平洋戦争で左腕を失い、その体験を多くの作品に残した。長女で「水木プロダクション」代表の原口尚子(なおこ)さん(56)=東京都調布市=は今夏、戦争を巡る父の体験談やエピソードを初めて本格的に人前で語った。戦争体験者が少なくなる中「戦争に向かうハードルが低くなっている気がする...

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八紘一宇の塔(2019年8月19日配信『沖縄タイムス』-「大弦小弦」)

 今年の8月15日は宮崎市にいて「八紘一宇(はっこういちう)の塔」を訪ねた。仰ぎ見る36メートルの存在感。何より、侵略戦争のスローガンが21世紀の空に突き立っていることに圧倒される▼刻まれた八紘一宇は「世界を一つの家にする」意味。神武天皇の伝説に由来し、宮崎はゆかりの地とされる。塔は太平洋戦争を始める前年の1940年に建てられ、日本主導の世界秩序実現を宣伝した▼よく見ると、土台部分には「南京」や「河北省」の文...

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「戦争を知らない人間は、半分は子供」(2019年8月19日配信『日本経済新聞』―「春秋」)

「メルカリ疲れ」――。そんな言葉を先週末の本紙記事に発見し、思わず熟読した。中古品を扱うフリーマーケットアプリは、若者を中心にすっかり定着した。だが、商品発送の手間が面倒だという人もいて、リサイクルの実店舗に利用者が回帰する傾向もあるらしい。▼夏休みも残り少ないこの時期。話題になるのがネット上に出品される実に様々な宿題関連商品だ。「トイレットペーパーの芯」は工作用。「古新聞まとめ売り」は日記対策か。...

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天皇のお言葉 不戦の誓い改めて示した(2019年8月18日配信『熊本日日新聞』ー「社説」)

 戦後生まれの天皇陛下が即位後初めて、政府主催の全国戦没者追悼式に臨まれた。 「お言葉」は、上皇さまがこれまで内外に発信されてきた先の大戦に対する反省と、世界平和への思いを引き継ぐ姿勢を示すものとなった。戦争を知らない世代が国民の8割を超える中、不戦の誓いを改めて国民に示す機会になったと言える。 上皇さまは、広島や長崎、沖縄をはじめ、サイパン、パラオ、フィリピンなど被爆地や激戦地の訪問を重ね、国内...

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太平洋戦争で戦死した学徒兵らの遺稿集「きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記」は…(2019年8月18日配信『西日本新聞』ー「春秋」)

 太平洋戦争で戦死した学徒兵らの遺稿集「きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記」は累計200万部以上が読み継がれてきた。刊行から70年になる▼数学者でエッセイストの藤原正彦さんは大学のゼミで学生に読ませたことがある。軍国主義に洗脳された人たち、と思っていた学徒兵が高い教養と精神を持っていたと知り、学生はショックを受けたという▼戦地に向かう前、あるいは出撃前、哲学書や文学書などを読み返した学徒兵がたくさ...

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戦没者の遺骨  帰還を待つ遺族に応えよ(2019年8月18日配信『京都新聞』ー「社説」)

 終戦から74年の夏が巡り、戦争の記憶が徐々に遠ざかる一方、悲しみと心のつかえを抱えたままの遺族らが少なくない。 第2次世界大戦で海外や沖縄などの戦地で亡くなった約240万人のうち、半数近い約112万人の遺骨は現地に残され、故郷の遺族の元に戻っていない。 ようやく3年前、遺骨の収集を「国の責務」と位置づけた戦没者遺骨収集推進法が成立し、2024年度までを「集中実施期間」としたが、帰還は遅々として進...

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証言 戦争 「震える少女」 私です

那覇市 浦崎末子さん(81) 太平洋戦争で唯一、住民を巻き込んだ地上戦が繰り広げられ、県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦。その悲惨さを象徴する場面として戦後、全国に伝えられた米軍撮影の記録映像、米兵を前に「震える少女」を「私だった」と名乗りでた浦崎末子さん(81)=那覇市小禄=。「あんねーる戦(いくさ)でぃ、むるうらんなてぃ(あんな戦争でみんな死んでしまった)。戦争が憎い」。当時の戦場跡、高嶺村...

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アルキメデスの大戦(2019年8月17日配信『愛媛新聞』ー「地軸」)

 「僕にはあの船が、日本という国そのものに見える」。今夏公開された映画「アルキメデスの大戦」のラストシーンで、主人公の天才数学者が涙する▲「あの船」とは戦艦大和。巨大戦艦建造によって戦争への道が開かれることを危惧する主人公が、建造費見積もりの虚偽を暴くことで、推進派の将校に立ち向かうとのストーリーだ▲終盤、大和がその威容と戦力ゆえに、ある運命を背負わされていることが明らかになる。もちろんフィクション...

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全国で戦没者慰霊碑743基が倒壊、ひび 遺族の高齢化などで多くが放置(2019年8月16日配信『毎日新聞』)

熊本県甲佐町にある戦没者慰霊碑は熊本地震以来、3年以上倒れたままになっている=同町津志田で2019年8月11日午後2時27分 民間が建立した戦没者慰霊碑の状況を厚生労働省が調べたところ、倒壊していたり、ひびが入っていたりと維持管理に問題がある慰霊碑が全国に743基あることが判明した。各地に点在する慰霊碑を対象にした大規模調査で、管理していた遺族の高齢化などで多くの慰霊碑が放置されている実態が浮かび上がった。厚労...

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大戦中の米軍用ピアノ、被爆ピアノと共演を 平和の調べ、構想広がる(2019年8月16日配信『東京新聞』

コンサートの最後に「ビクトリーG.I.」の伴奏で「ふるさと」を歌う参加者ら=1日、埼玉県越生町で 第2次世界大戦中、米軍の前線で戦う兵士を音楽で慰問するために作られ、国内では2台しか確認されていないピアノ「ビクトリーG.I.」を使った日本初のコンサートが今月初め、埼玉県越生町で開かれた。企画したピアニストらは「敵国だった日本のコンサートで弾かれることは、平和の象徴にもなる」と意義を語り、今後は「広...

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<つなぐ 戦後74年>(2019年8月16日配信『東京新聞』)

天皇陛下 先の大戦「深い反省」 戦没者追悼式 終戦から74年を迎えた15日、元号が令和となって初となる政府主催の「全国戦没者追悼式」が東京都千代田区の日本武道館であり、4989人の戦没者遺族が、先の大戦で犠牲になった約310万人を悼んだ。参列予定者に名を連ねた遺族のうち、3割は戦後生まれ。今回初めて参列された戦後生まれの天皇陛下とともに、恒久平和と不戦の継承への思いを強くした。  陛下は皇后さまと...

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戦没者追悼式  「深い反省」引き継いだ(2019年8月16日配信『京都新聞』ー「社説」)

 終戦の日に行われた政府主催の全国戦没者追悼式で、最年少の献花者となった滋賀県の中学生は、フィリピン・レイテ島で戦死した曽祖父のことを思っていた。 「亡くなった人や、戦争でつらい思いをした人のことを考えたい」とも話す。参列が契機となったのは間違いなかろう。追悼式では、この中学生を含む12~17歳の6人が青少年代表として献花し、9~17歳の14人が花を渡す補助役を務める段取りだった。 終戦から74年...

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安倍は今年も加害責任に触れず(2019年8月16日配信『日刊スポーツ』―「政界地獄耳」)

★15日の令和最初の終戦の日には政府主催の全国戦没者追悼式が、例年通り日本武道館で開かれた。天皇、皇后両陛下、首相・安倍晋三をはじめ三権の長と全国の遺族約5000人が冥福を祈った。注目されたのは天皇陛下が令和になり戦後生まれとなったことで、そのお言葉が注目された。陛下は「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、ここに過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣...

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Author:gogotamu2019
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