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平和の配当(2020年4月28日配信『高知新聞』-「小社会」)

 3年前の夏、沖縄の記者の案内で宜野湾市の嘉数(かかず)高台を訪ねた。米軍普天間飛行場の広い敷地と滑走路、周りに張りつく住宅や学校が一望できる。世界一危険とされるのも納得した。

 この高台も、沖縄戦の激戦地だった。日本軍が抵抗したトーチカなどには無数の弾痕がある。その嘉数。かつて沖縄戦で死地をさまよい、基地問題を問い続けた元知事、故大田昌秀さんの住所だったことに最近、気づいた。

 「沖縄県民かく戦えり、県民に対し後世特別のご高配をたまわらんことを」。大田さんは著書などで、沖縄戦の海軍司令官が自決を前に海軍次官に打った電文によく触れている。「ご高配を沖縄が受けていると思えない」。

 国の政治家は、すぐに日米安保体制は国民の生命・財産を守る非常に大事なものだという。だが、自身は痛みを感じていない。「それほど重要だというのなら、この基地を自分の所に持っていってほしい。平和の配当を沖縄の人々もほしい」(「沖縄 平和の礎(いしじ)」)。

 辺野古移設問題で、政府が県に設計変更を申請した。総工費は1兆円近くに膨らみ、完成は早くても2030年代にずれ込む。当初の計画とは「別物」といっていい。早く普天間の危険性を取り除く方法はこれだけなのか。

 きょう28日は、サンフランシスコ講和条約が発効して日本が主権を回復した日。切り離された沖縄にとっては「屈辱の日」だという。思いをはせたい。




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