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日露友好之像と松林(2020年4月30日配信『毎日新聞』-「余録」)

 大阪湾からの浜風に吹かれ、大久保利通も歌に詠んだ見事な松林を行く。すると、場違いにも見える一角に、上半身裸の男の銅像が現れる

▲大阪府高石市の浜寺公園にある「日露友好之像」。日露戦争でのロシア人捕虜の像だ。今から110年余前、この地には日本で最大規模のロシア人捕虜の収容所があった

▲人口3500人の村に、捕虜は総計2万8000人。当時の村人の目に屈強なロシア人がどう映ったかは想像するしかないが、歌を教え合うなど、ほっとするような日々の交流の話も多数伝わる。地域の歴史を残そうと、2002年に地元経済人らのNPOが銅像を建てた

▲昨春には女子フィギュアスケートのザギトワ選手が銅像を見に訪れた。大阪であった主要20カ国・地域(G20)首脳会議の時には、プーチン大統領の訪問も検討された。だが、北方領土交渉が暗礁に乗り上げ、友好ムードを控えたい思惑もあったのだろう。実現しなかった

▲第二次大戦以降の両国の不幸な歴史を忘れることはできない。けれども、長い交流にも目を向けたい。コロナ禍で国際協調が試される昨今、草の根のつながりの重みは増している

▲<音にきく 高師の浜の はま松も 世のあだ波は のがれざりけり>。大久保が明治の初めに詠んだ和歌は、松林の伐採計画を「世のあだ波」つまり、軽々しい行為だと憂い、それを聞いた県令が慌てて伐採を中止したという。松林と銅像は時を超えてたたずみ、世のあだ波に目をこらしているかのようだ。

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