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辺野古設計変更 不要不急の申請 今なぜ(2020年4月29日配信『北海道新聞』-「社説」)


 政府は米軍普天間飛行場の辺野古移設計画について、埋め立て予定地に見つかった広大な軟弱地盤を改良するため、沖縄県に設計変更を申請した。

 新型コロナウイルスの渦中に、これこそ不要不急ではないのか。

 移設計画はすでに実現性が疑われる状況なのに、この期に及んでさらなる工事を進めようとするとは言語道断だ。

 沖縄の感染者数は100人を大きく超え、県は先週、独自の緊急事態宣言を発令した。設計変更の申請はその翌日だった。

 県民の間では「抗議しにくい時期を狙い、卑劣だ」などと反発が強まっている。玉城デニー知事も「到底容認できない」と強く批判し、設計変更を認めない考えを重ねて示した。当然であろう。

 安倍晋三首相は基地問題解決に向け「沖縄に寄り添う」と繰り返してきたが、言行不一致が過ぎる。

 国は即刻申請を取り下げ、進行中の全工事を中止するべきだ。

 申請によると、地盤改良が必要な軟弱地盤は辺野古沿岸部約66ヘクタールにわたって広がる。新たに7万本を超すくいを打ち込み、国内では前例のない大工事となる。

 この軟弱地盤について、防衛省は2016年までのボーリング調査で把握していたが、昨年初めまで公式に認めなかった。

 不都合な事実を隠そうとしてきた国の姿勢は不誠実極まりない。

 防衛省の報告書などによれば、軟弱地盤は海面から最大約90メートルの深さに達する。だが最深部では正規のボーリング調査をせずに、海面下70メートルまで地盤改良すれば問題ないと結論づけている。

 防衛省は70メートルより深い地層も軟弱であることを示すデータを得ているのに、データの信頼性の低さを理由に無視したのは疑問だ。

 現在の作業船では約70メートルまでしか地盤改良できない。それを踏まえた無理筋の結論ではないのか。

 防衛省の専門家会議が省の判断を追認し、環境影響評価(アセスメント)をやり直さないことも問題である。新基地建設ありきの手続きと言うほかない。

 政府がコロナ対策の財源捻出に苦慮する中、総工費は設計変更により1兆円近くに増える。

 工期も大幅に延び、新基地の供用開始は早くても30年代前半とされ、今から完成後の地盤沈下も指摘されている。

 安倍政権は「辺野古が唯一の解決策」と言い続けるが、すでに説得力はない。政府が固執すればするほど、普天間返還は遠のく。




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