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論戦ハイライト 衆院予算委 志位委員長の質問(2020年4月29日配信『しんぶん赤旗」)

医療崩壊止める 補正予算の抜本的組み替えを
暮らし・営業守り抜く補償こそ


 深刻な状況が続いている「新型コロナウイルス危機」に対し、いま政治は何をなすべきなのか―。29日の衆院予算委員会で日本共産党の志位和夫委員長は、共産党の積極的提案を示しながら、安倍晋三首相の見解をただし、補正予算案が、感染爆発と医療崩壊を食い止め、暮らしと営業を守り抜く内容となるよう抜本的な組み替えを強く求めました。

PCR検査

志位「検査センターに新たな予算措置を」

首相「交付金などがある」

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質問する志位和夫委員長=29日、衆院予算委

 志位氏は「医療崩壊を止めるための一つのカギは、PCR検査の体制を抜本的に改善・強化し、必要な人が速やかに検査を受けられる体制に転換することだ」と指摘しました。

 志位氏は、保健所に設置された「帰国者・接触者相談センター」を通す現行の仕組みについて、「保健所は能力の限界を超え、検査を担う『帰国者・接触者外来』も限界にきている。多くの国民が検査を受けられない状況が続くもとで市中感染が広がり、各地で院内感染が起こり、医療崩壊が始まりつつある」と述べました。

 その上で、感染が疑われる人が保健所を通さずにかかりつけ医に電話相談し、「PCR検査センター」で検査する仕組みを提案。安倍首相も方針を転換し、17日に同センターの設置を表明したとして、新方針に見合う予算措置を求めました。

 志位 検査センター設置推進のための新たな予算措置をしたのか。

 加藤勝信厚生労働相 検査センターは「帰国者・接触者外来」の一形態だ。設置や運営に関する費用は計上されている。

 志位 「運営に関する費用」とは、患者負担減免のための措置だ。検査センターの費用は1円も入っていない。つくると表明した以上、整備のための新たな予算措置を。

 志位氏は、「検査センターの設置・運営には1カ所平均5000万円かかる。全国で数百カ所つくるとなれば、200億円程度が必要になる」と強調。「各地で設置に向けた努力が始まっているが、地域の医師会の協力を得ようとすれば、輪番で検査に当たる医師への手当てが必要になる。(その医師が)診療所を休止するための補償も必要になる」として重ねて迫りました。

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 志位 多くの医療関係者が強い使命感でコロナ危機に立ち向かっているが、使命感だけでは検査センターは進まない。政府の強い財政的な後押しが必要だ。

 首相 1490億円の緊急包括支援交付金を創設した。地方創生臨時交付金も活用できる。これらとは別に、検査センターの運営等に要する費用も計上している。

 志位氏は、「運営費の予算49億円は、患者さん本人の負担減免のためのものだ」と重ねて指摘。「1490億円の包括支援交付金は検査センター設置を表明する前に決めたメニューだ。自治体任せ、医師会任せではなく、政府として新たな予算をつけて『安心して進めてほしい』と言ってこそ、設置が進む」と力を込めました。

受け入れ病院確保

志位「減収は国が全額補償すべきだ」
首相「医療体制は国が責任をもって守っていく」


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表:新型コロナ患者受け入れによる病院の減収要因

 PCR検査と一体に進めなければならないのが、新型コロナウイルス感染者の治療、隔離、保護です。そのために重症・中等症の患者を受け入れる病院の確保が必要ですが、病院には大きな財政負担がかかっています。

 志位氏は、全国の医療機関から聞き取ったさまざまな減収要因(表)を指摘。“感染症患者15人を受け入れるため、一般患者用の病床を41減らした”など必要な対応が、すべて減収につながり、「このままでは夏までに資金がショート(不足)する」と切実な訴えが寄せられています。

 東京都杉並区は、区内四つの基幹病院の患者受け入れによる減収額を月平均2億円と試算しています。志位氏は、「区長は『コロナウイルスとのたたかいに挑めば挑むほど病院が経営難になり、最悪の場合、病院の崩壊を招きかねない』と述べ、減収分の全額助成の方針を打ち出している。本来これは国がやるべきだ」と強調。「財政的補償がないままで対策は行えない」「コロナ対策にかかる費用は、国が全額補償すると明言すべきだ」と迫りました。

 加藤厚労相が、補正予算案で1490億円しかない緊急包括支援交付金や、重症者治療に限られた診療報酬の倍増を持ち出して弁明したのに対し、志位氏は「桁違いに足りない」とぴしゃり。感染症患者の受け入れ先「帰国者・接触者外来」を持つ約1200病院が、月2億円の減収とすると、その補てんに月2400億円、半年で1兆4千億円かかると述べました。

 志位氏は、政府が続けてきた医療費削減政策によって多くの病院が日常からぎりぎりの経営を余儀なくされているのにくわえ、コロナ禍で一般患者の受診抑制が深刻化し、経営を圧迫、感染症患者に対応すれば倒産必至だ―という全国からの悲鳴を次々と突き付けました。

 「首都圏の民間病院の院長からは『政府に「お金は国が責任を持つ」という強いメッセージを出してほしい。それがないと乗り切れない』という訴えが寄せられました。このメッセージを総理の口から言ってほしい」とただしました。

 安倍首相は、医療費削減政策の責任には何ら答えず、厚労相と同様に補正予算案などの説明に終始しました。

 志位氏は、1600の病院が加入する全国公私病院連盟が国に提出した緊急財政支援の要望を紹介。邉見(へんみ)公雄会長から直接、「医療機関には本来、(財政的・人的)ゆとりが必要だが、まったくない。この状況下では頑張っている医療機関ほど赤字になる」という訴えが寄せられたとして、減収分の全額補償を重ねて求めました。

 首相 医療提供体制の機能は国が責任を持って、しっかりと守っていく考えだ。

 志位 しっかり補てんすると言わない。全日本病院協会の猪口雄二会長は「6月には資金ショートの病院が相次ぐ」と言っている。そこまでひっ迫しているんです。一刻を争う課題なんです。

 志位氏は次に、自宅療養中の患者が急に症状が悪化して死亡した事例があることからも、軽症・無症状の患者を隔離・保護する施設の確保が急務だと強調。ここでも医療従事者の確保が難航しているため、財政支援の規模についてただしました。

 厚労相 緊急包括支援交付金のなかで対応する。

 志位 なにもかも1490億円の包括交付金だ。打ち出の小づちじゃない。

 志位氏は、東京都が軽症者用にホテル「東横イン」の205室を借り上げた事例では、食事代を含めて6月までに6億5千万円の予算を必要としていること、政府が確保したという21万室を活用すれば、単純計算で当面6500億円が必要になることを指摘。医療用マスクや防護服、人工呼吸器などの増産・提供も必要で、「医療崩壊阻止のためには緊急に数兆円規模の予算が必要だ」と述べ、補正予算案の抜本的組み替えを迫りました。

暮らし

志位「英国並みの支給額に」
首相「10万円給付がある

グラフ:休業した雇用者への政府支出(月額)雇用者1人当たり
 新型コロナ危機から暮らしと営業を守り抜くのは切実な問題です。

 志位氏は、政府が、「すべての日本在住者への10万円の給付」を決めたのは国民の声が政治を動かした大きな成果だが、一回きりではない継続的な補償が必要だと述べ、まず生活を支える収入の補償についてただしました。

 安倍首相はこの間「雇用調整助成金でしっかりと補償する」と述べています。志位氏は、雇調金は企業が支払う休業手当の一部を助成するものだが、いまの制度ではコロナ禍に苦しむ多くの中小業者を救えないとして、二つの問題点を指摘しました。

 一つは手続きが煩雑であまりに時間がかかるということです。直近の数字でも相談件数は19万件以上にのぼるのに申請は3459件、支払いは329件にとどまっています。

 志位氏は、「3~4カ月後に振り込まれても会社が存続しているか分からない」との業者の訴えにどう応えるのかと迫りました。

 「申請項目も検証した」などと語る加藤厚労相に志位氏は「緊急時に平時のやり方では救えない」と述べ、「コロナ特例」として▽申請を受けたらまず給付。審査は後で▽企業は休業手当の支払い前に給付を受けられる―という仕組みに改めるよう要求。全国知事会も求めていることだと強調しました。

 もう一つの問題は、雇調金で政府が企業に支給する額には従業員1人あたり「1日8330円」という上限があることです。

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 月額にすると、休業した雇用者への政府支出はせいぜい16万7000円。最大2500ポンド(約33万3000円)の英国の半分です。(図)

 志位 首相は「わが国の支援は世界で最も手厚い支援だ」(別項)と言った。それなら英国並みに補償を引き上げるべきではないか。

 首相 一律10万円給付は日本独自のもの。イギリスにはない。

 志位 一回きりではないか。雇調金をコロナ特例として抜本的に改めるべきだ。賃金の8割、上限30万円を補償し、個人事業主やフリーランスにも収入の8割を補償する制度をつくることを求める。

安倍首相の発言
 「今回の経済対策の内容は、事業者と雇用者に対する支援としては国際的に全く遜色ない手厚いものとなった。休業に対して補償を行っている国は世界に例が無い。わが国の支援は世界で最も手厚いと思う」

 ※自民党「役員会概要」(4月13日)より



営業

志位「家賃など継続支援を」
首相「さらなる対応も」


 事業を支えるための補償という点では、休業で収入がなくなっても、家賃など固定費は毎月支払わなければならず、業者から悲鳴が上がっています。

 志位氏は、福岡市が休業などを行った業者に、家賃の8割、月50万円を上限に支給する仕組みをつくったことを紹介。「自治体では『家賃8割補償』が始まっている。自治体でできて国でできない道理はない。家賃など固定費の補償に踏み込むべきだ」と迫りました。

 事業者むけの「持続化給付金」の活用を訴えた安倍首相に対し、志位氏は、持続化給付金は売り上げが半減以下の少数の事業者しか対象にならないと指摘。しかも持続化給付金は一回こっきりです。

 志位氏は、「小さな飲食業者でも、固定費は毎月30万~40万円出ていく」「スナックや居酒屋も東京を支える大事な文化。営業を続けられる補償を」という東京のスナックや居酒屋経営者の声を紹介しました。

 志位 スナックや居酒屋の灯は守ると約束してほしい。家賃などへの支援は1回ではなく継続的に支給を。

 首相 持続化給付金は約半年の地代等の費用分で、東京ではもっとかかると承知している。長引けばさらなる対応も考える。

 志位氏は、「全国知事会も複数回支給を要求している」とさらなる支援を要求しました。

イベント中止

志位「文化守ると約束せよ」
首相「灯は絶やさない」


 安倍首相が名指しで繰り返し行ったイベント自粛要請。ぴあ総研の調査では、5月末までの推計で入場できなくなった観客総数は1億900万人、入場料金の減少額は3300億円に上ります。

 志位氏は「延べ1億900万人もの移動を止めている。巨大な社会的貢献ではないか」と指摘。ホリプロの堀義貴社長が「しんぶん赤旗」日曜版の取材に、劇団によっては倒産も覚悟で人々の移動を止めたが、「補償どころか、ねぎらいの言葉さえない」と語っていると述べ、首相の受け止めをただしました。

 首相は「協力に心から感謝申し上げたい」と答弁しました。

 志位氏は、指揮者の沼尻竜典さんの「文化・芸術は水道の蛇口ではない。いったん止めれば、次にひねっても水が出ないことがある。文化・芸術の蛇口に手をかけている政治家の方々には、芸術の営みを止めることへの痛みを感じる想像力を」との言葉を紹介。

 志位 この声にこたえるべきだ。文化・芸術・スポーツは、人間として生きるために必要不可欠な「酸素」のような貴重なもの。日本の文化・芸術・スポーツを守り抜くために、補償を行うと約束を。

 首相 (文化の)灯を絶やさないよう全力を尽くしたい。

 志位氏は名指しの要請にふさわしい特別の補償があってしかるべきだと求めました。

予算

志位「まずは収束に予算を」
首相「キャンペーンもある」


 最後に志位氏は、「ただちに補償を」と求める人々から補正予算案に「“Go To”キャンペーン事業」なるコロナ収束後の消費喚起策が1・7兆円も盛り込まれていることに怒りの声が広がっていると指摘しました。

 志位 収束後の事業につぎ込む予算が1・7兆円もあるなら、まずは目の前の感染爆発、医療崩壊を止め、一刻も早い収束のために使うべきではないか。

 首相 収束後、文化芸術にふれようというキャンペーンも行う。

 志位氏は、「収束できたらみんな行きますよ」と補正予算案の抜本的な組み替えを強く求めました。

志位さん トレンド1位

国民の声届ける質問に共感

 日本共産党の志位和夫委員長の29日の衆院予算委員会での質問に、「コロナで困っている人に熱い心を寄せた質問で感動した」などの反響が次々に寄せられました。志位氏の質問直後には、ヤフーが発表するツイッターのトレンドランキングで「志位さん」というワードが1位になりました。

 小説家の平野啓一郎氏はツイッターで「首相に志位氏のような能力があったら、どんなによかったか。結局、五輪を来年の夏にやると決めたせいで、それと矛盾する、他国で示されてるような数年かけての終息への道のりを示せない。で、夢物語ばかり。なにが『将来の灯火』だ」と投稿。他には「STAY HOMEで家事をしながら国会中継に耳を傾ける。今は志位さんの質問時間。共産党に一度政権を任せてみたいな~と、つくづく心から思う」「志位さんのおっしゃる通り、コロナが収束したら、余裕のある人は旅行、コンサートなどに積極的な参加行動をします。GO toキャンペーンに1・7兆円使うより、今困っている人に使うべきです」などの投稿がされ、話題になりました。

 党本部には、「ホリプロ社長など、イベント関係者の具体的な氏名をあげて、切実な補償要求を安倍首相に突き付けたのがよかった。自粛と一体の補償は全国知事会も要求しているんだという質問も説得力があった」と評価する声が届きました。エンタメ業界で働く親を持つ大学生からは「ライブエンターテインメントへの影響を国会で話してくださった志位さんなら、エンタメ業界の家族に耳を傾け、動いてくれると希望を感じた」と期待の声が寄せられました。




論戦の成果ふまえ引き続き奮闘する(2020年4月29日配信『しんぶん赤旗」)

予算委後 志位委員長が会見

 日本共産党の志位和夫委員長は29日、衆院予算委員会の質疑後に国会内で記者会見し、補正予算案の内容は医療や補償の問題などで規模も足りず、さまざまな問題点があるとして、「質疑では、具体的にわが党の提案を一つひとつ述べ、抜本的な改善を求めました。答弁は全体として不十分ですが、いくつかの点で政府も私たちの主張を認めざるを得ない点が確認できました。それらを土台に、引き続き、新型コロナウイルスで苦しんでいる方々の思いを国会に届けて、がんばりたい」と表明しました。

 志位氏は、医療の問題で、PCR検査体制の強化、医療機関の減収に対する補償について具体例をあげて堤起したことに対して、安倍晋三首相が「1490億円の緊急包括支援交付金で対応する」と繰り返したと指摘しました。

 質疑で、PCR検査センターを全国で数百カ所設置しようとすれば200億円、病院経営の減収に対する補てんでは半年で1・4兆円、軽症者・無症状者の方の療養施設の確保にも概算で6500億円程度の費用が必要になると具体的に示したことに触れて、「1490億円ではとうてい足りません。首相は“1490億円”と繰り返したので、“打ち出の小づちじゃない”と話しましたが、数兆円規模で医療に対する財政支出が必要です」と語りました。

 安倍首相が、「医療提供体制の機能は国が責任をもって、しっかりと守っていく」と答弁したことについては、「大事な発言なので、減収の補てんを政府として責任をもって行うことを求めていきたい」と述べました。

 補償の問題では、雇用調整助成金を「コロナ特例」として抜本的にバージョンアップし、あり方を改善し、額も抜本的に引き上げるという提起をしたことを強調。「この問題での首相の答弁は、『持続化給付金がある』の一点張りで、家賃についても『持続化給付金』を繰り返すだけでした」と指摘。補正予算には、「緊急包括支援交付金」と「持続化給付金」という「たった2枚のカードしかない」として、これではとうてい足りないと語りました。

 その上で、家賃の問題では、「持続化給付金」を継続的に出すべきだという志位氏の提起に、安倍首相が、(1)「長引けばさらなる対応等も考えなくてはいけない」と答弁したこと(2)「持続化給付金」はあくまで全国平均だと認め、「東京ではもっとかかると承知している」と認めたことを指摘し、「給付金の抜本的拡充を求めていきたい」と力を込めました。

 また安倍首相が繰り返し自粛を要請したイベントの問題で、志位氏がホリプロの堀義貴社長の「ねぎらいの言葉さえありません」との言葉を紹介したことに対して、安倍首相が「心から感謝申し上げる」と答えたとして、「ともかくそう言われたことは受け止めたい」と述べました。

 同時に、「文化の灯を絶やしてはならない」という志位氏の追及に、安倍首相が「人生、生活において文化・芸術は必要不可欠」と繰り返したとして、「そう言ったからには文化の灯が消えないような補償が必要です」と強調しました。





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