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「収束は越年の可能性」「使命感で戦う」新型コロナ最前線の病院長が語る現状と課題(2020年4月30日配信『産経新聞』)

 新型コロナウイルスの感染拡大に収束の兆しは見えず、医療従事者らは危機感を募らせている。西日本唯一の特定感染症指定医療機関で、早期から新型コロナ感染者の治療にあたってきた「りんくう総合医療センター」(大阪府泉佐野市)の山下静也院長が産経新聞のインタビューに応じ、「収束は越年の可能性もある」との見解を示した上で、ウイルスと最前線で戦う現状と課題について語った。

 「いつ重症者が運ばれてくるか分からず、何が起こるか分からない。現場はもう限界に近付いている」

 センターでは人工呼吸管理が必要な重症患者と酸素投与が必要な中等症の患者を受け入れており、現在は感染症担当の医師3人と救命救急の医師19人、さらに71人の看護師で対応にあたっている。

 これまでの治療で、比較的症状が軽くても数時間で急変する感染者がいることが分かった。感染防止にも細心の注意が必要だ。知識と経験が求められ、誰もが応援に入れるわけではない。その結果、担当者一人ひとりの夜勤回数は増え、精神的な負担も大きく現場が疲弊しているのが実情という。

 そうした中で、現場の医療従事者らを動かしているのは責任感と使命感だ。「患者さんを一人でも多く助けられるように、病院一丸となって見えぬ難敵と戦っている」と話す。

「ただごとではない」予感、現実に

 関西国際空港の対岸にあるセンターは、2月ごろから感染が疑われる渡航者を診察するなど水際対策を請け負ってきた。最初に患者を受け入れたのは3月初めだが、当時世間ではまだ感染拡大に対し楽観する風潮があった。

ただ、エボラ出血熱や新型インフルエンザなどの感染症患者を受け入れた経験と、強い感染力を持つとされた中国・武漢市内の情報をあわせ、「これはただごとではなくなる」という予感はすでにあったという。

 結果、感染は世界中に広がり、日本でも政府が緊急事態宣言を発令。センターは感染者対応のため、急を要さない手術の多くを延期し、高度な医療技術が求められる重症・重篤患者以外の救急診療を制限した。

 宣言から3週間あまり。府内の感染者の増加は緩やかになりつつあるが、「緊張感は解けない」と強調する。一時的に拡大が抑えられたように見えても、無症状の感染者はおり、そこから再び広がる可能性は十分に考えられるからだ。「収束まで年内いっぱいかかるのではないか。長引けば年を越す可能性もある」とも話す。

「国は早急に手だてを」

 長期戦も視野に入るが、課題は多い。センターでは医療用ガウンやマスクなどの物資は底をつきかけ、フェースシールドは不足しているため手作りしたり市販のゴーグルで代替したりしている。「医療物資は、コロナと戦うための道具。なくなれば院内感染が起きてしまう」

 また、肺炎の影が確認されても、国の基準を満たさず、すぐに検査を受けられない「肺炎難民」も多数いるほか、治療効果が期待されている抗インフルエンザ薬「アビガン」にしても未承認薬で、投与できる患者が限られている。

 山積する課題についてこう警鐘を鳴らす。「医療崩壊はとっくに始まっている。国は手だてを早急に進める必要がある」




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Author:gogotamu2019
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