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政治家にはよほどの覚悟と責任がいる(2020年5月2日配信『日本経済新聞』-「春秋」)

 そのとき、人々はどんなに驚いたことだろう。1872年11月9日、まだ明治維新の混乱が続いているころ、新政府は突如として改暦のお触れを出した。「明治5年12月3日を6年1月1日とする」。旧暦から太陽暦への転換を、施行のわずか24日前に決めたのである。

▼前年の廃藩置県も電撃的だったから、時代の変わり目とはひどく慌ただしいものらしい。昨今もコロナ危機のなかで次々に新しい話が飛び出しているが、ここへきて、小学校から大学までの入学時期を9月に移す案が急浮上だ。この新学期の授業はあきらめ、今秋から仕切り直そう……。いやはや準備期間は4カ月もない。

▼改革のメリットは多々あるにせよ、騒動の最中に突貫工事ができるかどうか。そもそも感染がすっかり収まってもいまい。という声に対しては別の案もある。いまの学年は来夏まで継続し、来秋から新制度に移行する――。なるほどと思うが、その場合でも小学校の新入生は5割ほど増えてしまう。はて、これをどう解く。

▼会計年度との関係や、来春は新卒者が社会に出てこないという問題も議論になろう。などと挙げれば、できぬ理屈ばかり並べる臆病者と言われそうだが、ほんとうにエイヤッと踏み出すなら政治家にはよほどの覚悟と責任がいる。話は違うが、明治の改暦には官吏の給料を2カ月分払わずに済むという目的もあったそうだ。




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