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コロナ禍とDV、虐待/ステイホームの弊害に目を(2020年5月2日配信『河北新報』-「社説」)

 ストレスをうまく解消できず、コントロールできなくなった感情が理不尽な暴力となって大切な人を傷つける。

 新型コロナウイルスの感染拡大で家庭内暴力(DV)や児童虐待の増加が懸念されている。集団感染を防ぐための休校、在宅勤務、外出の手控えがずるずると長期化し、家族が顔を合わせる時間が増えていることが影響している。

 内閣府は緊急経済対策の一環として1億5000万円のDV対策費を計上した。相談体制の拡充を図り、手遅れにならないよう実態把握と救済に努めてほしい。

 東日本大震災の際も家族の絆の大切さが強調された。ところが配偶者や交際相手への暴力、子どもへの虐待が被災地で頻発していたことが後の調査で明らかになっている。

 被災者は窮屈な仮設住宅暮らしや見知らぬ土地での避難生活を強いられた。日常生活が突如奪われ、将来展望を見いだせないことで不安を深め、やり場のない怒りが身内に向けられた。

 コロナ禍は「第2次世界大戦以来の厄難」と言われるだけに、より広範囲で深刻化しかねない。危機感を共有したい。
 個別事情を直接聞き取ることが難しくなっている。DV相談窓口を設けても感染防止のため面談を控えざるを得ない自治体が出ているのだ。

 内閣府は民間団体に委託し、メールや会員制交流サイト(SNS)、24時間対応の電話でも受け付ける相談窓口を新たに設置した。オンラインでの面談も導入し、被害者の窮状を受け止める仕組みを早期に広げたい。

 緊急経済対策として国民に一律10万円の給付が決まり、世帯主の口座に家族分が一括振り込まれる。DVから逃れるため、居場所を隠して暮らしている被害者に細心の注意を払うべきだ。

 避難先の市区町村に申し出れば給付を受け取れる手続きが始まったが、加害者に住所が知られることがないよう徹底してほしい。

 子も親にとっても「ステイホーム」が長引いていることがやっかいだ。

 本紙がSNSで長期休校を巡り実施したアンケートに対し、切実な声が寄せられた。

 「虐待や貧困の中にある子どもたちに目が行き届かないこと、社会がイライラしていて他者に攻撃的になっていること…。影響は甚大でウイルスと同じレベルで危険だ」

 「自宅に引きこもりの日々は子(高校2年の娘)も親もストレス」

 学校側の目配りが行き届かず、子どもの心と表情の変化、体の傷など虐待の兆候を見逃す恐れがある。

 休校は緊急事態宣言が延長になれば、さらに長期化する可能性がある。SOSのサインを見落とさないよう定期的な電話連絡や家庭訪問、分散登校日を設けるなど、きめの細かい見守りを継続したい。





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Author:gogotamu2019
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