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れいわ新選組・山本太郎代表の本音に迫る(2020年5月3・4・5日『日刊ゲンダイ』)

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れいわ新選組代表の山本太郎氏

災害便乗の詐欺的手法を良い目的に使って消費税をゼロに
「総理を目指す男」が国会を去ってから早や9カ月余り。れいわ新選組の山本太郎代表を追い続けるフリーランスライター・畠山理仁氏が本音を引き出す。1回目は、グズグズ政権のコロナ対策への苦言と、緊急事態を乗り切る大胆な救国プランを激白する。
 ◇ ◇ ◇
 ――まず、現政権の新型コロナウイルス対策はどう思いますか。

「後手後手」という言葉ではカバーし切れないほどの後手後手ぶりですね。当初は感染拡大を甘く見ていたのでしょう。「インフルエンザと変わらない程度の感染力」とかね。大した問題ではない、日本は大丈夫という空気作りに力を注いだ。理由は東京オリンピックの開催。五輪開催と人々の命や生活を取り引きしてしまった災厄が今、押し寄せていると思います。

 ――五輪に重きを置き過ぎて人命を軽く見ていた、と。

 何としても今年の開催を念頭に置いていたと思うんですね。結局、オリンピックの延期が決まってからの対応が変わってきていますもの。

 ――所得制限なし、全ての国民1人一律10万円の現金給付への方針転換もありました。以前よりはマシになった印象ですか?

 そうですね。住民税の非課税などの困窮世帯に30万円と、限られた人たちしか受け取れない状態でしたから。コロナに関係なく、消費増税の影響などを考えても、もともと手当てが必要だった方々への給付でしかなかった。その後のコロナの影響も考えれば、住民税非課税世帯のみならず、多くの人たちの生活が厳しい状況、先行き不安な状態に陥っています。限定給付自体があり得ません。大勢の人が不満の声を上げた結果、一律10万円に落ち着いたのは大きな前進です。確実に国民の怒りが政治を動かしています。政権側もネットをちょこちょこのぞいて世間の反応を見ているんだなって分かりましたよね。夜のお仕事をされている方は一斉休校に伴う休業補償の対象外だった話も、「ひどい」との声が上がると取り下げました。ネットの中に住んでいるのが、最近の政府の傾向なのかな。

 ――確かに。安倍総理も先月17日の会見で朝日新聞の記者に布マスク2枚配布の認識を問われると、「御社も2枚3300円で販売していた」と、ネットの不正確な情報をもとに皮肉っていました。

 安倍総理も最近は早くおうちに帰り、ゆっくり過ごされている日も多いので、ネットサーフィンを楽しまれているのかなとは思いますね。政府が批判を気にして、これだけ短い間に軌道修正するのですから。「頑張っているんだから、文句を言うな」といった風潮は、やはりお門違いです。

 ――れいわ新選組は先月6日の緊急提言で、GDP押し上げ効果のある「真水」100兆円で徹底的にやるとして、1人20万円の現金給付を打ち出しています。政府の1回こっきりの10万円とは違うのですか。

 私たちは別にワンショットとは決めていません。まず「お見舞金」として20万円は必要だろうと。足りなければ、また給付すればいいって話で、財源は日銀にカネを刷らせればいい。既に家賃や水道・光熱費を滞納するなど、苦境に立たされている方々は山ほどいます。10万円給付を半年続けるぐらいの勢いでないと、その人たちの最低限の暮らしは救えません。セーフティネットから漏れ落ちている人だって、かなりの数に上るはず。例えば学生で仕送りも薄く、バイトしながら生活していた人たちやフリーランスなどです。何かしらの申請には確定申告の控えが必要と言われても、申告をやったこともない人々は諦めてしまう。このような厳しい状況に置かれている人々を、国はテレビCMを打ってそんな方でも受けられると、までは補足しようとしない。1回こっきりの10万円では生活は難しいと思います。

 ――国もさまざまなセーフティーネットを講じてはいます。

 ただ、電話がつながらず、かなり待たされたり、予約制で面談の形による状況説明が必要だったりで、一刻の猶予もない絶望的な状態に置かれている人は多いと思います。最大80万円の融資を受けられ、一年後の返済時に住民税非課税世帯のままならチャラにしてもらえる緊急小口融資策などもあるにはある。でも、学生で実家を離れてほぼバイトで生活をしていても、少し仕送りしてもらっていると、1つの世帯とみなされて、実家と学生、個別にはお金が下りないケースがあると聞いています。役所のサービスになかなかリーチできない、使えない人を救うには全体に10万円を1発、2発とコンスタントに出している間に時間を稼げば、真に給付金を必要とする人たちを絞り込めると思うんですよ。

■減税議論を前進させるのが最も重要

 ――緊急提言では消費税を1年間ゼロ%にする消費税法の特例法制定も打ち出しています。「1年間」とは、ご自身がコロナ危機が長く続くとの認識に基づいた期間なのですか。

 別に1年間じゃなくてもいいんですよ。人々の生活が好転するまで、経済状況の回復が確認される時点までゼロ%でいいじゃないか、と。僕は消費税廃止の考えですけど、この永田町の石頭の人たちを廃止では説得できる状況じゃないだろうなと思っていて。ところが、コロナ危機で自民党の若手からもゼロ%を求める意見も出てきたし、野党にも消費税減税に非常に前向きな若手がいます。だったら、すぐにでもゼロ%にしちまって、皆に消費税ゼロの味を思い出してもらう。その勢いで消費税法も廃止にできるのではないか、と(笑い)。

 ――消費税率を再び戻そうとの声は上がらない、と見越しているわけですね。

 無理ですね。一度ゼロにしちゃうと。

 ――そこまで手の内を明かすと、乗れない人も多くなりませんか。

 ゼロ%への思惑はそれぞれの自由ですから(笑い)。結果、人々の生活が改善され、経済も立て直せる。災害便乗型、いつも彼ら多数派がやっている詐欺的手法をいい方向で使うって、どうですかね。

 ――そこまで言っちゃいますか。

 結局は多数派がハンドリングするとはいえ、この非常時なら消費税ゼロ%は必要です。その合意形成は前に進められるのではないか。少なくとも消費税は減税する。現場の混乱を考えればシンプルにゼロにすべきですけど、何にしても減税議論を前進させるのが最も重要かな。消費税を払わなくて済めば、事実上、全ての人々への給付と同じ意味を持ちます。

お金を払う行為を極端まで無くせ

 ――全ての教育の授業料免除や、家賃滞納者への立ち退き禁止も提言しています。

 先ほどのバイト生活者には学生も含まれています。今は実家の援助を受けている学生でも、親がお金を出せない状況になるかもしれません。授業料の支払いで苦しむ前に、まず国が肩代わりしてあげるべき。とにかく、お金を払う行為を極端まで無くして行くのが大事です。社会保険料も免除。健康保険、年金、介護、雇用、労災などの保険料収入は1カ月あたり大体5兆円余り。水道・光熱費も月1兆円くらい。この程度ならもう1年間、払わなくて済むことにすれば皆、安心しますよね。いつ感染が終息するのか分からない。1年どころか、2年はかかるというスパンの中で、向こう1年はとりあえず、あらゆる支払いを止める。国が補償して苦しい人々に安心を与えるってことです。

 ――ただ、あらゆる支払いを免除したら、経済が回らなくなるとの懸念はありませんか。

 免除する代わりに国が金を出す。例えば水道・光熱費は、事業者が国に請求する形にして補填を受けられる形にすればいい。世の中の一番の懸念は、政府の借金が増えてしまうことでしょう。政府の借金は、インフレが悪化しなければ何の問題もない。誰かの赤字は、誰かの黒字です。日銀の資金循環統計をみても、これまで政府の赤字が増えれば民間の黒字が増えることはハッキリしています。政府の借金が拡大しても財政出動が伴えば、民間の資産は拡大していく。誰かの借金は誰かの資産という関係性なのです。今の日本だと、政府の借金は国民全員の借金みたいな考え方に洗脳されています。だから、ご理解いただくのに時間はかかるかもしれませんけど、どんどん金を刷って、皆に配っても問題はありません。

 ――各国の対策と比較しても、日本の財政支出は少ない。

 実際にもう米国では、220兆円の財政支出が決まり、トランプ大統領はさらに200兆円規模の追加出動に意欲を示しています。ドルの供給量が増えていく一方で、円が少なくなればどうなるか。超円高ってことですよね。だから、もっと金を刷り、円の供給量もバランス良く増やさなければいけません。

 ――やはり、年単位でコロナの闘いは続くという認識ですか。

 残念ながら、そうですね。来週にも終わってくれた方がいいんですけど。私も全国各地を回りたいので。



れいわ新選組・山本太郎代表の本音に迫る<2>(2020年5月4日『日刊ゲンダイ』)

私が都知事になったら東京の人口が増えてしまって困る

 フリーランスライターの畠山理仁氏が、れいわ新選組の山本太郎代表の本音に迫るインタビュー。2回目は告示が来月に迫る東京都知事選と、来るべき総選挙に向けた動きを赤裸々に語ってもらった。
 ◇  ◇  ◇
 ――ちなみに、6月18日から7月5日の予定って決まっていますか。

 6月18日……。誰かの結婚式ですか?

 ――都知事選のスケジュールなんですけど。

 アハハ、すみません。6月は結婚式が多いのかなって。

 ――ジューンブライドとかは関係なくって。

 違うんですか? 今のところ、フリーです。コロナの感染拡大がなければ全国を回っていたでしょうけど。全く予定が見えない感じです。

 ――都知事選にお出になったりはしませんか。

 お出になったりって、えらいストレートですね。

 ――遠回しに日程から尋ねたんですけど。

 以前に「選択肢として排除しない」と語った状況からは何も変わっていません。小池知事もオリンピックを延期するって決まってから、本気を出しているじゃないですか。あくまでオリンピック延期決定からですけどね。テレビCMで、ご自分の宣伝もされていましたし。このまま行けば、安泰じゃないですか。

 ――血税9億円CMとの指摘もありました。

 そうは言っても、小池さんが大ナタを振るっているように見せている中でも、やはり漏れ落ちている方々も多い。例えばネットカフェ難民。2年前の調査で都はネットカフェ利用者の実に25%以上、4人に1人が住居消失者とし、その数は1日あたり約4000人と試算しています。小池さん自身、ネットカフェのクラスター化を懸念し、12億円をかけて寝泊りされている方々をアパートやホテルに移すようなことを言いましたけど、まず運用上は劣悪な環境の「無料低額宿泊所」に入ることとしていました。

 ――非常に狭い居室が密集した空間ですよね。

 たくさんの人が詰め込まれる施設のため、ネットカフェから別のクラスターになり得る場所に移すようなものです。つまり対策費の額面は大きく見せかけても、実態が伴っていない。小池さんには現場の運用面に関しても、ビチっと指示していただきたいなとは思いますね。

 ――私にやらせろとは思わないのですか。

 僕が都知事になったら、東京の人口、増えちゃいますよ。

 ――地方から人が集まってしまう?

 ちょっと、僕が東京を日本で1番暮らしやすい街にしちゃったら困るなあ。ずっと一極集中は避けるべきだと言ってきましたから。人口を地方に分散すべきとの立場なので。これまでの主張とズレてしまう。なかなか都知事選に出るとは言えませんね。矛盾が生まれてしまいますから。

 ――でも、選択肢としては排除しないと。

 それはもう、去年の秋から変わっていません。

 ――出馬の条件も去年と変わっていないのであれば「山本太郎を使ってやろう」と野党共闘がまとまればいいのですか。

 私を候補者にしたいとは思っていないですよ、野党の皆さんは。大嫌いですもん、たぶん私のこと。皆さん、いい人なんですけど。大好きなんですけどね、コッチは。フフフ。どうなんですかねえ。諸説あるじゃないですか。情報としては古いですけど、蓮舫さんが出られるとか、あと山尾志桜里さんの話も聞くし。ご自前の候補擁立を考えているんじゃないですかね、野党の諸先輩方は。

 ――れいわの党勢拡大の大きな原動力は街頭集会でした。コロナ危機で全く開催できない状況に置かれていますけど、総選挙に向け、これから、どう動いて行くのですか。

 草の根運動をやっていこうと、国政政党になってからも全国を回っていたんですけど、今の状況では外に出るのが難しい。ずっと集会がかなわないのは、非常に痛手です。国会内での活動も舩後靖彦・木村英子両参院議員がいるとはいえ、予算委員会などには席を持っていません。それは、ほとんどテレビの電波に乗れないことを意味します。そうなると「れいわは今、何をやっているのだろう」と気にかけて、ネット検索してくれるような方じゃないと、情報を拾ってもらえない。政党として事実上、「生きているんですか?」みたいな状態になっているのかも知れません。一応、ネットで情報発信はしているんですけど。どうしても受け身になりがち。動画投稿の視聴回数は伸びたとしても、30万回程度。テレビの視聴率だと、1%を切るレベルですよね。その中でも世論調査で1%そこそこの政党支持率を保てているのは、大健闘だと思います。存在しているかどうかも分からない扱いなわけですから。

 ――露出が減っているからこそ、都知事選に出るという選択はないのですか。

 不謹慎ですね(笑い)。そういう趣旨で出馬したら、タコ殴りに遭いますよ。

 ――そういう趣旨で出馬する人たちもいますよ、N国さんとか。

 なるほど。確かに政治家であれば、東京都くらいの大きな自治体のトップは魅力的な立ち位置だとは思いますけどね。世界の一国と同じ規模の予算を執行できるわけですから。けど、今は「ここだけの話ですよ」って事には、ならないですね。

外出自粛中の楽しみは1時間のバスタイム

 ――総選挙に向けた候補擁立は1次公認の13人しか発表できていません。コロナの影響で2次公認の発表も白紙になってしまったのですか。

 そうですね。けど、2次公認の内定者とは水面下で会っています。

 ――今、公募の応募者数はどれくらい?

 800人くらいじゃないですかね。2次公認の内定者だけでも5、6人はいます。ただ、全体的に自粛ムードなので、恐らく公募も自粛されてるのでは。

 ――もうひとつのハードルは選挙の資金です。総選挙で独自に100人規模の候補を擁立すれば最低20億円はかかると言われています。集まりそうですか。誰かポンと出してくれる方は見つかりましたか。

 いないですねえ、ホントに。ハードルが上がりますよね。100人立てる気持ちはある。候補者を100人そろえるのも無理じゃないと思っています。ただ、お金のことを考えると、最低20億円って、結構なハードルの高さです。しかも消費増税に加え、コロナが追い打ちですから。この危機的状況の中で多くの方々から寄付金を募って選挙を戦うのは、去年の参院選以上にハードルは上がるでしょうね。

 ――どう集めますか。

 偽札を作るわけにはいかないんでね(笑い)。コツコツやるしかない。ただ、総選挙が近くなれば、また違う雰囲気にはなるとは思います。それは政党支持率も同じ考えで捉えています。露出が少ない中で政党支持率1%は大健闘と言いましたけど、選挙の風が吹き始め、自然と露出が増えていけば間違いなく、支持率も上昇すると思うので。寄付も同じで、選挙ムードが高まれば、お金は集まると思います。その額はいくらになるかは分かりませんけど。参院選同様、どれだけ金額が集まるかということから始めなければ、総選挙も候補者を何人立てるかという話にはならない。何とも予測し切れない部分ですね。

 ――総選挙の時期はいつぐらいだと、今は想定していますか。

 安倍さん、目が死んでいますものね。自民党内は総裁任期をもう1回、延ばす雰囲気ではないでしょう。もちろん、推察でしかないですけど。このまま、安倍さんで引っ張るのは自民党議員にとって、迷惑だと思う。あまりイメージ、良くないですものね。自民党が権力を握り続けるための生き残りを考えた場合、やはり気分を一新した方がいいと思うんです。ひょっとしたら、自民党総裁の交代があるかもしれないですね。もしくは、衆院の任期いっぱいまで引っ張るか、消費減税で選挙か。分かりませんね。

 ――ところで、外出自粛中のお家での過ごし方は?

 大体、家に帰ったら、まずシャワーを浴び、湯船に30分浸かったり。1時間くらいは、お風呂場にいますね。コロナ禍の間に楽しみ方が変わりましたよ。こんなにリフレッシュできるもんかと、ビックリしました。後はコンビニで購入したスイーツを食べたり、フルーツティーを飲んだり。女子みたいな過ごし方をしています。こんなオッサンもいるんです。ハハハ。



れいわ新選組・山本太郎代表の本音に迫る<3>(2020年5月5日『日刊ゲンダイ』)

コロナ以前から緊急事態との認識なき政治家は国会を去れ
 フリーランスライターの畠山理仁氏が、れいわ新選組の山本太郎代表の本音に迫るインタビュー。最終回は、野党共闘への思いと、畠山理仁氏が注目するベテラン政治家について、大いに語ってもらった。

 ◇  ◇  ◇

 ――毎度、取材のたびに聞いていますけど、野党共闘についてです。衆院静岡4区補選でも声はかかりましたが、れいわは共闘に参加しませんでした。野党共闘に加わらない1番の理由は何ですか。

 静岡補選に関してと言うよりも、常に野党共闘に加わる条件は「消費税5%」とラインを引いています。その答えが得られるまでは「野党共闘って何ですか」って話です。つまり、「その話はまた後で」とか、「とにかく今は野党共闘を」という話には乗れません。最初から私たちは「5%」で線引きしており、妙な特例を作ってしまうと、なし崩しは目に見えています。5%の答えが出ていない以上、野党共闘の枠組みには入れない。すごくシンプルな考えです。

 ――野党共闘が実現しないのは、条件を飲まない他の野党の側に問題があるということですか。

 いや、私たちは究極、どちらでもいい。野党共闘が実現した場合と、できない場合との両方を視野に入れていますので。野党共闘がうまくいかなくても、怒りはない。それぞれの“会社”の都合があるでしょうから。

 ――選挙では野党共闘が実現し、塊になった方が与党とは戦いやすい。けど共闘できなくても、誰が悪いということではないということですか。

 はい。これまでの国政選挙でも野党は選挙区では協力しても、それぞれ別の党として戦ってきました。本来なら「オリーブの木」構想のように、野党が統一名簿を作って選挙に臨めれば良かったのに、ずっと前から個別で戦ってきたわけです。だから、私たちが共闘しません、独自にやりますと言っても、他の野党に批判される筋合いはありません。

 ――今、野党のつなぎ役として、中村喜四郎衆院議員が注目を集めています。昨年の埼玉県知事選でも、事前の予想を覆して自民系を破った野党系候補の応援に入っていました。中村さんとお話されたことはあります?

 ないです。

 ――予定もありませんか。

 特にないですね。お会いしたこともないんじゃないかな。経済的な考え方も真逆だと思います。中村さんは緊縮路線ですよね。国の在り方についても、どちらかと言えば新自由主義的な発想をお持ちなのかな。郵政民営化にも賛成していましたし。主義主張は180度違う感じはしますが、野党のキーマンとして動かれていることは存じあげております。

 ――中村さんの動きはどう思いますか。

 現政権の対抗軸となり得る野党をしっかり築き上げていこうとする。その考えは素晴らしいと思います。ただ、緊縮を訴える限り、対抗軸にはなり得ません。野党が塊となって戦う考え方は先輩の仰る通りですが、どのような対立軸で挑んでいくのか。そのストーリーまで有権者に訴えていくことが絶対に必要です。やはり緊縮路線では人々の暮らしは、もう維持できない。国が皆さんの生活を底上げする。もっと大胆なことを打ち出していかなければいけません。プライマリーバランス(基礎的財政収支)にとらわれているような旧民主党的な考え方では、与党に太刀打ちできませんよ。

 ――ベテラン議員の方々は、プライマリーバランスの考え方から自由になれるのでしょうか。

 う~ん、どうでしょう。それぞれの方々に、これまで信じてきた考えや、訴え続けたことがありますから。そして、それなりの地位を築いて来た人々には、180度違う考え方はなかなか受け入れ難いのかもしれません。方向転換の難しさは、実感しますね。

希望を担保するのは、やはりお金です

 ――でも、今は緊急事態。ウイルスとの戦争状態ですから、悠長に構えてもいられません。

 野党の1番の抑えどころは、コロナの前に既に緊急事態であったという認識があるか、です。20年以上もデフレが続き、消費税率が上げるごとに人々の生活は壊れ、不安定な働き方を強いられてきた。ネットカフェ利用者の25%が住居消失者で、うち7割は非正規雇用です。自民党を軸とした新自由主義政策による弊害が結局、非正規で不安定な働き方の人々に及んでいます。さらに安倍政権は働き方改革を打ち出す2年前、2016年頃からフリーランスを推奨し、副業・兼業をどんどん認めてきました。ところが、そのフリーランスの人々がコロナ禍で失政のしわ寄せを受けている。結局、この国の政治は誰も守ってくれない。働く人々にとって最悪な選択をずっと続け、国を壊してきた。コロナ以前から緊急事態だったとの認識がない者には、私はハッキリ言って政治の世界に身を置いて欲しくない。完全なレジームチェンジを起こさなければ、この国は本当に滅んでしまうだろうなと思っています。

 ――最後に有権者にこれだけは訴えたいということがあれば、ぜひ。

 これだけの緊急事態に陥っても、権力を持った者たちは、なかなか本気にならない。本気なのは、いかに自分たちの権力を維持するかだけです。一律10万円の現金給付に関しても、あれだけの時間を浪費してしまった。私たちは、まだ衆院で今年度の本予算を審議していた2月26日、自民党と野党共同会派に、本予算審議を止めて、緊急の補正予算の編成と成立を求めました。この時点だったら、まだ補償も安くついたと思います。国の産業構造を反映させた総務省の産業連関表を参考にすると、サービス業を中心に1カ月休業させれば3.5兆円くらいの補償で済んだはずです。他業種に予算を回しても、恐らく真水で10兆円規模の補正予算で片付いたかもしれないのです。最初はその程度の規模で済んだはずなのに、対応が遅くれれば遅れるほど予算規模は膨らみますよね。ところが、同時に国会の休会を提案したことで「一般の人は仕事を休めないぞ」とバッシングを受けてしまった。一般の人にも「みんな休んで」というメッセージを伝え、その根拠となる予算をつけたかったんですけどね。その頃の立憲民主の国対は、コロナ対策より与党側と約束した段取り通りのスケジュールで国会を進める考えの方が強かったのかな。これでは国民の命は守れないってことです。

 ――与野党ともに本気度が感じられない、と。

 少なくとも一刻の猶予もない、って危機感は感じません。ゴールドマンサックス証券は先月、日本の4ー6月期の実質GDPが前期比で年率換算マイナス25%と、戦後最大の下げ幅を記録すると予測しました。つまり、140兆円近い、本来なら回るはずだったお金が回らなくなるということです。そのお金を補填できるのは、政府という存在以外ありません。でないと、本当の恐慌になりますよ。年内にも、かなり悲惨な状況が訪れ、自分の命を絶たなくてはいけない人々が多数になる可能性も高い。その中で政治が打ち出すべきは希望であり、その希望を担保するのは、やはりお金です。まずは10万円給付を半年続ける勢いじゃないと、苦境に立つ人々は救えません。今、希望を失いそうな人たちも、どうか、あきらめないで欲しい。この国の最大の権力者は総理大臣ではなく、この国に生きる人々です。とにかく生き延びて、緊急時には人々の命を絶対に守ると言い切れる、そんな責任ある政治を一緒に作っていきましょう。







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