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【新しい生活様式】慎重に「出口」目指そう(2020年5月10日配信『高知新聞』-「社説」)

 県内では、新型コロナウイルスの新規感染者がゼロという状況が10日間にわたって続いている。

 全都道府県に出されている緊急事態宣言の「解除」地域になることも視野に入ってきた。

 事態がこのまま落ち着いてほしい。県民の切なる願いだろう。

 解除になれば、「人との接触8割減」といった極めて厳しい感染防止策からは脱することができる。しかし、コロナ以前の生活スタイルに戻すというわけにはいかない。

 今しばらく、私たちは流行再燃という「最悪のシナリオ」を想定しながら行動しなければならない。

 ウイルスとの闘いが長丁場になることを見据え、政府の専門家会議が「新しい生活様式」を提言した。

 これから再開されていくであろう社会経済活動と両立しながら、人々が実践すべき感染防止の具体策をまとめたものだ。

 たとえば娯楽やスポーツでは、狭い部屋での長居は避ける。歌や応援は、十分な距離を取るかオンラインで行う。ジョギングは少人数で、人とすれ違うときは距離を取る。筋力トレーニングやヨガは動画を活用する。

 冠婚葬祭も多人数での会食は避け、発熱や風邪の症状がある人は参加しない。

 このほか、食事や買い物、公共交通機関の利用といった日常生活のさまざまな場面が例示されている。

 違和感を覚える人もいるだろう。国民の生活スタイルが事細かに制約を受けるという、これまでになかった状況である。
 しかし感染症との闘いに限っては、今回のような指針はやむを得ないのではないか。

 日本よりも早くウイルスを封じ込めつつあった韓国では、厳格な感染防止策を緩和したばかりのタイミングで、集団感染が起こった。
 ソウル市内のクラブ3カ所などで15人の感染が判明し、その場に客や従業員は計1500人以上いた。さらに感染者が増える可能性が高い。

 感染防止策と社会経済活動の両立は難しい。どの国や地域も、その険しい道を歩まねばならない。

 「新しい生活様式」の提言は、コロナ後の未来図も感じさせる。テレワークやローテーション勤務、時差通勤、オンライン会議…。「働き方の新しいスタイル」が推奨された。

 県内でも感染防止策として必要に迫られ、これらの働き方を試行した職場は少なくないだろう。

 「働き方改革」につながる取り組みだが、これまでなかなか進んでこなかった。思わぬ形で試行された今回、出てきたさまざまな課題を検証しながら、新時代の働き方として引き続き取り入れたい。

 県内の感染拡大を防ぐため、私たちは努力を重ねてきた。それが元のもくあみにならぬよう、「新しい生活様式」を指針として、これからも予防を第一に行動しよう。

 県民が協力し合って、慎重に「出口」を目指していきたい。




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Author:gogotamu2019
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