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給付遅れるコロナ「持続化給付金」 769億円で受託した法人の不透明な実態(2020年5月28日配信『東京新聞』)

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 新型コロナウイルスの影響で売り上げが半減した中小企業などに最大200万円を給付する政府の持続化給付金で、給付遅れが相次いでいる。実際の給付作業は、大手広告会社の電通や人材派遣会社のパソナが設立した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」に業務委託されている。

 約2兆3000億円の給付用資金を扱い、国から769億円の委託料が払われているが同法人は給付遅れに「回答を差し控える」とコメント拒否。実質的な運営形態も開示しておらず公共事業として不透明な面が目立つ。 

 経済産業省中小企業庁は持続化給付金の申請から支給までの期間を「2週間」と示している。東京都大田区のダンス講師女性は申請初日の5月1日に手続きしたが、給付まで3週間以上待たされた。「申請から2週間たって書類不備のメールが突然来た。どんな審査をしているのか」と憤る。

 都内の顧客企業が多い温井徳子税理士も「大型連休明けに申請し、まだ入金されない企業も多く、みな月末間近で困っている」と話す。

 給付遅れについて中小企業庁の担当者は「書類が確認でき次第、給付している」と回答するにとどまる。政府が27日決定した第22次補正予算でも給付金は1兆9000億円追加増額され、法人への業務委託費もさらに膨らむ公算だ。

 同法人は定款などによると電通、パソナのほか、ITサービス業トランスコスモスが2016年5月に設立した。本紙の取材に対し給付金業務について人員態勢などの説明を拒んだ。

 中小企業庁は、法人が業務を電通に再委託していることを明らかにしたが電通も「経産省の事業なので、回答は控える」としている。



持続化給付金の他にも…経産省事業を4年で14件 「実態は電通の人に聞いて」(2020年5月28日配信『東京新聞』)

 一般社団法人サービスデザイン推進協議会とはどんな団体か。ホームページに情報はほとんどなく、電話番号も公表されていない。19日、登記簿上の所在地を訪ねると東京・築地の9階建ての小さなビルの2階に入居していた。インターホンに応答はなく、「お問い合わせは(給付金の)コールセンターまで」の張り紙があるだけだ。

 登記簿情報から代表理事の男性に電話すると「私はアドバイザーで、詳しいことは不明。実態は電通の人たちがやっているので聞いてほしい」と述べた。電通は「回答を控える」とコメントした。

 立憲民主党の川内博史衆院議員が中小企業庁に問い合わせると、作業は「少なくとも5000人以上で対応している」と回答したという。国が当初想定した申請は約150万件で、マンパワーが必要なため、電通以外にも再委託されている可能性がある。だが、中企庁は取材に「国が契約しているのは協議会。その先の再委託は公表しない」と回答。コールセンターの場所すら明かさなかった。

 設立以降の経緯からは経産省との距離の近さが浮かぶ。法人の設立日は経産省が主導した優良ホテルなどの認定事業の委託者公募が始まったのと同日。法人は事業を受託した。以来、持続化給付金も含め、4年で計14件の事業を経産省から受託。持続化給付金事業の入札には、もう1社が応札したが、法人は公募開始の2日前に持続化給付金のウェブサイト用アドレスをすでに取得していた。事業受託を見越したような対応だが、同法人は「受託できた場合に備えた」とした。

 国税庁出身で中央大法科大学院の酒井克彦教授は「多額の税を使いながら持続化給付金の交付が滞っており、経産省には再委託を含めた委託先の業務の実態について国民に説明する責任がある。ブラックボックスのまま検証ができなければ問題だ」と話している。



コロナ「持続化給付金」事業、受注したのは"幽霊法人"か 代表理事「何も活動がない」(2020年5月27日配信『文春オンライン』)

コロナ不況への緊急経済対策として打ち出した「持続化給付金」事業に疑惑が浮上した
この事業を経産省から委託された一般社団法人が、実体のない"幽霊法人"だったと判明
事業を受注した「サービス協議会」の代表理事、笠原英一氏は「何も活動ない」と認めた
トラブル続出 コロナ「持続化給付金」を769億円で受注したのは“幽霊法人"だった


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アベノマスク」予算を300憶円も上回る

 安倍政権がコロナ不況への緊急経済対策として打ち出した「持続化給付金」。約2兆3000億円の予算がついたこの事業を経産省から委託された一般社団法人が、実体のない“幽霊法人”だったことが「週刊文春」の取材で分かった。社団法人の代表理事が「週刊文春」の取材に対し、「何も活動がない」と認めた。

 持続化給付金事業は、昨年より収入が減った中小企業等の法人に最大200万円、フリーランスを含む個人事業者に最大100万円を上限に現金を支給する制度だが、入金が遅れるなどトラブルが相次いでいる。

 担当する中小企業庁のホームページによれば、同事業を受注したのは「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、「サービス協議会」)」で、アベノマスクの予算を300億円も上回る769億円で契約している。

 登記簿に記載されている所在地は、東京・築地にある9階建てのオフィスビルだ。記者が実際に訪ねてみると、確かにエントランスの案内板には〈2F 一般社団法人サービスデザイン推進協議会 ITプロジェクトルーム〉の文字が。ところが、2階に上がると、膨大な業務に追われているはずのサービス協議会のドアは固く閉じられ、インターフォンを何度押しても反応はなかった。

「週刊文春」の取材に対し、「サービス協議会」の代表理事である笠原英一氏(アジア太平洋マーケティング研究所所長)が明かす。

「私は電通の友人に頼まれて、インバウンドの研究をやろうと思って入ったんだけど、何にも活動がないから。いつも会議は電通さんでやっていました。電通さんに聞いた方が」

 代理店関係者が言う。

「『サービス協議会』は、経産省肝いりの『おもてなし規格認証』という制度を運営する団体として2016年5月16日に設立された。主導したのは当時電通社員だったA氏で、電通が国の業務を間接的に請け負うための隠れ蓑として設立された団体と言われています」

「サービス協議会」設立時の代表理事を務めた、ユニバーサルデザイン総合研究所所長の赤池学氏が言う。

「ご存じのように、『おもてなし規格認証』のために作られた組織です。うちの研究所もいろんなビジネスのネットワークがあったので、経産省の方から立ち上げの直前に代表理事を受けてもらえないかという話があって、それで受けたんですけど」 

■「天下りや不祥事の温床になります」


 国の補助金事業を受注した一民間団体の代表理事選定に、発注者である経産省が関与していたとすれば問題ではないか。

「経産省が外郭団体の設立に関与することは天下りや不祥事の温床になります。また、今回のケースでは『サービス協議会』はトンネル会社みたいなものであり、実際に事業を委託された企業に対し、補助金の公正な使用を求める補助金適正化法の直接的なコントロールが及ばないのは問題でしょう」(入札制度に詳しい同志社大学政策学部の真山達志教授)

 電通と「サービス協議会」に対し、業務委託について尋ねたが、いずれも「回答を控えさせていただきます」と答えなかった。

 中央大学法科大学院の酒井克彦教授が指摘する。

「国が一般社団法人に委託した事業の大部分を電通のような民間企業が請け負っているとすれば、なぜはじめからダイレクトに委託しなかったのか。この点を公明正大に説明できなければ、国民の疑念を招きかねません。営利性のある事業を手掛けない一般社団法人は非課税ですから、節税の温床になっている可能性もあります」

 血税769億円が注がれる「持続化給付金」事業。この巨額の資金は「サービス協議会」を経由し、どこへ流れているのか。「サービス協議会」および所管する経産省には詳細な説明が求められるはずだ。

 5月28日(木)発売の「週刊文春」では、持続化給付金の申請トラブル、「サービス協議会」の設立をめぐる不可解な経緯、「持続化給付金」を所管する経産省との密接な関係などについて詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年6月4日号)





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