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黒川氏訓告処分 疑念を置き去りにするな(2020年5月30日配信『新潟日報』-「社説」)

 処分決定の経緯をうやむやにしたまま、国民の疑念を置き去りにするようでは信頼回復など到底望めまい。国民の疑問に応えるためにも、国会は予算委員会集中審議を開くべきだ。

 賭けマージャン問題で辞職した黒川弘務前東京高検検事長の訓告処分を決めた経緯や処分内容の妥当性を巡って、野党や国民から批判が上がっている。

 焦点は、黒川氏の訓告処分を誰が決めたのかだ。

 森雅子法相は22日の記者会見で「最終的に内閣で決定がなされたものを、私が検事総長に『こういった処分が相当であるのではないか』と申し上げ、検事総長から訓告処分にするという知らせを受けた」と語った。

 安倍晋三首相は同じ22日の衆院厚生労働委員会で「検事総長が事案の内容など、諸般の事情を考慮し、適切に処分を行ったと承知している」と答弁した。

 森氏の説明は決定過程に内閣が関与していたとの趣旨だったが、首相は検事総長が処分したと述べ、両者の食い違いが指摘されることになった。

 さらに共同通信は24日、訓告処分は首相官邸が実質的に決定したと報道した。法務省は国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断していたが、官邸が懲戒にしないと結論付けたという。

 ところが森氏は25日の国会答弁で法務省と検事総長が判断したと修正し、「検事総長が処分した」とした安倍首相との食い違いも否定した。

 森氏は首相に寄せて説明を修正したとの見方がある。事実とすれば見当違いも甚だしい。求められるのは答弁の帳尻合わせではなく、処分決定の経緯を国民が納得できるよう分かりやすく説明することだ。

 27日の衆院法務委員会で野党議員が、処分決定を巡り法務省と内閣官房はどのように協議したか森氏にただした。

 これについても「事務方同士が行った」と述べるにとどめ、内閣官房側の誰と協議したのかは明かさなかった。

 森氏は黒川前検事長の定年延長を巡る答弁で迷走を重ねた。処分決定を巡る一連の答弁にも同様の印象を持つ。閣僚の資質に改めて疑問符が付く。

 首相も関与を繰り返し否定するだけで、丁寧に説明しようとの構えはうかがえない。

 訓告は国家公務員法に基づく懲戒ではなく、退職金を不支給や減額とする規定はない。黒川氏への処分については、過去の処分事例と比べても軽すぎるとの指摘が出ている。

 決めたのが官邸なら首相への批判は免れまい。森氏はそれを避けるために、答弁を変遷させているようにも映る。

 森氏は26日の記者会見で、黒川氏の賭けマージャン問題を受け、検察への信頼回復を目的とした「法務・検察行政刷新会議(仮称)」を法務省内に設置すると表明した。

 会見では「法務・検察が適正に役割を果たすには信頼が不可欠だ」と強調したが、ならばまず法務行政トップが信頼に足る説明をしなければならない。




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Author:gogotamu2019
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