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首相の検察私物化(2020年5月31日配信『しんぶん赤旗』-「主張」)

「第2の黒川氏」生まぬために

 新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言の下で賭けマージャンをしていたことが発覚し、辞職した黒川弘務・前東京高検検事長の「訓告」という軽すぎる処分に、怒りの声が上がっています。しかし、安倍晋三首相は、処分を「適正」と言い張り、今年1月に黒川氏の定年を延長した閣議決定も「撤回する必要はない」と開き直っています。検察私物化の狙いを捨てない首相の姿勢は重大です。

「桜」疑惑の告発を恐れ

 当時、東京高検検事長だった黒川氏の定年を延長し、検事総長への道を開いた1月31日の閣議決定は、検察官に国家公務員法の定年延長規定は「適用されない」としてきた政府の法解釈を「適用できる」へと百八十度変え、「法の支配」の原則を乱暴に踏みにじりました。

 安倍内閣はなぜそこまでして黒川氏の定年を延長したのか。メディアでは、首相をはじめ閣僚らの疑惑が相次ぐ中、政権中枢に捜査の手が伸びないようにするためという疑いが広く指摘されてきました。実際、それを裏付ける動きもこの時、既に現れていました。

 神戸学院大学の上脇博之教授らは1月14日、安倍首相が公的行事である「桜を見る会」に自身の後援会員らを多数招待した結果、予算を大幅に超過し、国に損害を与えた背任容疑で、東京地検特捜部に告発状を提出しました。しかし、特捜部は同月31日付で不受理を通知してきました。代理人(弁護士)による告発は受理できないというのが理由でした。

 しかし、上脇氏は、これまで何十件も刑事告発してきたが、こうした理由で受理されなかったことは一度もなかったと批判します。不受理通知の日付(31日)は黒川氏の定年延長を閣議決定したまさにその日です。上脇氏らは3月にも反論の意見書を付けて告発状を再提出しましたが、同じ理由で受理されませんでした。東京地検の上級官庁である東京高検のトップ(検事長)だった黒川氏の定年延長の影響だとみられています。

 黒川氏の「訓告」という甘い処分を誰が決めたのかも大きな問題になっています。

 法務省は国家公務員法に基づく「懲戒」が相当と判断していたものの、首相官邸が懲戒にはしないと結論付け、法務省の内規に基づく「訓告」になったと報じられています(共同通信5月25日)。森雅子法相も22日の記者会見では「任命権者である内閣とさまざま協議を行った。その過程でいろいろな意見も出たが、最終的には内閣で決定がなされた」「内閣で決定したものを私が検事総長に申し上げ(た)」と述べていました。

 ところが、安倍首相は同日の国会質疑で「検事総長が処分を行った。その報告が法相からなされ、私も了解した」と正反対の答弁をしました。その後、森法相の説明は、首相の答弁とつじつまを合わせる形で、法務省と検事総長が処分内容の決定をしたというものに変わります。「訓告」という温情処分を官邸が決めたにもかかわらず、それを隠すために虚偽の答弁をしている疑いが濃厚です。

閣議決定と改定案撤回を

 黒川氏は「官邸の守護神」とまで言われていました。第2、第3の黒川氏を生まないため、1月31日の閣議決定と、特定の検察幹部の定年を内閣の意向で延長できる検察庁法改定案の撤回が必要です。





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