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国会と巨額予備費 白紙委任の懸念が大きい(2020年6月2日配信『毎日新聞』-「社説」)

 今月17日に会期末を迎える通常国会について、政府・与党内では会期を延長せずに閉幕させようとの声が強まっている。

 新型コロナウイルスへの対応は国民の命と生活に直結する。国民に見える国会の場で与野党が議論するのは当然だ。にもかかわらず早々に国会を閉じるというのは政権の都合としか思えない。

 連動するように、政府は今年度2次補正予算案に前例のない10兆円に上る予備費を計上している。

 予備費は「コロナ対策」としているものの、具体的な使い道は国会審議を経ずに決められる。これでは政府に白紙委任することにならないか。大きな懸念がある。

 新型コロナの感染が拡大した当初は、与党内でも長期戦に備えて会期を秋の臨時国会の召集近くまで延長しておくべきだとの声が大勢だった。

 だが後手に回るコロナ対応や検察庁を巡る問題から、安倍晋三内閣の支持率は最近急落している。このため、これ以上国会審議を続けるのは政権への打撃がさらに大きくなると判断しているようだ。

 一方、予備費は2次補正全体の約3割を占める。10兆円は防衛予算約2年分に相当する。

 国の予算は国会の議決を経て決めるのが財政民主主義の原則だ。

 確かに予期せぬ事態が起きた際に迅速に対応するため予備費を確保しておくのは必要だ。憲法でも認められ、その支出は事後に国会の承諾を得ることになっている。

 ただし仮に不承諾となっても実際には法的拘束力はなく、予算執行は変わらない。やはり補正予算編成が筋であり、予備費は限定的なものにすべきだろう。

 政府・与党は今国会の延長だけでなく、秋の臨時国会も避けるため予備費を大幅に積んだのではないか。そんな見方さえ出ている。

 与党にとっては国会審議を省略することで要望が実現しやすくなるという計算もあるようだ。

 今後、2次補正の国会審議では予備費の使い道について可能な限り具体的にただし、一定の歯止めをかけておくべきである。

 予備費よりも地方自治体への臨時交付金をさらに増額して自治体ごとに柔軟に対応していく方が有効かもしれない。そんな違う角度の議論も必要だ。




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