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<新型コロナ>差別のない情報を 知事会見に手話通訳 茨城県聴覚障害者協・会沢会長に聞く(2020年6月4日配信『東京新聞』)

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「耳が聞こえる人と、差別のない情報がほしい」と訴える県聴覚障害者協会の会沢隆典会長=水戸市内で

 新型コロナウイルスの感染拡大で記者会見に手話通訳をつける自治体が急増する中、大井川和彦知事の会見にもようやく手話通訳が導入された。「耳が聞こえる人と差別のない情報がほしい」と手話通訳者の配置を県に要望してきた県聴覚障害者協会の会沢隆典会長(61)に聞いた。

 大井川知事の手話通訳付き会見は5月15日にスタート。会沢さんは「うれしく思う」と感慨深げだ。

 手話通訳の導入は、関東1都6県の中で本県が最も遅かった。会員からは「他県の知事会見には通訳がつくのに、なぜ茨城は通訳者がつかないのか」との声が寄せられていた。
 2018年に県手話言語条例が施行されたものの、知事会見にさえ手話通訳がつかなかった。悲願が実った格好だが、現状に満足しているわけではない。

 会沢さんが問題点の一つに挙げるのが、会見場に手話通訳者が同席しないことだ。会見の様子は県の動画サイトでライブ配信されるが、手話通訳者は別室でカメラに向かって通訳し、その映像を会見画面の小窓に表示している。

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知事会見で、同時に手話通訳も配信された

 県によると、密集・密接・密閉の三密を避けることなどが理由だが、会沢さんは「会見者と一緒だと、ライブの信ぴょう性が高い。画面で映像を合わせると、生ではなく編集された古い情報というイメージを持つ人がいる」と疑問を投げかける。

 聴覚障害者は手だけでなく、口元や表情も見ている。会沢さんは、同席の場合の感染予防策として口元の見えるフェースシールド着用を提案する。

 立ち位置を調整すれば、光の反射は防げるとする。加えて配信画面で文字情報を流すことも希望する。手話だけでは発言の80%ほどしか意味をくみ取れないためだ。「伝わらないと命に関わることがある。耳が聞こえる人と同じ情報がほしい」と強調する。

 会沢さんによると、11年の東日本大震災の時、聴覚障害者の中には、食べ物などをもらえる場所が分からず、ひたすら家で耐えた人がいた。1999年に東海村で起きたJCO臨界事故では外出しないよう呼び掛ける放送が聞こえず、一部の人が屋外を出歩いた。コロナ禍では、事前に連絡してから病院に行くルールが伝わらず、いつも通り通院するケースもあった。

 県内の聴覚障害者は7116人(昨年3月末現在)。近年は台風の被害なども相次いでおり、「すぐに情報が伝えられるのかが心配」と会沢さん。知事会見への手話通訳導入をきっかけに、学校教育にも広く取り入れられ、手話を使える人が増えてほしいと願う。






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