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高齢・障害福祉分野の職員へ1人5万円の「コロナ慰労金」(2020年6月4日配信『障害者ドットコム』)

 5月27日に政府が出した第2次補正予算案は、新型コロナウイルスへの補償を見据え過去最大の予算編成となったそうです。このうち厚生労働関係の予算に割かれたのは3兆8507億円で、医療や福祉体制の保全を目的としています。

その一案として高齢・障害福祉分野で働く職員を対象とした「慰労金」を支給する方針が打ち出されました。支給は正規非正規問わず全職員に1人5万円という画期的な方針で、感染者や濃厚接触者が出た施設には20万円が出るようになっています。

社会機能の維持に必要不可欠

 高齢者施設ならびに障害者施設が支給対象となった理由は、「遠隔業務の出来ない業種で、重症化しやすい入所者の生活や生命活動を直接支え続けているため」と語られています。つまり、厚労省がその必要性を強く認識した形となります。

 介護施設だけでなくデイサービスや訪問介護も対象に含まれます。常日頃から激務+薄給のイメージが根強い介護業界は、コロナ禍のもと心ない誹謗中傷に遭う追い打ちを食らってきました。対症療法的ではありますが、国から出す5万円で職員の給料をひと月だけでも増やせるならば、施設側としても有難いでしょう。

 高齢者・障害者施設の職員を対象とした医療相談窓口の開設なども予算に含まれている他、就労継続支援事業所に対しても休業中の工賃を確保する形で動いています。在宅障害者の職場復帰にも力を入れる方針です。

児童分野の見送りに不満の声も

 一方、乳児院や保育所など児童分野への支援は見送りとなりました。重症化リスクの低さとクラスター発生の少なさが理由として挙げられています。

 特に保育所は介護業界と同じく激務+薄給なのですが、見送りとなった以上は放置されることになります。この対応の違いについて、「児童分野だけ取り残すのは片手落ちだ」とする批判の声も上がっています。

注目の支給スピードは

 さて、形や理由はどうあれ給付金が出る運びとなりましたが、問題はその支給速度です。先に話題となった1人10万円の定額給付金にしても、振り込みはおろか前段階にあたる申請用紙すらバラバラに届いていました。巷では「税金で取るのは慣れているので早い。給付金で与えるのは慣れていないから遅い。」と揶揄される始末です。

 ところが実際の理由は「自治体ごとに給付方針が定まっておらず、そこでスピード差が出てしまうから」だそうです。それに早ければいいというものでもなく、スピード重視の方針にはそれ相応のデメリットがあります。

 給付金支給が遅れる理由について、大阪府四条畷(しじょうなわて)市長の東修平氏がブログサービス「note」にて説明しています。東市長によれば、自治体が取る方式は「全体最適」「一部最速」「直接手渡し」の3タイプに大きく分かれています。

「全体最適」は給付のシステムを先に整える堅実な方式で、手作業を減らすことによるヒューマンエラーの減少や職員の出勤を抑えるメリットがあります。整えば早いとの事ですが、その準備に時間がかかってしまい、給付日自体は遅れてしまうのが弱点です。四條畷市ではこちらの方式を採用しています。

「一部最速」は臨時窓口を設置したり申請に関わる業務を役所が担当したりして、一日でも早い給付を目指した方式です。しかし情報保全のためテレワークが出来ない以上、出勤する職員が増えて感染リスクが高まりますし、作業量が多くヒューマンエラーに繋がりやすい欠点もあります。何より、対象世帯すべてに給付が行きわたるまでの時間はそこまで早まらないそうです。

「直接手渡し」は原文で「力技」と呼ばれており、職員が直接手渡すという単純明快な方法です。手渡しで済むほど「世帯数が極端に少ない」自治体でしか採用できませんが、手続きが限界まで簡略化された最速の給付となります。

 他にも不慣れで覚束ないオンライン申請システムや、「マイナポータル」と「住民基本台帳システム」の管轄違いなど給付の遅れる理由は幾つか浮上しています。「与え慣れていないから遅い」という風刺も案外当たっているのかもしれません。



高齢障害分野の職員にコロナ慰労金5万円 児童分野は対象外(2020年6月2日配信『福祉新聞』)

 政府は5月27日、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた第2次補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出総額は補正予算として過去最大規模の31兆9114億円に上る。

 このうち厚生労働関係は3兆8507億円で、医療・福祉の提供体制の確保が柱。高齢や障害分野で働く職員を対象に、新型コロナ感染者が出ていなくても、職員1人に5万円の「慰労金」を支給する方針も決まった。

 ただ、児童福祉施設については対象外としている。政府は、通常国会会期中の成立を目指す。感染施設には20万円 厚労省は新型コロナに関する「緊急包括支援交付金」に2兆2370億円を計上。

 これまで医療機関だけだったが、福祉分野も対象に広げ、6091億円を充てる。実施主体は都道府県で、国の補助率は10分の10。

 対象施設は、特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護、障害者施設、救護施設など高齢者や障害者を支えるすべての施設・事業所。新型コロナの感染者や濃厚接触者が発生した施設の職員には慰労金として20万円を支給する。感染者が出ていなければ5万円。いずれも利用者と接すれば職員の正規・非正規や、職種を問わない。

 支給理由について厚労省は「高齢者や障害者施設の職員は、重症化リスクの高い利用者に対する接触を伴うサービスを提供しており、社会機能の維持のためには必要不可欠であるため」と説明する。

 また交付金は、感染症対策の徹底に向け、外部の専門家による研修費用や、マスクや消毒液の購入費などにも支給。このほか、休止中の事業所などを対象に、サービス再開に向けたニーズ調査やアセスメントなどを行う際の費用も対象とする。

 一方、今回の慰労金は児童養護施設や乳児院、保育所などの職員は対象外となった。同日の会見で厚労省子ども家庭局は「慰労金は重症化リスクの高い利用者との接触がある福祉施設が対象。子ども分野は重症化リスクが低く、クラスターの発生も少ないことから、今回対象外となる」との見解を示した。

 施設職員への「手当て」をめぐっては、全国社会福祉協議会政策委員会や全国社会福祉法人経営者協議会、全国老人福祉施設協議会、日本知的障害者福祉協会などが再三にわたり要望していた。

 武居敏・全社協政策委員会委員長は「福祉施設は世間からの誹謗ひぼう中傷に耐えながら支援を続けてきた現実があり、ようやく日が当たった印象。要求事項はほぼ盛り込まれた」と評価。一方で「同様に頑張ってきた子ども分野が取り残されたのは心外。方針の撤回を求めたい」と話し、近日中に緊急要望活動を行う考えを示唆した。

 障害者の工賃を下支え 2次補正ではこのほか、高齢や障害分野の職員らを対象にした医療相談窓口を設置する費用も盛り込まれた。同時に専門家による研修や、業務継続計画の作成支援の費用も補助する。また、福祉事業者の資金繰りを支援するため、福祉医療機構の無利子・無担保の融資を拡充するという。

 障害分野では、就労継続支援事業所に対して固定費など生産活動に必要な経費を支援することで、利用者の工賃を確保する。同時に在宅が長い障害者の職場復帰に向けて体制を強化する。

 困窮者への支援も強化する。市町村などの相談支援機関の人員体制の強化や、メールなどを通じた支援環境も整備。申請がすでに30万件と激増している緊急小口資金の特例貸付については、2048億円を計上した。





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