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持続化給付金 不透明な委託の解明を(2020年6月5日配信『北海道新聞』-「社説」)

 政府が創設した中小企業向けの持続化給付金で、事務業務を受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会を通じた不透明な資金の流れが問題視されている。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け第1次補正予算に2兆3176億円が計上された持続化給付金は、支給の遅れが目立つ。困窮する企業には死活問題だろう。

 そうした中、経済産業省から協議会への委託費は769億円に上り、そこから大手広告代理店の電通に749億円で再委託された。

 さらに、電通から人材派遣大手パソナやIT企業のトランスコスモスなどに再々委託されていた。

 この3社が4年前に設立した協議会は予算を流すだけの「トンネル機関」だった可能性がある。

 危機的な国民生活を救うための補正予算の執行に疑念を持たれることがあってはならない。国会審議を通じての事実解明が必要だ。

 協議会は経産省から持続化給付金を含む14事業を受託し、9件を電通やパソナなどに再委託してきた。法律が定める決算公告は行っておらず、組織の実態に乏しい。

 一方で経産省中小企業庁は、持続化給付金事業の競争入札公示前に協議会と接触している。

 発注は電通への再委託が前提の「協議会ありき」で、経産省と関係の深い一部大手企業が予算を分け合ったのではないか―。そんな疑惑を持たれても仕方がない。

 委託と再委託の差額20億円は給付金の振込手数料や人件費などに充てられるという。経産省が電通に直接委託すれば、少なくとも人件費は圧縮できた可能性がある。

 そうしなかった理由について梶山弘志経産相は、電通の会計上の処理が複雑になるなどと述べた。納得のいく説明にはほど遠い。

 持続化給付金は来週審議入りする見通しの第2次補正予算案にも1兆9400億円を積み増した。

 不明朗な委託が繰り返され、給付のコストが膨らむことは認められない。政府は一連の経緯について詳しく説明する責任がある。

 コロナ補正では観光振興などを目的とした「Go To キャンペーン」事業も、政府が総額の約2割に上る最大3095億円を事務委託費として見積もっており、過大だと批判されている。

 2次補正に計上した10兆円もの予備費も、国会の監視を空洞化させるとして野党は減額を求めた。

 支援の予算は企業や国民に一刻も早く届けられるべきだが、ずさんな使途には国会が厳しく目を光らせる必要がある。



算段の平兵衛(2020年6月5日配信『北海道新聞』-「卓上四季」)

 平兵衛(へいべえ)には生業がない。村人から持ち込まれるもめ事を、悪知恵を働かせた算段で丸く収め、手数料を取る。上方落語の「算段の平兵衛」だ

▼上前をはねる一種のフィクサーと言えよう。えげつない粗筋を書くのは、はばかられる。戦後、この悪党物語を復活させた桂米朝さんの品格ある話芸におまかせしたい

▼新型コロナウイルス対策をめぐり、「平兵衛」が暗躍しているのだろうか。中小企業向けの持続化給付金事業で、769億円で業務を受託した法人が、電通に749億円で再委託していた。ほぼ丸投げされた電通は、さらに関連企業などに外注している。実態の不明確な法人の設立には電通らが関与した

▼不透明なこと、この上ない。所管する経済産業省の説明もあいまいだ。これでは「法人は事業を呼び込むためのトンネル組織」「身内に委託、外注するたびにピンはねが起きる」といった疑いが湧かぬ方がおかしい

▼上前をはねるピンはねのピンは、かるたやサイコロの1を指す。1割差し引くのが元の意味だ。観光や飲食の消費刺激策の委託費は、何と約2割の最大3千億円に上る。もちろん正当な手数料は必要だが、この額は法外ではないか

▼第2次補正予算案の予備費10兆円も常識外れだ。国会審議を経ずに使い道を決められ、現政権にとっては「空前絶後」のつかみ金である。「アベノマスク」的な愚策の温床となりかねない。





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Author:gogotamu2019
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