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【改正動物愛護法】虐待や遺棄に歯止めを(2020年6月5日配信『高知新聞』-「社説」)

 動物の殺傷はもちろん、虐待したり、捨てたりする行為がさらに厳しく罰せられるようになった。

 改正動物愛護法が今月施行された。殺傷に対する罰則は「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」から「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に引き上げられた。

 虐待、遺棄については懲役刑が追加され、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」になった。

 全国で「多頭飼育崩壊」が問題になっている。無秩序な飼い方によって、ペットが大量に繁殖して十分に世話ができなくなるのだ。

 今回の改正では、そうしたケースを踏まえ、飼育密度が「著しく適正を欠いた状態」で飼うことも「虐待」と初めて明記された。

 動物を虐待する動画のインターネット投稿も頻発している。厳罰化によって、それらの犯罪に歯止めをかけなければならない。

 警察による動物愛護法違反容疑の摘発は増えている。昨年は全国で105件に上り、統計のある2010年以降で初めて100件を超えた。

 内訳は遺棄が49件、虐待36件、殺傷20件。動物の種類別ではネコが最多の66件で、犬27件などと続く。

 分かっている被害は氷山の一角にすぎない。今回の改正によって、獣医師の責任も重くなった。虐待などが疑われる動物を診察した場合は、都道府県などに通報することが義務になった。

 自治体の動物愛護管理担当職員についても、市町村でも配置することが努力規定として盛り込まれた。

 改正のもう一つの柱が、ペット業界に対する規制の強化だ。生後56日以下の子犬や子猫は、21年6月までに販売が禁止される。

 これまでは生後49日を超えれば認められてきた。しかし、それでは幼すぎ、感染症にかかるリスクが高い。母親やきょうだいと早く引き離すことによって、成長後の問題行動につながるとも指摘されてきた。

 出荷前の子犬や子猫にマイクロチップを装着させることも、22年6月までに義務化される。

 以前からペットブームの「闇」の部分として、悪質な繁殖業者の存在が問題視されてきた。子犬や子猫を「大量生産」するため、親犬を劣悪な環境で繁殖させて販売している。

 今回の改正では、飼育施設の広さや従業員1人あたりの上限飼育数について、環境省令によって数値で規制するように定められた。具体的な内容は今後決められる。

 自治体が数値を示して業者を指導できるようになれば、改善勧告や業務停止命令も出しやすくなる。問題を繰り返す業者の監視、指導を徹底させなければならない。

 ペットも長生きするようになり、老いた犬や猫の介護も増えている。病気の治療代などお金もかかる。

 子犬や子猫を「かわいい」からと衝動的に飼ってはいけない。すぐに成長し、やがては老いていく。それでも愛せると思い、最期をみとる覚悟を持った上で飼い主になろう。






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Author:gogotamu2019
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