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小池都知事にはウンザリ 世にもバカバカしい東京アラート(2020年6月4日『日刊ゲンダイ』)

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コロナ禍を堂々と選挙利用(東京アラートで赤のライトアップの東京都庁と会見する小池都知事)

 東京都知事選(来月5日投開票)の18日告示まで2週間を切る中、都内では「東京アラート」が発動中だ。新型コロナウイルスの感染再拡大の兆候があるとして、都独自の警戒情報が2日に初めて出され、東京湾のレインボーブリッジや新宿の都庁が真っ赤にライトアップされている。

 それで、都民の暮らしが新たな制約を受けるのかといえば、何も変わらない。緊急事態宣言下のような「人との接触機会8割削減」を求められることもなければ、休校もない。休業要請解除に向けて都が策定したロードマップの段階も、1日に移行した「ステップ2」をキープ。アラート発動による変化といえば、「夜の街に繰り出すのは控えて」「3密は避けて」といった注意喚起が強まっただけ。小池知事は「仕事を続けていただくためにも、『新しい日常』やガイドラインに沿った事業を進めていただきたいという強い思いの表れだ」と言っていたが、かえって混乱している都民は少なくないんじゃないか。

存在感増す吉村府知事に強烈な対抗心

 そもそも、判断も疑問だらけだ。発動基準は①直近1週間平均の1日当たりの新規感染者数が20人以上、②感染経路不明者の割合が50%以上、③週単位の感染者数が増加――の3つの指標のいずれかが当てはまった場合とされているが、先月28日以降、②と③は連日上回っていた。にもかかわらず、発動したのは6日目となった2日。

 その前日1日にロードマップのステップ1からステップ2に移行していたのだから、ますますワケがわからない。北朝鮮がミサイルを発射するたびにJアラートをワンワン鳴らし、何の対策も打てないのに国民の恐怖心をひたすらあおり立て、思考停止に陥らせた安倍政権の手法とも重なる。

「小池知事は大阪府の吉村知事を強烈に意識しています。吉村知事はコロナ対応で政府に物申して存在感を高め、全国に先立ってコロナ対応の独自基準『大阪モデル』を先月5日に発表した。達成状況に応じ、通天閣や万博記念公園の太陽の塔を赤・黄・緑の3色でライトアップする分かりやすいアイデアもウケています。小池知事も吉村知事の動きに対抗し、間を置かずに『東京モデル』を発表しようと躍起でしたが、調整が間に合わずイライラを募らせていた。それで、先月22日に策定したのが『東京ロードマップ』だったのです」(都政関係者)

 大阪との大きな違いは、東京アラートを発動しないとレインボーブリッジも都庁も小道具の価値を発揮しないことだ。仰々しい真っ赤なライトアップは小池パフォーマンス以外の何物でもない。この2カ月を振り返ってもそうだ。開催都市トップの座にこだわる東京五輪が延期になった途端、他人事のようだったコロナ対策に照準を定めて「ロックダウン」に言及。「強いリーダー」を演じ、9億円の血税をつぎ込んで自分が出演するCMまで流している。コロナ禍の舵取りですっかり息を吹き返し、公務と電波を利用して選挙活動に邁進する小池百合子にはもうウンザリ。それが多くの都民の本音ではないか。

■不夜城はまるで「公共の敵」

 敵をつくり出し、対立構図をあおって自身を浮上させるのは小池の常套手段だ。4年前の都知事選では“都議会のドン”。コロナ対策では後手後手に回る安倍政権や西村コロナ担当相。緊急事態宣言に伴う休業要請をめぐり、「社長かと思ったら、天の声がいろいろ聞こえて中間管理職になった感じ」と世間の同情を買おうとしていたが、目下ヤリ玉に挙げているのが「夜の街」だ。

「夜の街の対策をすることで、赤いアラートを、またレインボーに変えられたらいい」

 このところの小池は、口を開ければ「夜の街」「夜の街」。4日の都内の新規感染者は28人で、そのうち夜の繁華街関連は9人だった。4日までの1週間で判明した新規感染者計128人のうち、夜の繁華街関連は43人に上り、その半数が新宿周辺で十数人のホストが含まれているという。

 先立つものがなければ、食いぶちを稼ぐために街に出るしかない。結局、何も変わらないから、街には人が溢れ、電車は混雑。お上が口を酸っぱくして「新しい日常」を訴えても、コロナ前の「日常」に戻りつつある。変わったのは、緊急事態宣言下で営業を続けて「公共の敵」扱いされたパチンコ店同様、「夜の街」を目の敵にし、弱者に補償なき自粛強要の理不尽だけだ。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

「『夜の街』と一口に言っても、居酒屋、スナック、バー、接客を伴ういわゆる水商売など業態はさまざま。それを十把ひとからげにして悪印象を植え付けた揚げ句、営業してもいいけれど、客に行くなというのはやり方が汚い。新宿区の税収を支えている側面を無視し、あぶく銭を稼いでいるのだから追い込まれても仕方がないと言わんばかり。店と客に責任を押し付けるのは、あまりにも乱暴です」

 夜の街クラスターを諸悪の根源のようにあげつらうのだったら、「接待店」に補償を出せば済む話だろう。都は4月16日から5月25日まで休業要請に応じた店舗に感染拡大防止協力金を支給するため、「貯金」に当たる財政調整基金の95%近くを取り崩した。残金は500億円ほどで、ない袖は振れないと突っぱねているが、果たしてそうなのか。

「実施延期で追加負担の懸念が高まっている東京五輪をめぐり、小池知事は簡素化に言及しましたが、なぜ当初から切り込まなかったのか。都の予算規模は北欧スウェーデンの国家予算に匹敵するほど。五輪費用をはじめとする不要不急の事業を削減し、予算を組み替えればコロナ関連の支援金は十分に捻出できるでしょう。本来は国がやるべきことではありますが、首都のトップとして感染リスクと倒産リスクの究極の選択を迫るのではなく、キチンとバックアップすべきです」(五十嵐仁氏=前出)

一方、安倍政権は第2波に備えるとの名目で第2次補正予算案に予備費10兆円を計上。総額の3分の1を国会の承認を得ずに裁量支出できるようにしたのは、会期末の17日に国会を閉じるため。あまたの疑惑を抱える安倍首相が野党の追及から逃れるためだ。首都のトップも国のトップも頭にあるのは保身だけ。コロナを弄んでいるとしか思えない卑しい政治家ばかりじゃないか。





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Author:gogotamu2019
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