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【コロナ経済対策】不透明でずさん過ぎ(2020年6月6日配信『高知新聞』-「社説」)

 政府が進める巨額の新型コロナウイルス対策予算のうち、中小事業者向けの持続化給付金を巡り、民間への委託の在り方が不透明だとの批判が強まっている。

 ほかにも必要性に疑問符がつく事業や、国会審議を骨抜きにするような、10兆円の予備費の問題もある。コロナ対策費が税金の無駄遣いに終わらないよう、政府は数々の疑念に答える義務がある。

 安倍晋三首相は新型コロナウイルスの経済対策として、既に成立している2020年度の第1次補正予算117兆円に加え、第2次補正予算案に100兆円程度を追加し、民間投資などを合わせた事業規模を200兆円超とすることを表明している。

 問題となっている持続化給付金は、収入が減少した中小企業などに最大200万円を支援する。一般社団法人のサービスデザイン推進協議会(東京)が769億円で受託。その後、広告代理店の電通に749億円で再委託していた。形の上では「丸投げ」である。

 同協議会は職員わずか21人で、常勤の理事もいない。一般社団法人に義務付けられている毎年度の決算公告も出していなかった。巨額の事業を受託する民間事業者としてふさわしいのか。事業を実質的に担うのが電通なら、なぜ電通に直接委託しなかったかも含めて疑問だ。

 コロナの感染拡大で打撃を受けた観光業者らを支援する政府のキャンペーン事業にも、批判がある。1次補正予算に計上した事業費約1・7兆円のうち、外部への事務委託費が2割近い最大3095億円と見積もられたからだ。

 事務委託費は人件費や備品費、コールセンター運営費などだが、2割も占められればその分、経営難に陥った観光事業者らへの支援は削られる。コロナ収束前に業者がたおれれば元も子もない。

 そもそも政府のキャンペーンはコロナ収束後の需要喚起をもくろむ。流行第2波のリスクがある中で感染防止に逆行するのではないか。経済産業省はここにきて委託費の圧縮を目指すというが、キャンペーンの中身を精査していないことを裏付けたのではないか。

 2次補正に盛り込まれた10兆円もの予備費も疑問だ。予備費は政府が事実上、自由に使える金で、通常は自然災害などに備えて計上される。あまりの巨額さに野党が「国会軽視だ」と反発した。

 この問題は結局、自民党の森山裕、立憲民主党の安住淳両国対委員長会談で、まず5兆円分の使途を雇用維持や生活支援、事業継続、医療提供体制の強化と確定することでひとまず収拾した。あとの5兆円は火種として残った。

 不透明な持続化給付金、ずさんな観光キャンペーン事業、巨額の予備費。これらに共通するのは政府の情報公開に対する消極的姿勢と、予算を大きく見せようという虚勢だ。首相は一つ一つの疑念に、丁寧に答える必要がある。




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Author:gogotamu2019
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