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祈りの場の持つ力(2020年6月6日配信『琉球新報』-「 金口木舌」)

 女優の故・北島角子さんは生前、宜野湾市の佐喜眞美術館にある「沖縄戦の図」の前で、沖縄戦を題材に一人芝居を演じた。佐喜眞道夫館長は「絵の世界が動きだしたように見えた」とたたえた

▼絵の隅につづられた言葉がある。「沖縄戦の図 恥かしめを受けぬ前に死ね 手りゅうだんを下さい 鎌で鍬でカミソリでやれ 親は子を夫は妻を 若ものはとしよりを エメラルドの海は紅に 集団自決とは 手を下さない虐殺である」

▼戦前、皇民化教育が徹底された。日本軍が掲げた「軍官民、共生共死」の方針が、住民を死へ追いやる要因となった。この美術館だから見えてくるものがある

▼沖縄戦を考える場といえば、平和祈念公園内の平和の礎がある。国籍や軍人、民間人の区別なく沖縄戦などで亡くなった人全ての名前を刻んでいる。かけがえのない命を思い非戦を誓う。例年、平和の礎近くの式典広場で沖縄全戦没者追悼式が開かれている

▼県は新型コロナウイルスの感染防止のために参加者を減らし、今年の追悼式を国立戦没者墓苑で開くとした。その後、有識者らの反対を受けて式典広場での開催を再検討すると方針を変えた

▼国立戦没者墓苑は「国難に殉じた戦没者」の遺骨をまつる。「殉国」の思想が込められている。追悼式の目的と開催場所の持つ意味は何か。県の姿勢は本質的な問いを突き付けている。




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Author:gogotamu2019
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