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コロナと熱中症 高リスクへの対応柔軟に(2020年6月10日配信『毎日新聞』-「社説」)

 熱中症に注意が必要な季節となった。新型コロナウイルスの感染防止と両立できるように、きめ細かい対策が必要だ。

 熱中症予防は本来、気温が上がっていく時期に外で汗をかいて少しずつ暑さに体をならすことが有効だ。だが、今年は外出自粛が続き、そうした準備のできていない人が多い。まずは散歩などの軽い運動に取り組むことが大事だ。

 感染防止でマスクの着用が常態化している。その状態で運動していると、心拍数や呼吸数が上昇して体に負担がかかる。

 日本救急医学会などは熱中症予防の提言を発表した。その中で、マスクを適宜外して休憩することを促した。口の中の渇きを感じにくくなるため、こまめな水分の補給もいっそう重要になるという。

 再開した学校では、子どもたちの体調への配慮が欠かせない。

 「災害級」の暑さになった一昨年夏、愛知県の小学校で男児が熱中症で死亡した。これを受けて教室への冷房設置が進んだ。文部科学省によると、昨年秋時点で公立小中学校などの設置率は全国平均で約8割になっているという。

 文科省が作成した衛生管理マニュアルは、感染防止策として教室の換気の徹底やマスクの常時着用を定めている。

 気候によっては、冷房している教室の窓を開放しないことも認めるが、その場合は30分に1回以上の頻度で数分程度、換気するよう求めている。マスクも子ども同士の距離を保ったうえで外すことを認めた。

 学校現場は、リスクをそのつど慎重に見極め、柔軟に対応することが大切だ。学習の遅れを取り戻すため、夏休みの時期の登校を予定している自治体もある。その日の気候に応じ、休みにすることも必要だろう。

 総務省消防庁によると、昨年5~9月に熱中症で救急搬送された人の過半数は65歳以上の高齢者だった。目立つのは独居のケースだ。外出自粛などで近所付き合いも希薄になっているだろう。暑い日には、家族や友人が電話やメールで注意喚起してほしい。

 救急搬送が増えれば、コロナ対応に追われる医療現場の負担も増す。この夏は社会全体で熱中症予防の知恵を共有したい。



【マスクと熱中症】例年以上に予防に注意を(2020年6月10日配信『高知新聞』-「社説」)

 夏本番前に全国的に気温が徐々に高くなっている。四国地方などは既に梅雨入りし、雨の日が次第に増えていくだろう。

 例年のことだが、気温と湿度が高くなるこの時季は熱中症の予防が欠かせない。やっかいなことに今年は新型コロナウイルスの感染防止で多くの人がマスクを着けている。

 ほとんどの人が経験したことがない夏がやってくる。「マスク熱中症」という言葉も登場している。

 政府は高温多湿の状況でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなる恐れがあると注意を促している。新型コロナの収束がいつになるか見通せない中、例年以上に熱中症への予防と対策が必要だ。

 新型コロナ対策で政府はマスク着用とともに3密(密閉、密集、密接)を避けるといった「新しい生活様式」を国民に求めている。
 ただし、厚生労働省などは、屋外で人と少なくとも2メートル以上の距離が保てるならマスクを外すよう求めている。

 着用する時も強い負荷がかかる作業や運動を避けるとともに、喉が渇いていなくても水分を小まめに取るよう呼び掛けている。
 また、室内では冷房をつけていても換気扇を回したり、窓を開放したりして換気をするよう促している。

 「3密」を避けるためだが、その際は室内の温度が高くなりすぎないようにエアコンの温度設定を調整することも求めている。
 専門家が心配しているのが、春先からの「巣ごもり生活」の影響だ。

 熱中症予防啓発ネットワーク代表の救命救急医によると、ふつうの年なら4月下旬~5月上旬のゴールデンウイークの時期から人の体は徐々に暑さに慣れていく。

 気温の上昇につれて汗をかきやすくなり、皮膚の血管が拡張して体の熱も逃がしやすくなるという。

 ところが今年は外出自粛やテレワークなどで在宅時間が長く、暑さに慣れる時間が少なかった。そのため熱中症になる危険性が高いという。

 高齢者は「熱中症弱者」と呼ばれ亡くなる人も毎年少なくない。お年寄りに限らず、早めの冷房と小まめな水分補給が予防には欠かせない。そうした対策を改めて認識したい。

 1人暮らしのお年寄りは、孤立することで健康状態の悪化が懸念される。周囲が積極的に声掛けをして予防を促したい。

 マスク着用による子どもの熱中症も要注意だ。

 日本小児科医会は、2歳未満は熱中症に加えて窒息の危険があるため着用をやめるべきだと警告している。スポーツ庁も学校の体育の授業でマスク着用は不要と全国の教育委員会に連絡している。子どもの日々の様子に十分目配りしたい。

 消防庁などによると、昨年5~9月に7万人以上が熱中症で救急搬送された。コロナ対応で忙しい病院にそうした患者が加われば医療現場の負担は確実に増す。予防を心掛けて医療崩壊は何としても防ぎたい。




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Author:gogotamu2019
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