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補正予算審議 ずさんな使途にメスを(2020年6月10日配信『北海道新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルス対策の第2次補正予算案が、きのう衆院予算委員会で実質審議入りした。

 緊急事態宣言の全面解除から2週間が経過したが感染第2波への警戒は怠れず、景気回復の道のりは険しい。国民生活や企業経営への支援は急がなければならない。

 ところが、国会審議を通じて浮かび上がっているのは不明朗な予算の使途だ。

 持続化給付金の委託問題や、観光業界などを支援する「Go To キャンペーン」、10兆円もの予備費がそれである。

 緊急性の高い予算案でも、ずさんな使途には厳しく監視のメスを入れる。それが国会の責務だ。

 持続化給付金は、実態が不透明な一般社団法人から電通を通じ事務の委託や外注が繰り返された。

 いわば中小企業を救うお金が一部の大手企業に「中抜き」され、食い物にされた―。そんな疑念が拭えないと言って過言ではない。

 経済産業省は予算執行の妥当性を検査するという。国会の追及を逃れる時間稼ぎではないか。

 梶山弘志経産相は「厳しい指摘が相次いでいることは重く受け止めている」と述べた。ならば、政府・与党は17日までの国会会期を延長して解明を進めるべきだ。

 1次補正に計上された「Go To」事業で政府は事務局委託先の公募をいったん中止した。

 総額約1兆6794億円の2割に上る最大3095億円の委託費に批判が集中したためだ。

 そもそも国民が感染を気にせず自由に旅行できる状況には遠く、キャンペーン予算が効果的に執行できる見通しは立っていない。

 当面の必要性が高い事業に振り替えることも含め、予算の枠組みを根本的に見直すべきだろう。

 予備費は本年度当初予算でも5千億円にすぎない。10兆円という桁外れの金額は、国会のチェックを通じて予算を執行する財政民主主義に著しく反している。

 自民党と立憲民主党は、5兆円分の使途について《1》雇用維持や生活支援《2》事業継続《3》医療提供体制の強化―とすることで合意した。

 単なる大枠を示しただけで、残る5兆円は白紙委任のままだ。政府への歯止めになっていない。

 野党の追及を封じるために国会の幕引きを急ぎ、追加のコロナ対策が生じても審議にかけずに済ませたい―。巨額予備費には安倍政権の姑息(こそく)な思惑が見え隠れする。

 にもかかわらず、曖昧な内容で合意した立憲の国会対応は甘いと言わざるを得ない。




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