FC2ブログ

記事一覧

「性暴力が野放しの社会を変えたい」フラワーデモ記録本を出版(2020年6月11日配信『東京新聞』)

キャプチャ
今年2月、東京駅前で開かれたフラワーデモの光景

 性暴力事件の無罪判決が相次いだことがきっかけで昨年4月に始まったフラワーデモ。性暴力が野放しにされている社会を変えたいという声はまたたく間に広がり、1年後には全都道府県でデモの声が上がった。なぜこれほど大きなうねりが生まれたのか。『フラワーデモを記録する』(エトセトラブックス・1320円)が出版された

 フラワーデモは「被害者に共感する意思を示そう」と花を持って集まり開かれてきた。デモといっても、行進もシュプレヒコールもない。自らの被害や思いを語る人の言葉を、聴衆が静かに聞くだけだ。社会の偏見や差別を恐れて口を閉ざしてきた被害者が、「安心して語れる空間」で話し始めた。

 本書には各地で実際に語られたスピーチを再録し、各都道府県の主催者のコラム、発起人や弁護士らの寄稿、年表などを掲載。当事者の思いや社会的背景が伝わる構成となっている。

 フラワーデモで明らかになったのは、性暴力が日常にあふれていることだ。中学1年の女の子のスピーチ(今年2月11日・名古屋開催)の再録はこんなふうに記されている。小学5年の時に顔見知りの中学1年の男子から性器を触られた。自分を責めて誰にも相談できなかったが、2年後に意を決して母親に打ち明け、警察で証言した。辛(つら)い気持ちは変わらないが、眠れるようになった。「伝えたいことはひとつです。身近なひとじゃなくてもいい、信頼できるだれかに、話してください」

 デモ発起人の1人で、出版元のエトセトラブックス代表松尾亜紀子さんは「特定の政党や組織とはまったく関係なく、各地で自発的に広がっていった。その場限りの集まりだったから、被害を語りやすかった側面があるが、同時に記録しなければ消えてしまうという思いがあった。新たに生まれた女性運動として何が起きていたのかを知りたくて本をつくりました」と話している。

キャプチャ2

内容
「花を持って集まりましょう」
あの晩、日本の#MeTooが大きく動いた。

2019.3.12 福岡地裁久留米支部
サークルと称した飲み会で酩酊した女性への準強姦事件。女性が抵抗できる状態でなかったとしながらも、男性の故意が認められないとして無罪。(高裁で逆転有罪、その後、最高裁へ上告された)

3.19 静岡地裁浜松支部
コンビニ帰りの女性が外国人男性から口腔性交を強要された強制性交致傷事件。加害男性からみて「明らかにそれと分かる形での抵抗はなかった」として無罪。

3.26 名古屋地裁岡崎支部
娘が中学2年生のときから性虐待をしていた実父の準強姦事件。娘への性的暴行を認めながらも、「抵抗しようと思えばできた」として無罪。(高裁で逆転有罪、その後、最高裁へ上告された)

3.28 静岡地裁
当時12歳の娘への実父が性虐待を行った疑いのある事件。家が狭く「同室の家族が気づかないのは不自然」だから、信ぴょう性がないとして無罪。家から押収された児童ポルノ所持の罪で、父親には罰金10万円。(その後、控訴された)

 2019年3月に4件続いた性暴力事件の無罪判決をきっかけに、性暴力に抗議する運動としてはじまった「フラワーデモ」。4月11日に東京・大阪の2都市ではじまったこのデモは、どんどん全国に広がり、5月には4都市、6月には11都市と増えていき、参加者はのべ1万人超、1年で47すべての都道府県から声が上がりました。
本書は、フラワーデモにかかわった側からこのフラワーデモの一年間を振り返り、性暴力を許さない社会へと繋げていくための一冊です。

(内容)
全国の主催者たち、呼びかけ人・北原みのり、これまで性暴力事件を取材してきた新聞記者やライター、長年被害者とともに戦ってきた弁護士などの専門家、そして参加者による寄稿、刑法の問題点を整理したレポートなどでフラワーデモの1年間を記録する。

(寄稿者)
全国47都道府県&バルセロナの各地主催者、安部志帆子(毎日新聞記者)、河原理子(ジャーナリスト)、角田由紀子(弁護士)、村田智子(弁護士)、山本潤(一般社団法人Spring代表理事)、牧野雅子(社会学、ジェンダー研究)、小川たまか(ライター)、長田杏奈(ライター)、北原みのり(作家)ほか。

*この本の利益はすべて、今後のフラワーデモおよび、性被害当事者団体Springの活動費に充てられます。

公式サイト➡ここをクリック






スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ