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「太っ腹!」全区民に3万円の品川区…でもコロナ第2波が来たらピンチか(2020年6月12日配信『東京新聞』)

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東京都品川区役所

 区民全員に3万円を支給します―。新型コロナウイルス対策として、東京都品川区が、こんな太っ腹な支援策を打ち出した。品川区は人口も財政力も東京23区の中では平均的なのに、なぜ135億円に上る巨額事業を実現できたのか。全国からは「うらやましい」と羨望せんぼうのまなざしが向けられるが、実はコロナの第2波が来たら一転ピンチに陥る可能性もある。

◆全国から「うらやましい」

 品川区は6月、国が給付する10万円に上乗せする形で、全区民に1人当たり3万円を、中学生以下には5万円を支給すると発表した。都内初という話題性も手伝って、SNSには「引っ越したい」「うちの区でもやって」と投稿があふれた。区内で子育てする鈴木明菜さん(37)は「すごく助かる。家族で楽しみにしている週末の外食に使いたい」と喜ぶ。

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全区民に3万円、中学生以下には5万円が給付される東京都品川区

 湾岸エリアに高層ビルが立ち並び、戸越銀座のような活気ある商店街も抱える品川区。ただ、40万6500人の人口は23区中10位、財政力指数も同10位と飛び抜けて豊かなわけでもない。3万円給付の舞台裏では、区議会の猛プッシュが事態を動かしていた。

◆「分かりやすいのはお金」

 「一番分かりやすいのはお金だろう」。品川区や品川区議によると、5月中旬、最大会派の自民党は他の会派にも根回しをした上で、一律5万円の上乗せを浜野健区長に要望した。区長は「バラマキは生理的に嫌悪感がある。やるべきなのか」と迷ったが、「区民の気持ちを上向かせたい」と3万円に引き下げて要望に応じたと本紙の取材に明かした。
 話がまとまると、自民党は「一日でも早く報道発表してほしい」と区側をせかした。今回のような予算案は、全議員への説明会を開いた後に報道発表するのが通例。だが、区がプレスリリースを出したのは説明会の10日以上も前だった。

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3万円の給付について語る品川区の浜野健区長

 ちょうど各自治体がコロナ支援策を一斉に発表する時期。自治体間の競争が激しい今、どこも独自色をアピールしようと懸命だ。品川区議会自民党としても、「都内初」の冠が付く目玉施策を埋もれさせるわけにはいかなかった。
 自民党の思惑どおり、3万円給付は世間にインパクトを与えた。区議会の実力者として知られる自民党の石田秀男幹事長(60)=6期=は「反響の大きさは20年以上の議員生活で断トツ。SNSにすごい数の『いいね!』が付いた」と興奮気味に話した。

◆「貯金」は底をつく水準

 135億円に上る巨額資金を用意するため、区は「貯金」にあたる財政調整基金を大幅に取り崩す。浜野区長は「使うべき時が来た」と決断したが、200億円あった財調はコロナ対策で既に一部を取り崩しており、135億円を引くと残りは21億円になる。23区の平均額が295億円(2018年度)であることを考えると底をつきそうな水準だ。

 自治体財政に詳しい明治大大学院の兼村高文専任教授は「財調はためすぎても批判が出るので是非を問うのは難しい」としながらも、「パンデミックの恐怖で冷静さを忘れてはいけない。財政的にもコロナの第2波に備えるべきだ」と指摘する。

◆第2波が来たら…

 コロナの影響で、自治体の収入(税収)は落ち込む可能性が高い。2008年のリーマン・ショック後、減収した分を穴埋めしたのが財調だった。財調が枯渇すれば、自治体は「貯金」がないため、支出を抑えざるをえなくなる。仮にコロナの第2波で生活困窮者が増えるなどした際に、十分な支援ができない可能性が出てくる。

 品川区は「東京五輪・パラリンピックの延期で聖火リレーイベントなどの経費が浮く」と説明するが、現時点で見通せているのは5億円程度。浜野区長は「災害用」「教育施設用」と目的別にためている基金の存在を挙げ、「基金の付け替えで十分に対応できる」と語る。だが、品川義輝・財政課長は「もう大掛かりな支援は打てない」と不安も口にした。

◆「うちにはできない」

 品川区の3万円給付が知れ渡るにつれ、各区には「うちの区もやらないのか」と問い合わせが寄せられている。ある区の幹部は「比較されるのでいい迷惑」と本音を漏らす。

 江戸川区には住民から要望の手紙が届いたというが、斉藤猛区長は「うちにはできない」と言い切る。脳裏をよぎるのがリーマン・ショック後の悪夢だ。財政課長だった当時を振り返り、「財調は400億円を取り崩して枯渇寸前だった。コロナの影響はリーマン以上とも言われている。生活保護費などが増加すると分かっている今、貯金を使うわけにはいかない」と話した。

 品川区の3万円給付は25日に始まる区議会定例会で審議され、正式に決まれば8~9月に支給が始まる見通しだ。

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全区民3万円、中学生以下は5万円支給 品川区が独自給付金(2020年6月12日配信『東京新聞』)

 東京都品川区は、新型コロナ対策で、中学生以下に5万円、他の全区民に3万円を給付すると発表した。外出自粛要請などに伴う負担の軽減と、区全体の活力を取り戻すのが目的。八、九月をめどに申請書類を郵送し、支給を始める。

 担当者によると、区民はコロナの多大な影響を受け、負担も増えている。休校中の自宅学習の教材、教育ソフトの費用、食費など保護者の負担は大きく、手厚い支援が必要と判断したという。

 今回の給付は「しながわ活力応援給付金(仮称)」という。中学生以下約5万人を含め区民は約40万6000人。財政調整基金(約180億円)を活用した全区民への給付は初めてで給付後の残高は約30億円となる見込み。

 担当者は「有事の際に活用することが目的の基金。100年に一度とも言われる感染症の被害なので、所得制限などを設けず支援したい」と説明している。



品川区民全員を対象とした「(仮称)しながわ活力応援給付金」135億円余を補正予算に計上

区は、新型コロナウイルス感染症拡大により生活に多大な影響を受けた区民に対し、外出自粛要請等に伴う負担の軽減と、区全体の活力を取り戻すことを目的に、令和2年度一般会計補正予算案(第3号)として、「(仮称)しながわ活力応援給付金」予算135億5,000万円を6月25日区議会第2回定例会に提案します。

【給付対象者】
品川区民約40万6,000人。(中学生以下は約5万人)

【給付額】
区民1人当たり3万円。中学生以下には、1人につき2万円を加算し1人当たり5万円。

【申請方法】
郵送申請のみとし、感染対策のため、申請窓口は設けません。

【スケジュール(予定)】
 議決後、早急に事務を進め、申請書発送と受付を開始します。

【応援寄付制度】
 感染症拡大防止等に対する応援としての寄付を受ける仕組みを構築する予定です。





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