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2次補正成立 不明朗な使途許されぬ(2020年6月13日配信『北海道新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染拡大に対応する2020年度第2次補正予算がきのう、成立した。

 一般会計総額約31兆9千億円で、事業者への家賃補助や休業者向けの給付拡充、医療支援が柱だ。

 緊急事態宣言は解除されたが、苦境にあえぐ多くの家庭や事業者に一日も早く支援が届くよう、成立を急ぐ必要はあったろう。

 ただでさえ国民への一律10万円給付をはじめ、1次補正で計上された対策の多くは執行が滞っている。スピード感が求められることは言うまでもない。

 だが補正予算を巡っては持続化給付金の業務委託など、不明朗な使途への疑念が次々に浮上した。丸投げのような再委託は常態化していたとみられ、過去にさかのぼって調べるべきではなかったか。

 予算成立で幕を引くことは許されず、徹底的に解明する必要がある。政府は納得いく説明ができないなら、使途が疑わしい予算執行を停止し、組み替えるべきだ。

 収入減に苦しむ事業者に最大200万円を支給する持続化給付金事業は、実態に乏しい一般社団法人を経由し電通やその子会社などに委託や外注が繰り返された。

 その全容を政府も把握せず、5月の受け付け開始から2日間の申請のうち1万件超が未支給であることも、審議で明らかになった。

 政府の監視が行き届かないだけでなく、再委託を重ねる構図自体が迅速さをそいでいると言える。

 2次補正では支給対象の拡大に伴い1兆9400億円を積み増し、委託費も850億円を追加したが、このまま執行するのは論外である。契約を見直すべきだ。

 家賃補助でも委託費は942億円に上る。政府は委託先にリクルートを内定した過程や運営方法をつまびらかにする必要がある。

 業務委託を巡り、観光などの需要喚起策「Go To キャンペーン」で1次補正に計上した最大約3千億円の委託費も批判された。

 所管官庁ごとに委託先を公募する形に変更するというが、それこそが政策の中身を精査していなかった証左であり、お粗末だ。

 単なる発注の分割ではなく、コスト削減を図り、その分が支援に回るように改めねばならない。

 前例のない10兆円もの巨額な予備費は、半分の大まかな使途が示されたが、なお曖昧だ。残る5兆円分も議論は深まらなかった。

 予算は国会の議決を経て決めるという憲法の財政民主主義に立てば、減額した上で、追加支援が必要なら3次補正を組むのが筋だ。



2次補正予算が成立 支援の目詰まり許されぬ(2020年6月133日配信『毎日新聞』-「社説」)

 コロナ禍への追加対策を盛り込んだ2次補正予算が成立した。中小店舗への家賃支援や雇用維持のための助成金拡充が柱だ。

 1次補正と合わせた事業規模は200兆円を超え、安倍晋三首相は「空前絶後」と強調している。

 だが問題はスピードだ。対応が大きく遅れ、その間にコロナ関連の解雇は2万人を超えた。家賃負担に耐えかねて廃業した店もある。いくら規模を誇っても、日々の生活に窮している人に支援がすぐ届かなければ意味がなくなる。

 遅れは、1カ月以上も前に成立した1次補正の事業でも深刻だ。

 現金10万円の一律給付は国民の3割余りにしか届いていない。中小企業向け持続化給付金も補正成立直後の申請分でさえ1万件超が未払いだ。雇用の助成金は40万件超の相談が殺到したのに支給が決まったのは8万件に過ぎない。

 対応が後手に回ったことに加え、煩雑な申請手続きや事務処理の混乱が事態を悪化させた。2次補正では持続化給付金が追加され、家賃支援も新たに加わった。遅れがさらに広がる恐れがある。

 倒産や失業を食い止めるには、もう目詰まりは許されない。しかし2次補正の国会審議を見る限り、政府の姿勢には懸念が募る。

 典型は業務を民間委託した持続化給付金だ。委託の本来の目的は給付の効率化のはずである。にもかかわらず、実態は政府が「丸投げ」し、下請けが繰り返されている。とても効率的とは言えない。

 首相は委託先について「詳しく存じ上げないのでコメントしようがない」と述べただけだ。給付の遅れに関しても「残念ながら届いていない現状もあるのだろう」とひとごとのような口ぶりだ。現場任せにせず、早急な解決に指導力を発揮すべきだ。

 具体的な使い方を定めない予備費を異例の10兆円も盛り込んだことも納得できる説明はなかった。

 首相は「予見しがたい事態に対応できる」と述べたが、持続化給付金のように使い方が決まった段階で問題が明らかになるケースがある。改めて補正予算を編成し、国会に説明するのが筋だ。

 政府・与党は今国会を17日で閉会しようとしている。だが事態が予見しがたいというのなら、閉会する道理はない。



2次補正成立 迅速かつ無駄なく執行せよ(2020年6月13日配信『読売新聞』-「社説」)

 多くの事業者が支援を待ちわびている。迅速に資金を届け、経済再生を図らねばならない。

 2020年度第2次補正予算が、共産党を除く各党の賛成で成立した。事業規模は117兆円に上る。1次補正と合わせた234兆円は国内総生産(GDP)の4割に相当する。

 新型コロナウイルス流行の長期化を見据え、雇用や事業の維持を支えることに力点を置いた。収入減の事業者に最大600万円を支給する家賃支援給付金、休業手当を補助する雇用調整助成金拡充など、多様な支援策が並んだ。

 休業や外出自粛などで多くの企業が売り上げ減少に見舞われ、家賃や人件費の支払いに苦しむ。倒産や解雇を防ぐため、固定費の負担を軽減する狙いは妥当だ。

 円滑に執行できるかどうかが問われる。1人あたり10万円の現金給付は遅れが目立つ。中小企業向けの持続化給付金は、申請から1か月経過しても未支給のケースが5万件あるという。実施に万全を期すことが肝要である。

 感染症対策の現場を抱える地方自治体への支援も欠かせない。

 自治体が自ら使途を決められる地方創生臨時交付金を2兆円積み増した。多くの自治体が、休業した事業者に対する協力金を支払い、財政難に直面している。住民の声を丁寧にくみ取り、きめ細かな施策を展開してもらいたい。

 予算審議で焦点となったのは、持続化給付金や家賃支援給付金を巡る事務委託のあり方だ。

 野党は、その経費が高額であるうえ、再委託と外注が繰り返されて業務の実態が不透明になっている、と厳しく追及した。

 全国から申請を受け、給付金を支給する事務を、すべて国や自治体が実施するのは効率が悪かろう。ノウハウを有する民間に委託すること自体は理解できる。

 だが、公平性と透明性を失ってはならない。政府は委託した事業者と交渉し、経費を最小限とする努力が不可欠である。適切な執行を確保するため、事務委託に関するルールを明確化すべきだ。

 緊急事態に対応するための予備費として10兆円を確保した。異例の規模である。麻生財務相は、雇用維持や事業継続、医療強化などに5兆円を使うと表明した。

 政府は、予算の執行状況を随時点検し、問題があれば速やかに改善を図ることが求められる。

 国会の閉会中審査などを通じて、委託費の実態や予備費の使途について、適切に説明責任を果たしていく必要がある。



2次補正成立 巨額予備費を適切に使え(2020年6月13日配信『産経新聞』-「主張」)

 新型コロナウイルス対策を盛り込んだ令和2年度第2次補正予算が成立した。歳出総額は31兆円を超える。民間投資などを含む事業規模は117兆円という巨額さだ。

 100年に1度の世界的危機である。緊急事態宣言が解除されたといっても経済活動が本格化しているわけではなく、今も多くの企業や個人事業者などが苦境の渦中にいる。

 支援が間に合わなくては2次補正の意味をなさない。まずは迅速な執行に万全を期すべきだ。支給の遅れが目立った1次補正と同じ轍(てつ)を踏んではならない。

 2次補正には企業の資金繰り支援や財務基盤の強化策、家賃負担の支援などが盛り込まれた。事業継続への不安を払拭し、雇用と暮らしを守らなくてはならない。

 第2波への備えも重要だ。11日の米株式市場では第2波への警戒から株価が暴落し、東京市場を含めて株安が連鎖した。第2波以降の悪影響が、いつ、どれほど深刻な形で表れるかは見通せない。

 このため、従来と比べてけた違いに大きな10兆円の予備費を積んだ。国会審議を経ずに使える予備費の巨額さについては財政民主主義に反するとの批判もあるが、今は例のない危機である。

 本格的な経済対策を盛り込んだ1次補正の成立が4月末だったことを忘れてはならない。時期的に極めて遅く、その内容も不十分だった。この反省に立ち、第2波が起こったときには直ちに予備費をつぎ込み、手厚く支援することを躊躇(ちゅうちょ)してはならない。

 政府は野党の批判を受けて、予備費のうち5兆円については雇用維持や生活支援、事業継続、医療体制の強化に使うという内訳を示した。本来、予備費は不測の事態に備えるもので、あらかじめ使途を示すのは異例である。

 注意したいのは、内訳にこだわるあまり、使い方に柔軟性が欠けることだ。どこに重点配分するかを臨機応変に判断することが大切である。無論、必要がないのに無理に消化する愚も避けたい。

 国会では持続化給付金などの事業委託をめぐる不明朗な実態も追及された。透明性の確保と国民への丁寧な説明は事業の大前提である。2度の補正を合わせた今年度の新規国債発行額は90兆円を超える。財政再建を棚上げにしてまで巨費を投じる重みを踏まえ、適切な執行に徹してもらいたい。



2次補正成立/使途を厳しく監視せねば(2020年6月13日配信『神戸新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染拡大対策を盛り込んだ総額31・9兆円の2020年度第2次補正予算がきのう参議院本会議で可決、成立した。

 1次補正と合わせた歳出は57兆円と本予算の半分を超える規模で、全額を国債で賄う。売り上げが落ちこんだ事業者や個人への支援、第2波に備えた医療体制の強化などが急務とはいえ、通常の予算編成の枠組みを大きく踏み越えている。

 国会質疑では、1次補正分も合わせた不明朗な使い道に批判が集中したが、最終的には多くの野党が賛成に回った。審議日程の短さもあり、議論が十分に尽くされたとは言い難い。今後も巨額予算の使われ方に監視を強める必要がある。

 批判が集中したのは、中小事業者を支援する持続化給付金事業だ。

 1次補正では、実体に不明な点が多い一般社団法人が769億円で事業を受託した後、広告代理店の電通に749億円で再委託し、さらに複数の企業に委託されていた。「再々々々委託」の存在までうかがわせる証言も示されたが、政府は全容を把握できていなかった。

 コールセンターがつながらず、申請から1カ月を経ても振り込まれない例があるなど、迅速さを欠く点にも国民の怒りは高まっている。経済産業省は予算執行が適正かどうかの検査を月内にも行うが、公費の流れや使途に加え、何重もの再委託が事務手続きの遅れを招いていないかも調べるべきだ。

 2次補正では、新たに設けた家賃支援給付金に2兆円が計上された。経産省は事務などの委託費を942億円とし、委託先にはリクルートが内定している。持続化給付金の二の舞いにならないよう、事業展開も厳しくチェックせねばならない。

 第2波を想定した10兆円の予備費には、野党だけでなく与党も批判を強め、政府は半分の5兆円について医療体制の強化や雇用維持などの使途を示した。

 必要な施策ならば予備費でなく、補正予算を組んで国会で審議の上、成立を図るのが筋である。

 憲法83条は、国の財政処理は国会の議決に基づくと定めている。内閣の裁量で使い道を決められる巨額の予備費には、緊急対応に乗じて国会審議を省こうとする政権の思惑がうかがえ、財政民主主義が形骸化しかねない。使途が決まれば、速やかに国会に報告するべきだ。

 公共事業のデジタル化やキャッシュレス決済のポイント還元の原資など、1次補正にはコロナ禍と関連が乏しい施策も交じる。与党は予定通り17日に国会を閉じる方針だが、巨額予算の使い道を厳しくチェックするには、会期延長が不可欠だ。



2次補正予算成立 コロナ禍支援策の加速を(2020年6月13日配信『山陽新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの対策費を盛り込んだ2020年度第2次補正予算が成立した。歳出総額は31兆9114億円で、4月に成立した総額25兆円余りの第1次補正予算を上回り、補正としては過去最大となった。

 コロナ禍で窮地に陥った事業者らへの支援策は、給付の遅れが目立つなど素早い救済につながっていないという批判もある。必要なところへ迅速・確実に届くよう予算の執行に努めてほしい。

 2次補正予算には、業績悪化で従業員を休ませた企業に支給する雇用調整助成金の上限を日額8330円から1万5千円に増やすことや、売り上げが大幅に減った事業者の家賃支払いを支えるため、最大600万円を手当てする措置などを盛り込んだ。ひとり親家庭の支援や、感染症患者に対応する医療スタッフらへの慰労金も計上した。

 予算案の国会審議では、コロナ関連予算を巡る疑問点も浮上した。収入が減少した中小企業に最大200万円を支給する持続化給付金については、電通などが設立に関与した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が政府から支給事務を委託され、その大半を電通に再委託していたことなどが判明した。

 電通から、さらに他社に委託が重なる複雑な構図を野党は不透明だとして批判し、経済産業省の監督責任にも疑問符が付いた。感染拡大で打撃を受けた事業者を支援する「Go To キャンペーン」や、家賃支援給付金に対しても同様に事務委託の手法に懸念が示されている。

 民間に業務を委託する手法そのものは認められるとしても、数百億円にも上る巨額の事業委託であり、とりわけ透明性の確保が求められるはずだ。政府にはより丁寧に説明する責任がある。

 10兆円という異例の規模の予備費計上も与野党間で紛糾した。不測の事態に備えて確保する予備費は、予算成立後は政府の裁量で使途を決めることができ、国会への説明がないがしろにされかねない。

 批判を受けて、政府はうち5兆円分について、雇用維持や生活支援、医療提供体制の強化などに充てる方針を示し、野党と合意した。ただし、残る5兆円はいわば政府への「白紙委任」状態のままだ。憲法に基づき国会の事前チェックを原則とする「財政民主主義」がないがしろにされるとの批判はくすぶっている。

 今国会の会期末は17日に迫っている。コロナ禍の先行きが見通せない中、野党は感染再流行に備えて会期を延長するよう求めている。一方、与党は予定通り閉会し、必要に応じて閉会中の各委員会開催で対応する構えだ。

 今後、感染拡大の状況次第では、さらなる立法措置が必要になる可能性もある。今なお危機のさなかにあることを踏まえ、国会が臨機応変に対応できるよう備えておくことが望まれる。



どんぶり勘定(2020年6月13日配信『宮崎日日新聞』-「くろしお」)

 新型コロナウイルス対策を盛る2020年度第2次補正予算が昨日、国会で成立した。だが「どんぶり勘定」などと世評は芳しくない。特に10兆円に上る巨額の予備費をはじめ、使途が明快ではないからだ。

 このどんぶり勘定のどんぶり。大抵の人は大きいおわんを頭に浮かべるだろう。だが、おわんは直接の語源ではないことを岩淵悦太郎著「語源散策」で知った。まずどんぶりと呼ばれるものに、職人が腹にかける隠しがある。たばこやマッチ、お金などを入れる。

 江戸時代から、小物を入れる袋のことをどんぶりと呼んだようだ。たっぷり入る様子をいう擬声語だったらしく、お風呂をどんぶりという地方もあるそうだ。大きいおわんもサイズからそう呼ばれるのだろう。勘定が付くと「大ざっぱな金の出し入れ」と悪い意味になる。

 麻生太郎財務相は「少なくとも5兆円程度必要」と語っていた予備費だが予算では倍増。とりあえず5兆円として足りなければ第3次補正で、と思うが、素人考えを納得させる説明がない。さらに中小企業を支援する持続化給付金事業で不透明な金の流れが指摘されるに至って「どんぶり」を疑う。

 今後の感染流行に備えるのは大事だ。医療や雇用、中小企業への支援も手厚くしたい。ただ、31兆9千億円の補正予算の財源はすべて国債。本当に必要な場所だけにお金を使う袋だ。各省庁の予算獲得合戦や無駄遣い、ましてや怪しい用途に使う余裕はない。




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