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リテラ > 芸能・エンタメ > テレビ > 安倍政権が『岡村隆史のオールナイトニッポン』で「マイナンバー」宣伝(2020年6月13日配信『リテラ)

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『激レアさん』でのマイナンバー政府公報

 新型コロナに乗じて、またも安倍政権が火事場泥棒を働こうとしている。一律10万円給付金のオンライン申請で役に立たなかったマイナンバー制度をさらに広げ、1人につき1つ預金口座を紐付けすることを義務化する方向で動きはじめたからだ。

 まったくふざけるな、という話だろう。前述したようにマイナンバーカードを使った一律10万円給付金のオンライン申請では、自治体側が住民基本台帳との照合といった確認作業に追われるなどし、結局、6月4日時点で54自治体がオンライン申請の受付を停止する事態となった。オンライン申請でマイナンバーを使わない方法も考えられたのに、普及率を伸ばしたい政府がマイナンバーカードでの電子認証にこだわったために、このような混乱が生じたのだ。

そもそも、マイナンバーカードの交付率が約16%にとどまっているのは、この国の個人情報管理が信用ならないからだ。実際、行政や公共機関による個人情報の流出事件は後を絶たず、データ入力作業を海外企業に再委託していたことが発覚するなど、問題づくしだ。しかも、会計検査院が今年1月に国会報告した調査報告書では、マイナンバーの情報漏洩対策が不十分な自治体があり、「正規の権限を持たない職員が個人情報に不正にアクセスするリスク」を指摘。国が自治体の情報セキュリティ対策支援のためにつくったウェブサイトもほとんど利用されていないという実態があきらかになっている(朝日新聞1月16日付)。

 マイナンバー制度の導入に約3000億円も投じておきながら、セキュリティ対策は脆弱な上、個人情報の取り扱いもずさんで、いざというときにシステム障害を起こす……。こんな体たらくのくせに、安倍自民党や田崎史郎氏といった安倍応援団は給付金支給が遅れていることを逆に「マイナンバーと口座が紐付けされていれば迅速に給付できる」などと強弁。迅速な給付と言うなら、マイナンバーと紐付けしなくても、次の給付に備えて任意で水道料金などのように口座届け出を呼びかければいいだけの話なのに、問題点の見直しをすっ飛ばし、混乱を利用して国が個人の所得や資産の状況を把握できるシステムをつくり上げようとしているのである。

 マイナンバーは家族関係や収入、病歴など個人の情報を一元化して国が把握しようという危険なものだが、とりわけ国民監視に血道を上げる安倍政権においては悪用の狙いしか感じられない。それを新型コロナに便乗して口座紐付けを義務化しようとは、まさしく火事場泥棒ではないか。

 しかも、だ。この間、政府はマイナンバーカードの普及のために莫大な税金を使ってCMを打ちまくっているが、なんと、あの問題となった番組でも広告キャンペーンがおこなわれているのだ。

 その番組というのは、ニッポン放送が深夜に放送しているラジオ番組『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』だ。

 ご存じのとおり、岡村は同番組の4月23日放送回で「コロナが明けたらかわいい人が風俗嬢やります」などと発言。生活苦によって自らの意志に反して性風俗業に従事せざるを得ない女性が存在するという「性的搾取」の構造を認識しながらその状況を歓迎するという女性の尊厳をまるで無視した差別発言をおこなったばかり。

 だが、この番組に6月から内閣府がスポンサーに入り、深夜2時半すぎから約3分間にわたって『パンサー向井の教えて!!マイナポイント』なるインフォマーシャルをおこなっているのである。

『激レアさん』で弘中綾香アナが番組コーナー風に見せたマイナンバー宣伝

 実際、「マイナンバー制度」のTwitter公式アカウントの告知には、こうある。

〈【パンサー向井の教えて!!マイナポイント】
6月1日から #マイナポイント について紹介するラジオ放送が、#オールナイトニッポン で始まります
お笑い芸人 #パンサー #向井慧 さんと総務省マイナポイント施策推進室長のトークをお楽しみに
6月26日までの1ヶ月間 平日深夜2時半頃の放送です〉

 内閣府によるスポンサードは岡村担当日だけではなく『オールナイトニッポン』の帯全体でおこなわれているものではあるが、しかし、あれだけ大きな問題となった女性差別発言が飛び出した番組に対し、その問題から約1カ月で内閣府がCMを打つとは、一体どういうことなのか。

 しかも、内閣府がおこなっているのは、たんなるCMではない。前述したようにCMは約3分にもわたるもので、マイナンバーカード取得者向けに9月からはじまる最大5000円相当の「マイナポイント」制度を紹介。「自分だったらこう使う、2万円と5000円の使い道」なるテーマで投稿を集め、パンサー向井が約3分間にわたってトークをおこなっている。その扱いはCMではなく「番組内のワンコーナー」と勘違いしてしまいそうな仕掛けだ。当然、CM料金も相当なものだろう。

 いくら岡村やニッポン放送が謝罪をおこなったからといって、番組として、暴言をその場で諌めたり訂正することもなく放送したことの責任は問われつづける。そんな番組に、問題からたった約1カ月で政府がCMを打つ──。繰り返すが、そのCM料金の原資は国民の税金なのだ。

 だが、問題はまだある。内閣府はマイナンバーカード普及のため、さらに6日放送の人気バラエティ番組『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日)ともコラボレーションし、インフォマーシャルを打った。しかもそれは、番組の進行さながらにテレ朝の弘中綾香アナウンサーがボードを使ってマイナンバーの利便性を滔々と説明する、というものだった。

 さらに、『激レアさん』番組公式Twitterアカウントは6日の番組終了後、〈激レアさんと「マイナンバーカード」のコラボインフォマは見てくれたかな!? 弘中綾香アナと「マイナンバーカード」との激レアなコラボに注目してくれよなー!〉と放送されたインフォマーシャル動画を付けて投稿。そして、この投稿がプロモーション広告としてTwitterで宣伝されているのだ。その広告ツイートの下には小さく「内閣府政府広報オンラインによるプロモーション」と表示されている。

アナウンサーを政府CMに起用しマイナンバーの危険性を否定させたテレ朝の放送倫理

報道機関である民放テレビ局が政府の言い分をそのまま垂れ流す「政府広報」の問題は指摘されてきたことだが、最初に「これはCMです」と一応注意を入れながらも、人気バラエティ番組の地続きと見紛うスタイルで、さらにはタレントではなく局アナを使ってマイナンバーの広報をおこなうというのは、はっきり言ってテレビ朝日の見識を疑わずにいられない。しかも、このCMでは、マイナンバーカードをめぐって指摘されている個人情報の流出を弘中アナが「ご安心を!」などと打ち消してさえいる。

 先日も本サイトでは、安倍政権下で「政府広報」の費用が民主党政権時の2倍にあたる約80億円まで膨れ上がり、その約半分が電通に流れていることを指摘したが(https://lite-ra.com/2020/06/post-5460.html)、「マイナンバーカードの取得促進」の広報についても、今年3月31日に電通が1億4998万5000円で随意契約している。だが、こうしたかたちで安倍政権に手懐けられているのは電通だけではない。広告収入が落ちつづけている民放テレビ局やラジオ局にとっても「政府広報」は重要な収入源のひとつとなり、マスコミの最大の責務でもある「権力に対するチェック機能」が奪われてきているのだ。

 新型コロナで国民への給付が遅れているのは、ひとえに安倍政権の“国民生活の軽視”がある。にもかかわらず、それをマイナンバーカードと口座の紐付け義務化に利用し、さらには国民の税金を使ってメディアに広告を打ち、メディアはアピールを垂れ流す……。こうやって、国民監視のシステムが着々とつくられようとしているのである。

(編集部)




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