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環境白書 コロナ後の社会が心配だ(2020年6月16日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 政府が2020年版の「環境・循環型社会・生物多様性白書(環境白書)」を閣議決定した。

 世界で災害が相次ぐ現状を、単なる「気候変動」ではなく全ての生き物の生存基盤を揺るがす「気候危機」だと強調。地球温暖化の原因とされる二酸化炭素など温室効果ガス削減の必要性を訴えている。

 世界は今、新型コロナウイルス感染症だけでなく気候危機の非常事態にも直面していることを忘れてはいけない。

 今年から、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が本格始動している。今世紀後半に世界の温室効果ガスの排出を実質ゼロにし、産業革命以降の気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指している。

 日本は世界5位の二酸化炭素排出国だ。白書では、日本が14年度以降5年連続で排出量を減らしている実績をうたう。

 一方で、政府は30年の排出削減目標を現行の「13年度比26%減」に据え置いた。排出量が多い石炭火力も、国内で発電所新設が続く。発展途上国への建設支援も推進している。

 白書で示した危機感を政府全体で共有しているのか疑わしい。

 政府は、今月中に石炭火力の輸出戦略について改定の骨子をまとめる。環境省は支援要件の厳格化を求めている。さらに強いリーダーシップが必要だ。

 コロナ禍で世界の経済活動が停滞し、二酸化炭素の排出量は大きく減少している。収束後の経済回復で排出が無秩序に増える事態を起こしてはならない。

 経済活動を再開した欧州やカナダは、脱炭素化との両立に動きだしている。

 二酸化炭素の排出削減を条件に政府融資を決めたり、支援企業に気候変動への取り組みの情報開示を求めたり。少ない作業員で済み感染対策にも有効として再生エネルギーにも注目が集まる。

 日本の動きは鈍い。早急に議論を深め、脱炭素社会へ移行する視点を盛り込みながら経済を立て直していく必要がある。

 実現には、私たちの生活スタイルの変容も迫られるだろう。

 既に、コロナ禍で生活は変わりつつある。密集を避け、無駄を見直し、テレワークなどの普及で移動も減った。エネルギー削減の行動につながっている。

 コロナ後の社会が以前のままに戻るようでは、地球の未来が危ない。一人一人も意識して温暖化を止める日常をつくりたい。




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Author:gogotamu2019
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