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傘さし登下校、社会的距離確保と熱中症予防に効果あるの?(2020年6月18日配信『東京新聞』)

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抜けるような青空の下、傘をさして下校する児童=愛知県豊田市の童子山小で

 愛知県豊田市の小学校が、児童の「傘さし登下校」を始めた。新型コロナウイルス対策で児童同士の距離、いわゆる「ソーシャルディスタンス」を確保するのと、熱中症対策の一石二鳥を狙った。同様の取り組みは各地に広がりつつある。果たして効果のほどはどうか。

 「友達との間が空くのでしゃべりづらくはなったけど、毎日使うようになって傘が身近になった」。5月27日から傘さし登下校を始めた豊田市立童子山小学校。6年生の横山快政(かいせい)君(11)はこう話した。

 コロナ休みからの再開に向けた教職員の話し合いの中から、傘さし登下校のアイデアが生まれた。「コロナはもちろん、熱中症がとても心配だった。何かいい方策はないものかと考えていた」と振り返る野田靖校長。野田校長は「コロナの心配がなくなるまでは続けていくことになると思う」と話す。

 夏の暑さで有名な埼玉県熊谷市では6月11日から、市立小中学校45校で順次、傘さし登下校を始めるよう市教委が各校に通知した。市教委学校教育課の爪川由美子副課長は「傘は急な雨にも対応できるし、特別な費用もかからない。コロナ対策はずっと続けていかなければならないので、水筒と同様に傘も毎日持っていくことが習慣になってくる」と語った。

 一方、一足早い5月25日から傘さし登下校を始めた群馬県甘楽町立新屋小学校では課題が浮上した。6月13日からは傘さし登下校を「中断」している。

 同校では、集団登校する児童が近づきすぎないよう、傘で距離を取らせることを狙った。傘をさしている時でも、マスクを着けるよう指導していた。

 夏が近づいて気温が高くなると、傘をさすのはつらいという声が児童から上がった。6月8日からは朝より気温が高く、集団にならない下校時は、傘をささなくてよいことにした。

 さらに低学年の児童には傘が負担になることも分かった。ランドセルを背負い、片手に荷物を持ち、さらに空いた手で傘をさし続けるのは無理だという声が、担任を通して寄せられたのだ。それで傘さし登下校は中断することになった。

 市川光早校長は「感染症予防だけを優先し、子どもたちに負担をかけるのはどうなのか。傘さしで子どもたちは距離を空けて通学できるようになった。その距離が縮んできたら、また傘さし登校をしてもらう」と語った。

 どの学校も新型コロナから子どもを守ろうと工夫していることがうかがわれる。ただ、傘さしの効果はどれほどあるのだろうか。

 「黒い傘なら傘の中の温度が上がり、むしろ熱中症のリスクが高まる。交通安全のための黄色の傘をささせるなら、何度になるのかを調べる必要がある」

 兵庫医科大特別招聘(しょうへい)教授(小児科)の服部益治氏は語る。服部氏は、熱中症患者の減少を目指す医師らでつくる「教えて!『かくれ脱水』委員会」の委員長も務めている。

 熱中症を予防したいなら、やはり雨傘ではなく日傘が効果的で、服部氏自身も10年ほど前から使っているという。服部氏は「登校でささせるのなら、色の白い日傘であるべきだ」と呼び掛ける。

 一方、児童同士の距離を取るには、傘は効果的だ。ただ、服部氏は「狭い歩道や道で横に広がると危ない。縦に並んで、前後で距離を取ってほしい」と注意を促した。



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