FC2ブログ

記事一覧

検品したアベノマスクにまだ「虫」…作家で医師の海堂尊が画像を公開し「絶対に着用すべからず」、背景にある安倍政権の体質も批判(2020年6月21日配信『リテラ)

キャプチャ
配布されたアベノマスク

 安倍首相の新型コロナ対応を象徴するものといえば、なんといっても、約466億円もの予算(最終的な契約額の総額は約260億円と発表)を投じた「アベノマスク」だろう。15日、厚労省は安倍首相肝いりの「アベノマスク」について、「おおむね配布を完了した」と発表したが、SNS上では「まだ届いていない」という声が続出している。

 だが、もし「アベノマスク」が届いていたとしても、着用はやめたほうがいい。といっても、これは本サイトが“安倍憎し”のあまり言っているわけではない。実際、そう呼びかけている人物がいるのだ。それは、作家の海堂尊氏だ。

〈今回は日本全国民に一世帯あたり2枚配布された布マスク、いわゆる「アベノマスク」について、注意喚起します。〉

 海堂氏といえば、ドラマ・映画化された『チーム・バチスタの栄光』『ジェネラル・ルージュの凱旋』(ともに宝島社)などの“チームバチスタシリーズ”や、やはりドラマ化された『ブラックペアン1988』(講談社)など医療をテーマにした作品で知られる小説家だが、同時に海堂氏は外科医、病理医でもあり、オートプシー・イメージング(Ai/死亡時画像診断)の導入を提唱してきた人物。現在も国立研究開発法人放射線医学総合研究所の研究員を務めている。

 その医療従事者である海堂氏が「アベノマスク」に注意喚起をおこなったのは、16日に公開されたNIKKEI STYLEで連載中の「海堂尊の死ぬまで生きる」でのこと。

 海堂氏は、4月中旬に「アベノマスク」が届いていたものの〈「アベノマスク」は衛生上、大変不潔なものだという評判が立ってい〉たことから、〈元外科医として清潔という概念を徹底的に教え込まれた身としてはとても使う気にならず、放置していました〉という。だが、知人から“「アベノマスク」を携帯電話のカメラで拡大撮影するとゴミだらけだった”と写真が送られてきたことから、自身の手元に届いていた「アベノマスク」も〈観察〉してみたのだという。

〈すると我が家の「アベノマスク」には小昆虫らしきものがいました。つまり我が家のアベノマスクは「ムシノマスク」バージョンだったわけです。〉

 海堂氏はその写真の画像も公開。たしかにそれを見ると、何かが付着していることがわかる。口元に密着させて長時間を過ごすなど、とてもじゃないが御免被りたいシロモノだ。

 しかも、SNS上では海堂氏と同じように、「アベノマスク」に虫がついていたという報告が多数ある。たとえば、海洋生物学が専門の大久保奈弥・東京経済大学教授も、自身の手元に届いた「アベノマスク」を未開封のまま、上下から光を当てられる実体顕微鏡に顕微鏡カメラを付けて撮影し、虫にしか見えない物体が付着していることがはっきりわかる画像をTwitter上に投稿している。

「アベノマスク」に虫やゴミの混入、カビの付着があったことは厚労省も認めていることで、だからこそ4月23日に布マスクを納入した興和、伊藤忠商事は未配布分の回収を発表。妊婦・介護施設など向けの分と合わせて約8億円をかけて検品作業をおこなう、と政府は発表している。だが、結局、こうして国民の手元には、虫入りのアベノマスクが届いているのが実態なのだ。無論、虫やゴミがついているのかわからないまま着用している人も多いはずだ。

海堂尊氏は安倍政権の新自由主義、福祉削減が衛生面軽視を招いたと指摘

 だからなのだろう。自宅に届いたアベノマスクの画像と観察結果を公開した海堂氏は、続けて「アベノマスク」の着用に対し、こう警鐘を鳴らしている。

〈医療従事者として市民のみなさんに「健康を守るために言えるアドバイス」としては「アベノマスクは絶対に着用すべからず」ということです。医療現場では、清潔を担保できないものは使用しません。一般だからそこまで厳密にしなくてもいいのでは、という考えもありますが、さすがにゴミや虫がいるとわかっているマスクは、もはやマスクの体をなしていません。〉

 安倍首相は“布マスクを配布したから市中のマスクの品薄状態が解消され、価格も下がった”などと主張しているが、バカも休み休みいえ、という話だろう。アベノマスクが届く前から品薄状態は解消されつつあったし、そもそもマスクは「感染拡大防止」のためのものだ。しかし、「アベノマスク」に感染を防ぐ効果は期待できないという検証結果もある上、まだゴミや虫がついているのだ。海堂氏が「アベノマスクは絶対に着用すべからず」「ゴミや虫がいるとわかっているマスクは、もはやマスクの体をなしていません」と述べるのは、当然のことだろう。

 しかも海堂氏は、たんに「アベノマスクは絶対に着用すべからず」と勧めただけではない。より重要なのは、どうして安倍政権はこのようなシロモノを平気で国民に送りつけられるのか、その根本的な問題にまで言及していることだ。

〈これは官邸主導、厚生労働省が実行部隊で実施している国策です。国民の健康を考えているとはとても思えません。どうしてそんなことになってしまったかというと安倍政権は経済効率最優先の、新自由主義政策を採っているからです。〉

 つづいて、海堂氏は新自由主義が〈豊かな者はますます富むという格差を広げる政策〉だと喝破し、さらには日本での提唱者が〈パソナグループ取締役会長の竹中平蔵さん〉だとまで触れた上で、〈(中南米などで)とうの昔に破綻した新自由主義政策を持ち出し、もてはやした結果、福祉予算削減によって衛生面が軽視されるようになった。その流れで「ゴミノマスク」や「ムシノマスク」を配布して平然としている政府ができてしまったわけです〉と解説している。

 この指摘は「アベノマスク」のみならず、PCR検査の遅れなどの安倍首相による新型コロナ対応全般にも言えることだ。安倍政権は小泉政権以来の新自由主義路線を推進し福祉や公的医療サービスを縮小させつづけているが、今回、すべてが後手後手になった背景には、この政権に染み付いた社会福祉の軽視があるのは間違いない。

安倍官邸はアベノマスクの異物混入の隠蔽を厚労省に指示! 毎日新聞のスクープがなければそのまま…

 だが、くわえて深刻なのは、安倍政権の“隠蔽体質”だろう。実際、妊婦・介護施設向け布マスクで不良品が見つかった際、その情報を公開するのを安倍官邸が握り潰していたからだ。

 実際、「文藝春秋」7月号に掲載されているノンフィクション作家・森巧氏によるレポートでは、厚労省のマスクチームのメンバーがこう証言している。

「初めは50万枚配った妊婦用のマスクの中から、カビが生えていたり、髪の毛がはいっている不良品が見つかりました。それで『クレームが出ているので注意してください』と市町村に通知し、その上で問題のマスクを回収しようとしました。ところが、官邸から注意通知を撤回しろ、マスクの回収も必要ない、と指示が出たのです」
「実は妊婦用のマスクだけだとしていた不良品は、むしろそれ以外の1億枚の一般布マスクのほうが酷かったんです。それで官邸が、妊婦用マスクを回収すれば1億枚すべてに波及するからやめろ、となったらしい。」

 その後、4月22日になって「アベノマスク」でも不良品が発見されたと厚労省は発表したが、これは前日21日に毎日新聞がネット版記事で、全戸配布用からも虫の混入やカビの付着の問題事例があると厚労省マスクチームの内部文書に記載されているにもかかわらず事実が非公表となっていることを報じたため。つまり、毎日新聞が内部文書をすっぱ抜いていなければ、虫の混入やカビの付着という国民の健康を害する恐れがある問題を隠蔽しつづけた可能性があるのだ。

 国民の安全よりも体面を優先するために情報を隠蔽し、約8億円も検品にかけながらも結局、「ゴミノマスク」「ムシノマスク」を国民に送りつける──。この問題だけでも、安倍首相に新型コロナ対策の陣頭指揮をとらせることがいかに危険か、よくわかるというものだ。

 今回、「アベノマスクは絶対に着用すべからず」と述べた海堂氏も、読者にこう訴えている。

〈くれぐれも、今の安倍政権の健康政策は、うのみにしないように。〉

(水井多賀子)



海堂尊の死ぬまで生きる(5)「アベノマスク」の危険性について(2020年6月16日配信『海堂尊の死ぬまで生きる』)

今回は日本全国民に一世帯あたり2枚配布された布マスク、いわゆる「アベノマスク」について、注意喚起します。

4月1日、安倍首相が誇らしげに発表し、たちまち全世界に大笑いの渦を巻き起こした、いわゆる「アベノマスク」は衛生上、大変不潔なものだという評判が立っていました。

私は東京の中心、千代田区に住んでいて、4月中旬に配布されていましたが、元外科医として清潔という概念を徹底的に教え込まれた身としてはとても使う気にならず、放置していました。

ところが先日、東京在住の知人が「アベノマスク」を携帯電話のカメラで拡大して観察したら、なんとゴミだらけだったという写真を送ってくれました。知人のは「ゴミノマスク」だったわけです(写真1)。それを見てびっくりした私は、我が家の「アベノマスク」を同じように観察してみました。すると我が家の「アベノマスク」には小昆虫らしきものがいました。つまり我が家のアベノマスクは「ムシノマスク」にバージョンだったわけです。(写真2、拡大写真)

キャプチャ2
キャプチャ3

東京都で配布されたマスクのうち、知人と私のマスクが「ゴミノマスク」と「ムシノマスク」だった。「アベノマスク」の不潔さ、恐るべしです。

妊婦に配布する先行マスクでそんな評判が立ち、あわてて厚生労働省は目視で確認し、再配布しているそうですが、私は目視で見過ごしてしまいました。

医療従事者として市民のみなさんに「健康を守るために言えるアドバイス」としては「アベノマスクは絶対に着用すべからず」ということです。医療現場では、清潔を担保できないものは使用しません。一般だからそこまで厳密にしなくてもいいのでは、という考えもありますが、さすがにゴミや虫がいるとわかっているマスクは、もはやマスクの体をなしていません。

これは官邸主導、厚生労働省が実行部隊で実施している国策です。国民の健康を考えているとはとても思えません。どうしてそんなことになってしまったかというと安倍政権は経済効率最優先の、新自由主義政策を採っているからです。いわゆる「アベノミクス」政策は1980年代、中南米を席巻し、人民弾圧に走った軍事政権が採用し、1990年代に一斉に破綻した、亡国の政策です。

アメリカではドナルド・レーガンが採用し、「レーガノミクス」と呼ばれました。主な施策は「(1)福祉予算削減、(2)企業減税、(3)規制緩和」です。ほら、「アベノミクス」そっくりでしょう?

これは一見、自由を尊重する素晴らしい施策に思えますが、豊かな者はますます富むという格差を広げる政策なのです。提唱者はシカゴ大学経済学部のミルトン・フリードマンとアーノルド・ハーバーガーで、その理論を忠実に実施したのが南米チリで展開した「シカゴボーイズ」で、「チリの奇跡」ともてはやされました。軍事クーデターで民主政権を転覆させた独裁者アウグスト・ピノチェト政権が実施したのですが、彼がチリの人民を弾圧した事実は、今では広く世に知られています。米国追随の独裁政権が好んだ政策です。ちなみに日本での主唱者は、小泉政権で経済財政政策担当大臣を務めた、現人材派遣会社パソナグループ取締役会長の竹中平蔵さんです。

つまり半世紀近く後になって、とうの昔に破綻した新自由主義政策を持ち出し、もてはやした結果、福祉予算削減によって衛生面が軽視されるようになった。その流れで「ゴミノマスク」や「ムシノマスク」を配布して平然としている政府ができてしまったわけです。

くれぐれも、今の安倍政権の健康政策は、うのみにしないように。

市民のみなさんに「健康で前向きに生きるのに役立つ身近な情報」として、衛生面で問題のあることがらについての注意喚起と、なぜそんなことになってしまったのか、という歴史的経緯をご説明させていただいた次第です。

◇  ◇  ◇

<近況>

・7月10日、宝島社から「桜宮サーガ」最新作「コロナ黙示録」を刊行します。「コロナが桜宮にやってきた」。執筆開始は4月8日、つまり緊急事態宣言が発出された翌日で、書き上げたのは5月17日、緊急事態宣言が解除された日でした。自粛の巣ごもりの間に一気に書き上げた、「コロナ禍の落とし子」です。今の日本の現状をあますところなく書いていますので、ご一読を。

・7月26日、文藝春秋から「フィデル出陣 ポーラースター」を刊行します。週刊文春で2年弱連載した「フィデル!」に手を入れたものです。ここでも米国の横暴と植民地経済の悲しさを描写していて、現代の日本に相通ずるところがありますのでご一読を。

海堂尊(かいどう・たける)
1961年千葉県生まれ。外科医、病理医を経て、 放射線医学総合研究所・放射線医学病院研究協力員。2006年「チーム・バチスタの栄光」で第4回『このミステリ ーがすごい!』大賞を受賞し作家デビュー。同シリーズが映像化されたほか、18年に『ブラックペアン1988』(講談社)もドラマ化された。キューバ革命の英雄チェ・ゲバラとフィデル・カストロの生涯を描く「ポーラースター」シリーズを執筆中。2019年時点で、累計総部数は1750万部を超えている。






スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ