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岡山空襲の日(6月29日)に合…(2020年6月21日配信『山陽新聞』-「滴一滴」)

 岡山空襲の日(6月29日)に合わせ岡山市のシティミュージアムで「岡山戦災の記録と写真展」が開かれている(7月5日まで)。空襲による惨状や戦時下の生活を伝える展示品の中に大原美術館(倉敷市)の業務日誌がある

▼空襲当日の1945年6月29日「雨 疎開荷を出す予定なりしが雨天の為止む」、同30日「晴時々曇 午後三時五〇分より疎開の絵を送り出す」―。名画を館外へ搬出した記載だ

▼選ばれたのはエル・グレコの「受胎告知」など重要な約70点。当時の武内潔真(きよみ)初代館長がトラックを手配し、岡山市内の旧家の蔵に秘密裏に保管した

▼倉敷市の実業家大原孫三郎が高梁市出身の若き画家児島虎次郎に欧州での作品購入を任せた。虎次郎は1929年に急死するが、その功績を記念して翌30年に開館したのが大原美術館である

▼「日本の画学生のために」という虎次郎の思いを引き継ぐ疎開だった。幸い蔵も美術館も空襲を免れた。疎開作品は終戦の翌年、館に戻って再公開され、戦争で傷ついた人々の心を癒やした

▼戦後75年と開館90年の節目に当たる今年、美術館はコロナ禍への対応と設備改修のため終戦前後以来の長期休館中だ。再開は8月中旬を予定している。先が見通せない我慢の暮らしが続く日々の先に館の存在意義を再認識できる日が来るのが待ち遠しい。




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