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【コロナと留学生】日本人と区別なく支援を(2020年6月22日配信『高知新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの影響でアルバイト収入が激減して困窮している学生は日本人、外国人留学生を問わず少なくない。

 学生支援へ向けた政府の「初動」は必ずしも素早くはなかったが、困っている学生を支えるために現金給付を決めたのは評価したい。

 問題はその支給条件だ。

 文部科学省は外国人留学生に「成績上位3割」程度を対象とする要件を設けた。しかし、日本人の学生にはそうした条件はない。留学生の差別的な扱いに反対する署名を大学教員らが文科省に提出するなど運動が広がっている。

 コロナ禍で生活が困窮している学生を支援する目的の現金給付だ。留学生だけなぜ成績要件を加える必要があるのか理解できない。

 日本人、留学生の区別なく、支援を求めている学生を可能な限り幅広くサポートすべきだ。

 政府が設けた現金給付は、国公私立の大学や大学院、短大、高等専門学校、専門学校、日本語教育機関の学生らで留学生を含めて対象は計約43万人を想定している。

 全体として「アルバイト収入の減少」といった要件があるが、世帯の所得上限や本人の年齢要件はない。1人当たりの給付額は住民税非課税世帯20万円、それ以外は10万円だ。

 留学生に限って成績要件を設けた理由を文科省は「いずれ母国に帰る留学生が多い中、日本に将来貢献するような有為な人材に限る要件を定めた」と説明する。

 だが、この理由に説得力はない。

 成績だけで「有為な人材」とどうして決めることができるのか。目的意識やチャレンジ精神を持って日本に来た留学生の中には、経済的事情から働きながら通学せざるを得ない学生も少なくない。

 留学生政策に詳しい大学教員によると、近年急増しているのはベトナムやネパールなど比較的貧しい国の出身者だという。そうした学生の多くが生活費などをバイトで賄っており、収入が激減した春先から深刻な状況に陥っている。

 コロナ禍の前から生活費確保に時間を取られて、素質や能力はあっても成績が伸び悩んでいる学生も少なくないだろう。成績要件はそうした「苦学生」を切り捨ててしまう。

 政府は留学生受け入れを政策として進めてきた。国内全体で30万人とした目標を昨年度突破した。国を挙げて受け入れてきた留学生を大事にしなければ国際的な信頼を失う。

 そもそも日本人を含めた学生の生活支援策はこれで十分だろうか。10万~20万円が給付されるのは、政府の想定で全体の学生の1割強にすぎない。

 コロナ第2波の懸念もあり、経済活動の本格的な再開は見通せていない。仕事を失った学生は日本人、留学生を問わず少なくないはずだ。

 そうした学生を支えるのに今回の現金給付はあまりにも少ない。留学生の成績要件の撤回とともに困窮学生への継続的な支援を求めたい。




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