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10万円給付金で膨らむ預金 困惑するメガバンク(2020年6月26日配信『日本経済新聞』)

「10万円給付金」で銀行預金が増えている

新型コロナウイルスの経済対策で1人一律10万円を給付する「特別定額給付金」の振り込みがようやく進んできたが、これに困惑しているのが銀行だ。「先行きが不透明だからか10万円が消費に回らず、預金が急増している」(首都圏の地域金融機関幹部)ためだ。

5月の国内銀行の預金残高は772兆円と前年同月に比べ6.2%増えた。メガバンクなど大手行に限れば8.2%の大幅増だ。信金と銀行を合わせた貸出金残高の伸び(4.8%増)を上回っており、預金に対する貸出金の割合を示す預貸率を引き下げている。

総務省によると「10万円給付金」では、すでに8兆円近くが世帯に配られた。振り込みが本格化した6月に預金はさらに増える可能性がある。

三菱UFJ銀行など大手行は4月に足並みをそろえて定期預金の金利を4年ぶりに引き下げたばかり。それでも押し寄せる預金に、あるメガバンク行員は「預金はもういらない」と漏らす。

銀行にとって給付金が「ありがたくない」存在になった大きな理由は、日銀の当座預金の一部にかかるマイナス金利だ。民間の金融機関は日銀に開く当座預金にお金を預ける。そこに適用される金利は預ける残高が多いほど低くなる3層構造になっており、それぞれプラス0.1%、ゼロ%、マイナス0.1%の金利が適用される。

業態別で見ると、信託銀行や地方銀行などはマイナス金利が適用されている。大手行は2016年6月以降はマイナス金利になっていないものの、ゼロ%が適用される当座預金が今年2月までは上限値の99%に接近していた、マイナス金利を避けようと、ギリギリのやりくりをしてきたことがうかがえる。

新型コロナで苦しむ企業の資金繰りを支える金融機関の支援策として、日銀は3月から企業の貸し出し原資をゼロ金利で金融機関に供給する新たな手段を始めた。

通常、金融機関が企業に融資すると、そのお金は企業の当座預金に入る。銀行にとって融資増は預金増でもある。日銀は貸出金の増加がマイナス金利という「ペナルティー」につながらないよう、新しい資金供給を利用して得た残高の2倍を当座預金でゼロ%に適用。銀行がマイナス金利の適用を回避しやすくした。これにより、ゼロ金利が適用される大手行の当座預金は5月時点では上限値の90%まで下がっている。

それでも、この支援策は2021年3月には終了するため、給付金など増え続ける預金でマイナス金利が適用されるようになる懸念はぬぐえない。預金口座の維持手数料も導入機運がくすぶるものの、景気悪化局面で導入するのは難しい。

日銀は資金繰りを支える金融機関への支援策の期限を1度延長しており、再び延長する可能性もあるが、金融機関からは「マイナス金利そのものをやめてほしい」との声が聞こえてくる。




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