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「8050問題」(2019年6月20日配信『デイリー東北』)

 引きこもりの子供が50代、親が80代で困窮する「8050問題」が深刻化している。

 生活の問題に加え、引きこもり状態だった51歳の容疑者による川崎市の児童ら殺傷事件が起き、引きこもりの当事者と家族に「犯罪の予備軍」視される恐怖と不安が広がっている。

 問題を冷静に検討し、官民協働で対策に取り組むべきだ。

 内閣府は3月、引きこもりの中高年(40~64歳)は全国で推計61万3千人いる、と調査結果を公表した。若年層(15~39歳)の約54万人を上回っている。

 引きこもりの定義は「自室からほとんど出ない」から「ふだんは自宅にいるが、近所のコンビニなどには出かける」などの状態が半年以上続いているとされる。

 引きこもりになったきっかけは、「退職したこと」が36%で最多だった。就労に挫折したことが大きな原因だと見て取れる。

 バブル経済崩壊後の10年余りの時期に学校を卒業した30代半ばから40代後半は、就職氷河期世代と呼ばれる。

 就職できない人や、アルバイトなど不安定な非正規雇用で働かざるを得ない人がほかの世代より多く、この問題の背景になっている。

 引きこもりと犯罪が問題になったのは2000年の新潟県柏崎市の少女監禁事件と西鉄バスジャック事件が最初だ。いずれも引きこもり状態だった男が起こした。

 しかし、それ以降、今回の殺傷事件まで大きな事件は起きていない。

 専門家は「引きこもり当事者が犯罪に走ることはまれだ」と指摘する。「犯罪の予備軍」などというのは、全く的外れであることは言うまでもない。

 引きこもり問題に取り組んでいる精神科医や臨床心理士、家族会は「就労がうまくいかないなど当事者は自分を価値のない人間と思い込んでいる」と分析している。単に外に連れ出すだけでは解決にならない。

 中高年は就労も難しくなる。当事者の話を聞き、その人の状況や特性にあった支援策が必要だ。当事者が声を出せない場合もある。

 訪問支援や孤立する家族を支える家族会活動、居場所づくりなどさまざまな対策が求められており、各地で活動が始まっている。

 厚生労働省も09年度から都道府県や政令市に「ひきこもり地域支援センター」を75カ所設置した。民間のサポート団体と一層連携を深め、誰もが安心して暮らせる社会を実現したい。




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