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改憲CM規制は紳士協定で(2020年6月28日配信『日本経済新聞』-「社説」)

 憲法改正の際に実施する国民投票の手続きを定めた法律の改正案は、今月閉幕した通常国会でも成立に至らなかった。2018年の国会提出以来、2年たっても与野党が合意できずにいるのは好ましいことではない。

 自民、公明両党などが作成した国民投票法改正案は期日前投票の要件緩和などが柱だ。同趣旨の改正がなされた公職選挙法と仕組みをそろえるためで、この変更には野党も原則賛成している。

 では、なぜ立憲民主党などは法案審議に応じないのか。「自民党が資金力にものをいわせて、改憲賛成のテレビCMを大量に流すおそれがある。CM規制の厳格化と一体で改正すべきだ」というのが言い分である。

 いまの国民投票法はテレビCMについて「投票日の2週間前から放送禁止」としか定めていない。それまでテレビが改憲賛成のCM一色になれば、国民が冷静に判断できなくなるのではないか。そうした懸念には一理ある。

 他方、憲法が定める表現の自由への制限は極力避けるべきだ。テレビCMを規制するにしても、流す時間帯で視聴率は異なり、放映回数や長さだけ決めても効果は明確ではない。法的な規制にはなじまない課題である。

 考えられる一つの方法は、改憲に熱心な自民党が「テレビCMを集中豪雨的に流すことはしない」と公約することだ。主要政党は昨年の参院選でもCMを流したが、多すぎた印象はない。同程度ならば許容範囲内だろう。

 さらによいのは、与野党が「過剰な宣伝はしない」との紳士協定を結ぶことだ。先ごろ、公明党がCM規制に関する与野党協議の場を設けることを呼びかけた。ぜひ実現させてほしい。自民党もこれを拒めば、「やはり大量CM作戦を考えている」との疑念を抱かれてもしかたない。

 改憲の是非は、何をどう改正したいのかなどの中身の論議で決めるべきだ。手続き論争にそろそろ終止符を打ってもらいたい。




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