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「すべての女性」輝けるか 政府の女性活躍「重点方針」 問われる実効性(2020年7月2日配信『東京新聞』)

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「すべての女性が輝く社会づくり本部」の会合であいさつする安倍首相(右から2人目)。左端は橋本女性活躍相=1日午前、首相官邸

 政府が1日に決定した女性活躍の重点方針には「すべての女性が輝く」ための対策が並んだ。新型コロナウイルス感染拡大で暮らしが厳しさを増すひとり親世帯向けには、養育費の不払い解消に向けた法改正の検討を明記。女性登用や女性への暴力根絶に向けた取り組みも盛り込まれた。ただ、手付かずの課題が多く、今後の実効性が問われる内容だ。

◆離婚した父親の「逃げ得」を防ぐ

 「コロナの影響で収入が減り、食事を2日に1回にしている人もいる」

 ひとり親を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長は深刻な状況に触れ、不払い解消に期待を寄せる。厚生労働省の2016年調査では、ひとり親世帯の貧困率は50%を超えている。同省の別の調査では離婚した父親から養育費を受け取っている母子世帯は25%に満たない。

 「逃げ得」を防ぐため、政府内では複数の法改正案が浮上している。養育費の取り決めを協議離婚の成立要件にすることを検討。行政による養育費の一時立て替えや、給与天引きによる代理強制徴収も候補に挙がる。先行例として、兵庫県明石市は今月、全国初となる不払い養育費を5万円まで一時立て替える独自制度を導入する。

◆支払い逃れを助長する懸念も

 ただ、養育費を取り決めているのは、厚労省によると、母子世帯の4割程度にとどまる。相手に支払う意思や能力がないと判断する場合や、ドメスティックバイオレンス(DV)が起きている例もある。赤石氏は「取り決めが容易でないとの認識で法改正をしないと、当事者の負担が増えかねない」と話す。

 早稲田大法学学術院の棚村政行教授(家族法)は「立て替えは早期支援につながるが、行政の財政負担が増え、支払い逃れを助長する懸念もある。強制徴収は、事前の取り決めや相手の支払い能力がないと実効性がない」とみる。

 養育費の低さも課題だ。最高裁司法研修所は昨年、16年ぶりに養育費の目安となる「算定表」を改定した。14歳の子ども1人で養育費を払う親の給与収入が年500万円、受け取る親が同200万円の場合、目安は月4万~6万円。ひとり親世帯の生活実態に合わないとの指摘は絶えない。

◆「20年に30%」困難 DV被害者支援も脆弱

 課題が残るのは養育費だけではない。安倍晋三首相は1日、「この7年間で新たに330万人を超える女性が就業し、上場企業の女性役員も3倍以上に増加した」と誇った。だが、20年に指導的地位の女性割合を30%にする政府目標は達成が困難な情勢だ。
 内閣府によると、19年の上場企業の女性役員の割合は5・2%、省庁の課長級は5・3%にとどまる。重点方針は企業や自治体への働き掛け強化を掲げたが新たな施策はなかった。

 コロナ禍で在宅時間が長くなり、増加が懸念されるDVの被害者支援も万全ではない。重点方針は、既に実施している24時間体制の電話相談や、メール相談の継続を明記したが、その先の支援は脆弱だ。被害者らを中長期的に受け入れる官民運営の「婦人保護施設」は、コロナ対策で医療・介護従事者らに支給される国の慰労金の対象外だ。

 全国婦人保護施設等連絡協議会の横田千代子会長は「職員の処遇改善や人員拡充が進んでいない。相談の間口を広げるだけでは寄り添えない」と指摘した。




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