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レジ袋有料化 生活様式を見直す転機に(2020年7月3日配信『熊本日日新聞』-「社説」)

 コンビニやスーパーなどで買い物時に配布されるプラスチック製レジ袋の無料配布が、1日から全国一律で禁じられ、1枚1円以上の有料とすることが義務付けられた。消費者の負担は増すが、ごみとして廃棄される量を減らすのが狙いだ。

 レジ袋などのプラスチックごみは世界的な海洋汚染を引き起こす要因となっている。削減に向けて舵[かじ]を切るのは当然だ。消費者も生活様式を見直す転機としたい。

 これまでレジ袋の削減についてはスーパー業界でマイバッグの持参を呼び掛ける動きが見られたほか、自治体レベルによる取り組みが先行してきた。

 県内では熊本市でいち早く2009年から協議会方式で有料化がスタート。年間約3千万枚のレジ袋削減につなげているという。今回の新制度で、さらに「買い物時にはマイバッグ持参」という行動が促されるのを期待したい。

 ただ厚さ0・05ミリ以上の袋や、植物由来のバイオマス素材の配合率が25%以上の袋などは有料化の例外とされた。このため1日以降もバイオマス素材を含むレジ袋などを無料配布する店舗も少なくないようだ。有料、無料の素材を見分けるのは難しく、専門家の間には環境負荷削減の徹底などの観点から例外措置に批判の声もある。

 今回、政府がレジ袋有料化に踏み切ったのは、プラスチックごみによる海洋汚染の深刻化が進んでいるためだ。国連環境計画(UNEP)などによると、プラごみは年800万トン以上が海に流出。それらは分解されることなく生態系に被害を与え、微粒子状の「マイクロプラスチック」が魚介類の体内から見つかるといった報告も寄せられている。

 国際社会の危機感が増す中、日本の対策は遅れているとの声が強かった。英国やオランダなどでは既に有料化。フランスのように使用自体を禁止した国や加えて罰金を科す国も少なくない。

 日本国内で排出されるプラスチック容器やポリ袋などのプラごみは年間約900万トンに上る。国民1人当たりのプラごみの量は、米国に次ぐ2番目の多さだ。

 ただレジ袋はほんの一部で、全体の2%にすぎないとの試算もある。一方で毎年約20億本が回収されずにいるペットボトル、食品包装容器などを減らす方策は十分と言えない。

 日本のプラごみの7割近くは焼却され、リサイクル目的で回収されたプラごみの多くも海外に輸出されている。地球温暖化対策の観点から欧州連合(EU)などは安易な焼却を見直す方向に動いているという。海外への輸出にも厳しい視線が向けられる中、日本のプラごみ対策は行き詰まりを来している。

 ペットボトルから瓶・缶への置き換え、過剰包装の改善など取り組むべき課題はまだまだある。レジ袋有料化は小さな一歩にすぎない。行政と業者、消費者が協力して抜本的なプラごみ対策に取り組むべきだ。




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Author:gogotamu2019
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