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<視点>コロナ禍で生活保護を正しく活用するために 上坂修子(2020年7月3日配信『東京新聞』)

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上坂修子編集委員

 「一部の政党が生活保護に対して攻撃的な言辞げんじを弄ろうしているという趣旨のお話をされたんですが、もちろんそれは自民党ではないということは確認しておきたいと思いますが…」(安倍晋三首相)

 「自民党の議員何人もがバッシングやってるんですよ」(共産党の田村智子参院議員)

 耳を疑った。6月中旬の参院決算委員会での首相答弁だ。とぼけているのか。わずか8年前のことを忘れたのか。

 私はあの騒動を鮮明に覚えている。2012年、人気お笑い芸人の母親が生活保護を受けており「売れっ子なのに母親の扶養義務を果たしていない」と週刊誌が報じた。自民党の片山さつき、世耕弘成の両参院議員が「不正受給の疑い」などと批判し騒動が拡大。同芸人は謝罪、保護費の一部返納に追い込まれた。

 だが、このお笑い芸人のケースは違法ではなかった。生活保護法は「(親族による)扶養は保護に優先する」とするが、扶養能力があろうとも扶養を強制してはいない。

 「生活保護バッシング」を背景に、自民党は同年12月の衆院選で生活保護の支給水準原則1割カットを公約し、大勝。政権に復帰した。

 翌月には戦後最大とも言われる生活保護基準の引き下げが決まった。保護のうち食費などの生活費に充てる生活扶助費を最大10%カットするという、自民公約に沿ったものだった。私は当時、厚生労働省担当として取材をしていたが、その決定過程が不透明で同省から十分な説明も得られず、憤りを覚えていた。

 バッシングの後遺症は今も残る。全国の弁護士らが6月初めに実施した電話相談会には、コロナ禍で経済的に困窮する多くの人から相談が寄せられた。中には「生活保護はいや」「母親が拒否感を持っている」など生活保護の利用に抵抗を示す声があった。

 6月25日には、全国約1000人の受給者が国などに生活保護の引き下げ取り消しを求めた集団訴訟の初判決が名古屋地裁であり、同地裁は引き下げを決めた厚労相の判断に「過誤、欠落」はなかったとし、原告の請求を棄却した。

 判決は引き下げが「自民党の政策の影響を受けた可能性を否定することはできない」と言及するが、生活保護基準の見直しは客観的な統計や専門的知見に基づいて決められるべきものだ。原告側は「受給者の現状を無視した判決」として控訴する方針。

 日本国憲法は25条で「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とうたう。日本でも生活保護の利用は権利なのだ。ためらいなく使える制度にしたい。

 コロナ禍で「最後の安全網」を十分に活用するために、政府はさらなる支給要件の緩和や審査の簡略化に取り組むとともに、忌避感を払拭ふっしょくするために積極的な利用を呼びかけるべきだ。 



生活保護は権利です(2020年6月16日配信『しんぶん赤旗』)
“申請ためらわないで” 田村副委員長に首相明言
非正規への休業手当 徹底迫る

参院決算委

 日本共産党の田村智子副委員長は15日の参院決算委員会で、新型コロナウイルスのもとで横行する“非正規切り”や生活保護申請への不適切な対応の実態を示し、非正規雇用への休業手当の支払いの徹底や生活保護の積極的活用を促すよう求めました。

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質問する田村智子副委員長=15日、参院決算委

 田村氏は、コロナ禍での生活困窮者への支援について、生活保護を申請させない“水際作戦”が多くの自治体で見られると指摘。ドイツでは、政府が「誰一人として、最低生活以下に陥ることがあってはならない」と呼びかけていることを紹介、安倍晋三首相に対し「『生活保護はあなたの権利だ』と政府が国民に向けて広報するときだ」と迫りました。

 安倍首相は「文化的な生活をおくる権利があるので、ためらわずに(生活保護を)申請してほしい。われわれもさまざまな機関を活用して国民に働きかけていきたい」と明言しました。

 また田村氏は、政府の諮問会議のメンバーの竹中平蔵氏がツイッターで「休業者が652万人。潜在失業率は11%になる。政府が雇用調整助成金を出し、雇用を繋(つな)ぎ止めるからだ」などと政府の雇用対策に異議を唱えていることを批判。「雇用調整助成金を活用し、雇用を守ることは当然だ」として、「休業者が失業者になるかの瀬戸際に、政府が経済界に雇用を守ってほしいと強力に要請すべきだ」と迫りました。

 安倍首相は「雇用を守っていくことが政治の最大の責任だ」と答弁。田村氏が、第2次補正予算での雇用調整助成金の休業手当の上限の引き上げなどをあげ、「国がかつてない支援をするということか」と確認を求めると、安倍首相は「売り上げがゼロ近くなっているところでも雇用を維持していくよう、今までにない対策をとっている」と答えました。

 田村氏は、契約更新を繰り返して働く派遣社員の実態も示し、「派遣会社は雇用契約がないからと休業手当も払わず、収入が絶たれるおそれが高い」と指摘し、政府の対応をただしました。

 加藤勝信厚労相は「(派遣事業者団体への要請で)雇用を継続し、雇用調整助成金の活用で休業手当の支給をはかってほしいと述べた。引き続き安心して雇用が維持できる関係をつくっていきたい」と答えました。



雇い止め・生活困窮 田村副委員長の質問(2020年6月16日配信『しんぶん赤旗』)

参院決算委

 日本共産党の田村智子副委員長は15日の参院決算委員会で、新型コロナウイルスの影響で広がる解雇・雇い止めや生活困窮への政府の対応を正面からただしました。

田村氏「雇調金・支援金周知を」
首相「活用して雇用守ってほしい


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質問する田村智子副委員長(右)=15日、参院決算委

 田村氏は、「新型コロナウイルスの影響で解雇・雇い止めが増え続けており、どうやって雇用を守るのかが切迫して問われている」と指摘。「4月の休業者652万人が失業者に転じてしまうのか、契約社員・派遣社員が大勢切られてしまうのかの瀬戸際にある。首相が経済界に雇用を守るよう強力に要請するべきだ」と迫りました。

 安倍晋三首相は「雇用を守ることが政治の最大の責任だ。雇用調整助成金(雇調金)等を活用して雇用を守ってほしいとお願いし、労働者が申請できる新たな制度(休業支援金)もつくった。多くの人に利用してもらいたい」と答えました。

 政府は第2次補正予算で、雇調金の月額上限を33万円に引き上げ、事業主から休業手当の支払いを受けられない中小企業の労働者に賃金の8割(月最大33万円)を給付する休業支援金を新設しました。

 田村氏は、月ごとに勤務時間や日数が決まるシフト制のアルバイトも支援金の対象になるか確認。厚生労働省の小林洋司職業安定局長は「対象になる」と述べました。

 田村氏は、3カ月などの短期契約を繰り返して働く派遣労働者についても、雇調金や支援金の対象から漏れることがあってはならないと強調。6月末に契約更新を迎える派遣労働者が多く、「契約が更新されず、次の派遣先がない場合、派遣会社は雇用契約がないからと休業手当も払わず、収入が絶たれる恐れが強い」として、「国会を延長し、雇調金や支援金の活用状況や派遣・契約社員の雇用実態をつかみ、議論するべきだ」と迫りました。

 加藤勝信厚労相は、5月末に派遣の業界団体に対し、派遣先企業への契約継続の働きかけや、派遣元が雇用を継続し雇調金等を活用することなどを要請したと説明。「労働局で雇調金を使うよう働きかけた結果、(雇用を)継続する考えを示したところもある。そうした方向が広がるよう努力したい」と応じました。

 田村氏は「派遣会社への通知だけでなく、労働者に対しても『辞めさせられない道がある』『休業手当を受け取る権利がある』と知らせてほしい」と強く求めました。

田村氏「生活保護は権利と呼びかけを」
首相「文化的な生活送る権利ある。ためらわず申請を」


 「“生活保護はあなたの権利です”と、この場で呼びかけてほしい」―。コロナ禍で生活困窮に陥った人が、生活保護申請を諦めることがないよう迫った田村氏に、与党席からも拍手が起きました。安倍首相は「文化的な生活を送る権利がある。ためらわずに申請していただきたい」と答弁しました。

 「所持金40円」「住むところもない」―。貧困問題にとりくむ団体の支援活動に、SOSが相次いでいます。

 「リーマン・ショック等の経験を踏まえても住居の確保は非常に大事。しっかりと応援していく」と述べた加藤厚労相に対し、田村氏は、住まいを失った人に劣悪な無料低額宿泊所への入居を強制するなど自治体での不適切な対応が多発していると指摘。まず公営住宅など安全な住居の確保が必要だと求めました。

 さらに、生活保護を申請させない“水際作戦”も相次いでいると指摘。収入が激減した漁業者が「漁船を売れば20万円になる。生活保護は無理」と言われた事例や「自宅を売れば生活できる」と追い返された事例を示し、「住まいや働くすべを失わせるのが保護行政なのか。コロナの影響から少しでも早く立ち直るために、自立のための能力をそぐような対応は改めるべきだ」と迫りました。

 加藤厚労相は、自立を助ける観点から、家屋や通勤用自動車など「適切に活用できる資産は保有を認めている」として、柔軟な対応を徹底すると述べました。

 田村氏は、保護申請者を厄介者扱いする対応の根っこには、行政が「生活保護は権利」の認識を養わないどころか、一部政党が侮蔑や敵意をあおってきたことがあると指摘。ドイツでは「誰一人として、最低生活以下に陥ることがあってはならない」と、新型コロナ対応で120万人の生活保護利用を見込んでいると述べ、「生活保護は権利だと呼びかけてほしい」と求めました。

 安倍首相は「生活保護に攻撃的な言質をろうしているのは、自民党ではない」などと答弁。田村氏は、民主党政権時代に生活保護受給者を増やした際、攻撃したのが自民党だったと指摘しました。

 田村氏は、長野県ではパンフレットで「生活が立ち行かなくなることは、誰にでも起こりうること」「憲法第25条の生存権の理念に基づく最後のセーフティネットが生活保護」などと分かりやすく市民に伝えていると紹介。「生活保護はあなたの権利、ためらわず申請してほしいと政府が国民に広報を」と重ねて求めました。安倍首相は「文化的な生活を送る権利がある」「さまざまな手段を活用して働きかけを行う」と述べました。













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