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ポイント還元 巨額対策の効果見えぬ(2020年7月7日配信『北海道新聞』-「社説」)

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 消費税増税に合わせて昨年10月に導入したキャッシュレス決済のポイント還元事業が終了した。

 増税後の景気下支えに加え、中小店支援、キャッシュレスの推進という「三兎(と)」を追うような政策だったが、効果には疑問符が付く。

 増税直後の昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比7・2%減と、前回増税時に匹敵する落ち込みだった。

 生活必需品を買う決済手段が現金から置き換わったのが中心で、新たな消費を喚起する効果は乏しかったとの見方が強い。

 そのうえコロナ禍で冷え込んだ消費意欲が、還元事業の終了により一段と低下する恐れもある。

 増税幅を上回る高還元率で7753億円の政府予算を投じた政策が、巨額のばらまきに終わったのではないか。政府はその効果やキャッシュレス化の課題を検証し、今後の施策に反映させるべきだ。

 この事業の参加店は道内5万4千店を含む115万店と、対象となりうる中小店の半数を超えた。

 ただ、このうち還元事業を機にキャッシュレス決済を導入した店は3割に満たず、多くは何らかの手段を導入済みだったという。

 昨年の国内決済に占めるキャッシュレス比率は過去最高の26・8%となったが、伸び率は前年並みにとどまった。これではキャッシュレス化を加速する効果も限定的だったと言われても仕方ない。

 政府は2025年に同比率40%の目標を掲げるが、失速する懸念も拭えない。最大のネックは加盟店が決済ごとに支払う手数料だ。

 一般に中小店向けの手数料は購入額の5~7%とされ、1~3%程度の米国などに比べ高い。

 還元事業では国が3・25%以下に抑え、一部を補助したが、それもなくなる。政府は今後も決済事業者に手数料開示を求めて競争を促す考えだが、引き上げの動きが出ている。中小店には死活問題だ。

 今回は参加店が都市部や訪日客が多い地域に集中した上、現金以外の決済に不慣れな高齢者も多く、地域や世代で恩恵に差も出た。

 一方で、現金や店員との接触を減らす決済への新たなニーズがコロナ禍で生まれた。政府は中小店が導入しやすい環境づくりに加え、高齢者らにも寄り添った普及策を急ぐ必要がある。

 9月にはマイナンバーカード保有者を対象にしたキャッシュレス決済のポイント還元が始まる。今回浮かんだ問題点を放置し、効果が怪しい大盤振る舞いを繰り返すことは避けなければならない。








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Author:gogotamu2019
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