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米軍でコロナ61人 全ての基地を封鎖せよ(2020年7月12日配信『琉球新報』-「社説」)


 在沖米軍基地で7月7~11日に新型コロナウイルスの感染者が61人に上っている。前日の16人から11日は45人と約3倍に感染した。県は米軍普天間飛行場とキャンプ・ハンセンでクラスターが発生したとみている。

 問題は当事者である米軍が感染者の行動履歴やプロフィル、感染者や濃厚接触者の措置状況などを明らかにしないことだ。これらは感染拡大防止に不可欠な情報で、県民の命と健康に関わる問題だ。

 日米には感染症発生などの場合に米軍と県が情報交換するという覚書がある。にもかかわらず、必要最低限の情報すら出さないなら、全ての在沖米軍基地をロックダウン(封鎖)して米軍関係者の移動を止めるべきだ。県民を感染から守るにはそれしかない。

 日本では新型コロナの感染者が出た場合、都道府県がその当日に患者のプロフィルと行動履歴、感染経路、検査に至った経緯―などを公表する。そこから濃厚接触者を特定するなど疫学調査を行い、防止策につなげる。

 米国は感染者が300万人台で世界でも群を抜いて多く、各地で米軍関係者の感染者が相次いでいる。しかし米国防総省は3月、軍の運用能力を推測されないためとして、基地や部隊ごとのコロナ感染者数などの情報を発表しない方針を示した。

 日米が2013年に交わした覚書では、感染症などが判明した場合、海軍病院と地元の保健所で相互に通報することが定められている。しかし、県によると、感染者に関して全ての情報を得ているわけではないという。米軍が軍の運用を優先し、地域社会に情報を適切に開示しないのは、県民の命と健康を軽んじていると言わざるを得ない。

 夏の異動時期で多くの米軍関係者が来沖している。民間機で那覇空港を利用する人も多い。米海兵隊は海外から来た人は14日間の隔離措置を取っていると説明するが、その取り組みが徹底されているかどうか基地外から検証するすべはない。

 実際に独立記念日などに大勢が密集して騒いでいる様子が各地で目撃されており、日本人も参加していた。さらに米軍は地元に説明もせず基地外の民間ホテルを隔離施設にしており、地域の不安を生んでいる。

 米軍は両基地をロックダウンしたとしているが、コロナは嘉手納など別基地でも発生している。ロックダウンの対象は全基地だ。県は空港でのPCR検査を米軍関係者を含む来県者全員に実施するなど水際での発見に全力を尽くすべきだ。

 3月に嘉手納基地で3人が感染して以降、米軍は感染拡大を阻止できず、日本政府は米軍の方針を追認するのみだ。今、ここにある危機を招いたのは日米両政府の責任だ。日米はただちに情報の公開と疫学調査を実施し、感染を防がなければならない。



[米軍基地60人超感染]封鎖しても不安消えぬ(2020年7月12日配信『沖縄タイムス』-「社説」)

 在沖米軍基地で、米軍関係者45人が新型コロナウイルスに新たに感染していたことが分かった。7日以降10日までに判明した分を含めると、普天間飛行場で38人、キャンプ・ハンセンで23人の感染が確認された。県が発表した。

 玉城デニー知事は在沖米軍トップへ「衝撃を受けた。極めて遺憾」と伝え、普天間飛行場とキャンプ・ハンセンの閉鎖や、米本国から沖縄への移動中止などを求めた。

 基地のロックダウンは当然だ。ただ、それだけでは県民の不安は解消されない。

 県民の命にかかわる問題にもかかわらず、この間、米軍から必要な情報が示されないのは異常とも言える。しかも公表を避ける合理的な理由の説明もない。

 県内の米軍基地内では多くの日本人が従業員として働く。感染者や濃厚接触者が基地の外に出て、飲食や買い物をしていた可能性もある。

 米軍は感染者の所属や基地外での行動歴、症状の有無や有症者の程度、住居は基地内か民間地か、濃厚接触者の人数、どのような感染防止策を講じてきたのか、基地内の医療機関で対応可能なのかも示してもらいたい。

 県も、得られた情報を全て明らかにすべきだ。「米軍の意向に反して公表すれば情報がもらえなくなる可能性がある」との理由で、この数日、感染者数を明らかにしなかった。

 感染拡大を防ぐには沖縄と米軍の関係機関が情報を共有し、それぞれの役割を担う必要がある。その役割の中には地元の不安解消も含まれる。

■    ■

 県議会は10日、感染防止対策の徹底や情報開示などを求める意見書と決議を全会一致で可決した。通常は所管の委員会に付託して審査するが、今回は各派代表者の合意をもって本会議へ臨む異例の過程をたどった。

 在沖米軍基地では、これまでも感染が確認されている。3月下旬に嘉手納基地で兵士2人と家族1人、今月2日には、うるま市のキャンプ・マクトリアスの海兵隊員家族1人の感染が判明した。続いて今回の普天間とキャンプ・ハンセンでの感染だ。

 北谷町の民間ホテルを海兵隊が借り上げ、異動者らの隔離措置に使用していることも分かった。

 いずれも県民は十分な情報を得ていない。米軍にその提供を強く求めていない日本政府に対しても県民の不信は高まっており、県議会のスピード可決は双方への意思表示でもある。

■    ■

 東京では3日連続して新規感染者が200人を超えた。菅義偉官房長官は北海道での講演で「この問題は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではない」と述べた。

 しかし、沖縄では極めて「基地問題」だ。必要な情報が届けられず米軍基地がブラックボックス化しているからだ。

 世界最大の感染国である米国は、原則として入国拒否の対象だ。にもかかわらず米軍基地を経由した入国は自由で日本の検疫が及ばない。

 政府はこれらをどう考え、どう対策を取るのか、国会の場で示してほしい。



「正式に報告を受けていないから」気色ばむ玉城知事 米軍クラスター会見 感染者数の公表巡り報道陣と応酬(2020年7月12日配信『沖縄タイムス』)

 米軍普天間飛行場とキャンプ・ハンセンでの新型コロナウイルスの集団感染が発覚した11日、沖縄県の記者会見は非公表とされた感染者数を求める報道陣と、応じない県の応酬が繰り返された。会見の約3時間後。米軍とのやりとりを通じてようやく公表できることになった後、県幹部は「ほっとした。ほっとしたというのもおかしいが」と内心を吐露した。

米軍関係者に多数の感染者が出たと発表する玉城デニー知事=11日午後、県庁

 「正式に報告を受けていないからです」。感染者数を非公表とする理由を問われた玉城デニー知事が気色ばんで繰り返した。

 「クラスターが起きている」「衝撃を受けた」「強い危機感」。知事は基地内の「多数」の感染発覚を発表するコメントで事態の深刻さをにおわせた。肝心の具体的な人数は「米軍には数は公表しないという取り決めがある」と伏せ続けた。

 知事の退出後の事務方の説明でも、質問は非公表の理由に集中した。「県の責任として米軍の要請を振り切ってでも数字を言えないか」。迫る報道陣に、大城玲子保健医療部長は「公表したいのはもちろんだが、できない」「くみ取っていただきたい」と苦しい回答に終始した。

 事態が動いたのは、会見終了から約3時間後の午後9時。玉城知事との電話会談で、クラーディー四軍調整官が「県が公表することを妨げない」と発言したことをきっかけに、県は人数の公表を決めた。公表後の取材で、大城部長は「情報を出してしまって次から情報がなくなってしまったらという心配もあった」と内心を語った。



沖縄米軍、新たに1人コロナ感染 7日以降62人目 キンザーにも拡大【7月12日午後】(2020年7月12日配信『琉球新報』)

 沖縄県は12日午後、米海兵隊の牧港補給地区(キャンプ・キンザー)=浦添市=で米軍関係者1人の感染報告が米側からあったと発表した。これで7日から12日までの米軍関係者の感染者数は62人となった。キンザーでの発生は初めて。

 また、11日夜に発表した7~11日までの普天間飛行場(宜野湾市)の感染者数38人は39人に、キャンプ・ハンセン(金武町など)の23人は22人の修正の連絡があったとした。

 12日に実施した30人のPCR行政検査に、キャンプ・フォスターに勤務する日本人基地従業員2人が含まれていたが、いずれも陰性だった。県によると、2人はキャンプ・ハンセンとの関わりもあったとみられる。

 県内の米軍関係では、3月に嘉手納基地で3人、7月1日にうるま市のキャンプ・マクトリアスで1人の感染が確認されており、累計感染者数は66人となった。



沖縄米軍61人感染、クラスター発生 普天間とハンセン「ロックダウン」(2020年7月12日配信『琉球新報』)

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米軍基地内での感染者大量発生や県の方針について会見で説明する玉城デニー知事=11日午後5時すぎ、県庁

 米軍普天間飛行場とキャンプ・ハンセンで、7日から11日までに61人の米軍関係者が新型コロナウイルスに感染していることが分かった。県の発表によると、10日までに16人が感染し、11日には新たに普天間飛行場で32人、キャンプ・ハンセンで13人の計45人と急増した。ステーシー・クラーディー在沖米四軍調整官は玉城デニー知事との電話会談で「普天間飛行場とキャンプ・ハンセンをロックダウン(封鎖)している」と明らかにした。玉城知事は同日の会見で「衝撃を受けている。米軍関係者の感染が短期間で多数発生したことは極めて遺憾。これまでの米軍の感染防止策に強い疑念を抱かざるを得ない」と不信感をあらわにした。
県が一転、人数を発表

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 県によると米軍側は感染者を全て基地内で隔離しているという。県には感染者の行動履歴や症状、米軍側の医療体制などの詳細な情報は入っていない。県は普天間飛行場とキャンプ・ハンセンでクラスター(集団感染)が発生したとの認識を示した。今後、基地外への感染拡大に備え、本島中部地域に軽症者や無症状者の療養施設を確保する方針。

 玉城知事は電話会談で(1)感染者数などの速やかな公表(2)普天間飛行場とキャンプハンセンを閉鎖し感染拡大防止の徹底(3)基地内の警戒レベルを最高レベルに引き上げる(4)米本国から沖縄への移動を中止(5)北谷町の民間ホテルで実施している移動制限措置などは基地内で実施する(6)基地内の医療、検査態勢の情報を提供し、実務者会議を設置(7)ローテーション配備などで県内に入る軍人などの人数を情報提供すること―を要請した。日本政府に対しても同様の要請をした。

 県は米軍側が非公表を要請していることを受けて感染者数を公表していなかったが、米側との会談を経て一転して11日夜に感染者数を発表した。独立記念日の前後に、本島中部を中心に多くの米軍関係者が繁華街やビーチパーティーなどに繰り出したこともあり、感染拡大につながった可能性が指摘されている。米軍関係では嘉手納基地で3月に3人、7月1日にキャンプ・マクトリアスで1人の感染が確認されており、累計感染者数は65人となった。



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