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コロナ予算委 政府は再流行防ぐ戦略を示せ(2020年7月16日配信『読売新聞』-「社説」)

 経済活動を着実に進めつつ、感染が再び拡大する事態を防がなければならない。政府は明確な戦略を示す必要がある。


 衆院予算委員会が、新型コロナウイルス対策をテーマに閉会中審査を行った。

 西村経済再生相は、東京都の感染者増加について「積極的にPCR検査を受けてもらうことで、二次感染を防いでいる」と述べ、4月の流行時とは状況が異なると強調した。「全体として医療体制は逼迫ひっぱくしていない」とも語った。

 たしかに、重症化する割合が低い20~30代の感染者が多数を占めている。だが、楽観できる状況ではあるまい。首都圏の劇場や保育所などで集団感染が発生している。東京から地方へ、感染が伝播でんぱするケースも目立つ。

 感染者の増加は、重症化しやすい高齢者らのリスクを高めかねない。今後、病院や介護施設で感染が広がれば、医療体制は一気に厳しい状況に陥ろう。

 経済活動を軌道に戻すのは重要な課題だ。そのためにも、政府は感染拡大防止と両立させる戦略を練り、幅広く理解を得ることが求められる。都道府県と連携し、対策を講じていない飲食店への休業要請なども考えるべきだ。

 国民民主党の馬淵澄夫氏は、旅行費用を補助する「Go To キャンペーン」について、各地に感染を広げる可能性があるとして事業の延期を要求した。

 西村氏は「観光事業者と旅行者の感染防止策の徹底を基本として開始する予定だ」と説明した。

 政府が4月に決定した緊急経済対策では、事業の実施は「収束後」となっているが、現状は再拡大が起きかねない局面にある。

 全国知事会は、一律ではなく段階的に範囲を広げるよう提言した。地方で感染が広がれば、脆弱ぜいじゃくな地域医療は打撃を受けよう。逆に観光客は遠のき、経済再生の妨げになる恐れもある。

 全国の観光地で万全の対策をとれるのか。政府は、各地の実情を踏まえて事業の進め方を検討することが欠かせない。

 与野党は6月の国会閉会にあたり、衆参両院の常任委員会を週1回開くことで合意した。コロナの検査体制や有効な景気対策などの議論を掘り下げてもらいたい。

 野党は安倍首相や関係閣僚の出席も求めたが、与党は応じなかった。国の対処方針や現状認識について、首相が積極的に説明することは大切だ。政府は適切に情報を発信し、国民の不安を払拭ふっしょくするよう努める責任がある。




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