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佐賀DCAT発足 災害弱者の避難推進に期待(2020年7月16日配信『佐賀新聞』-「論説」)

 記録的な大雨による河川の氾濫や土砂崩れで、九州をはじめ日本各地で多くの犠牲者が出ている。状況が分かるにつれてクローズアップされるのは、地震や台風を含めた過去の大規模災害でも課題になった要支援者の避難の遅れだ。避難所で高齢者や障害者をケアする佐賀県の福祉チーム「佐賀DCAT(ディーキャット)」が発足したことは、避難行動の促進という観点からも大きな力になる。

 体力が弱った高齢者や障害がある人、その家族らは、自主避難に二の足を踏むことが少なくない。食事やトイレ、入浴といった日常の行動に介護が必要な要支援者の場合、勝手が分からない避難所への避難をためらうからだ。

 DCATは「Disaster Care Assistance Team」(災害派遣福祉チーム)の略。高齢者や障害者ら支援が必要な人たちの避難生活をスムーズにするなど、福祉のノウハウを生かして専門的に支援する。最大の目標は二次被害の防止だが、避難者や家族に安心をもたらすという利点もあり、ここ数年、設置の動きが全国に広がっている。

 佐賀県は8日、佐賀DCATを立ち上げた。老人福祉施設協議会や身体障害児者施設協議会など10団体と県福祉課がネットワークをつくり、介護福祉士や看護師、理学療法士、保育士らを5人1組で大規模災害時の避難所に派遣する。要支援者がいれば、通常の避難所で生活できる人か、より支援を必要とする人かを見極め、医療機関など別の場所への移送なども進言する。これまで自治体だけでは難しかった災害弱者支援の問題が前進するという意味でも心強い。

 スタート時の登録メンバーは161人で、当初予定の90人を大幅に上回った。先行県の熊本の400人には及ばないものの、大分県が120人、鹿児島県は150人で運営しており、人口比を考慮すると、かなり多い数字と言える。昨年夏の佐賀豪雨や度重なる大雨、台風被害を経験し、県内の関係団体も相当の危機意識を抱いていたのであろう。

 メンバーは8月3日に基礎研修を受け、その後もスキルアップ研修を積んで万が一の事態に備える。出動機会はまだ先になりそうだが、災害はいつ発生してもおかしくない。迅速な態勢づくりを進めてほしい。

 一方で、自主避難が難しい要支援者をいかに早く、安全に避難所に移動させるかという課題は依然として残る。短時間で状況が一変する近年の豪雨被害は、移動の遅れが取り返しのつかない事態を招くだけに気掛かりだ。

 佐賀県内の要支援者はことし4月末現在で約5万7千人。2013年の災害対策基本法の改正では、どこに、どういう方法で避難するかを事前に考えておく個別計画の策定が市区町村に求められた。ただ、県内の策定率はことし4月時点で26・2%にとどまっているのが現状。杵島郡江北町(78%)など一部自治体で策定率が高いものの、個人情報の問題が一様にネックになっているという。

 いずれにしても、DCATの力を最大限に発揮するには、要支援者を避難所へ移動させることが大前提となる。家族は避難をちゅうちょせず、要支援者が一人暮らしの場合は日ごろから地域で声を掛け合うなどして、大切な命を守りたい。



「佐賀DCAT」発足 災害時、高齢者や障害者支援 161人登録、研修重ね派遣へ /佐賀(2020年7月15日配信『毎日新聞』)

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発足式に臨んだ藤崎さん(右から2人目)ら佐賀DCATのメンバーら

 大規模災害時に避難所などで、高齢者や障害者ら配慮が必要な人を支援する「県災害派遣福祉チーム」(佐賀DCAT)が発足した。県の呼び掛けに応じて、社会福祉士や看護師ら計161人が登録。今後、基礎研修を重ねて災害派遣に備える。

 「専門性を生かして何か役に立てないだろうか」。特別養護老人ホーム「シルバーケア吉野ケ里」(吉野ケ里町)の理学療法士、藤崎亮介さん(35)は熊本地震(2016年)の際に現地に入り、専門的な支援の必要性を実感した。佐賀県内から飲料水などの物資を届けに向かったが、「避難所は食料すら十分に行き渡っていない状態。介護などの支援が必要な避難者を助けるため、一人でも多く知識を持つ人が入ることが必要と感じた」。病院勤務の経験から「医療と福祉の両面から支援したい」と登録の呼び掛けに応じたという。

 DCATは大規模災害時の福祉避難所などで即応する専門チームで、介護福祉士らで構成。高齢者らを中心に支援が必要な「要配慮者」の健康状態の把握や、搬送・別室移動の優先順位を決めるトリアージ、避難先での介護などを引き受ける。派遣が決まれば登録者の中から4、5人でチームを組み、現地で5日間ほど活動する。支援に一定のめどが立つまで繰り返し派遣される。



熊本地震で日本初のDCATが出動(2018年4月19日配信『済生会』)

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 災害被災地で高齢者らをサポートする済生会のDCAT(災害派遣福祉チーム)が、4月19日、結成後初めて熊本市に出動しました。第一陣として〈佐賀〉特別養護老人ホームめずら荘の介護福祉士2人が、高齢者・障害者施設のある済生会熊本福祉センターに赴き、情報収集や支援活動に当たりました。

 DCAT(Disaster Care Assistance Team)は、東日本大震災で高齢者を中心に日常的なケアが不足したことを受け、全国で初めて平成24年、済生会の老人福祉施設で介護に当たる専門職員で結成されました。国のDMAT(Disaster Medical Assistance Team=災害派遣医療チーム)にならったもので、発災後48時間を目途に活動するDMATの後に出動し、被災地の高齢者のケア等に当たることを想定しています。本会63の病院・福祉施設にDCATが設置され、192人が派遣登録しています。

 熊本地震は、揺れが多発しているのが特徴で、住民の方々の精神的なケアの必要度が高まっています。熊本福祉センターでは特に知的・精神障害者の動揺が激しく、今回出動したDCATは、そのサポートに当たります。

 今後は、福岡、鹿児島など九州地区の特別養護老人ホームに続いて、順次、派遣を全国に拡大していく予定です。






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