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在日米軍の感染に関する論説(2020年7月19日)

在日米軍の感染 危機感の欠如 目に余る(2020年7月19日配信『北海道新聞』-「社説」)

 在日米軍は新型コロナウイルスへの危機感が欠如していると言うほかない。

 沖縄の米軍普天間飛行場とキャンプ・ハンセンで集団感染が発生したとみられ、これまでに感染が確認された米軍関係者は100人を大きく超えた。

 感染者が急増したのは、今月4日の米独立記念日の前後に基地内外で開かれたパーティーが契機だったとの見方が強い。

 軍関係者が数百人規模で参加した行事もあったという。

 米軍の管理責任は極めて重い。

 米国は感染者、死者ともに世界最多で、日本は入国拒否の対象国に指定している。だが日米地位協定により、米軍関係者は日本の検疫を受けずに直接入国できる。

 米軍基地が「検疫の穴」になっていたことは明らかだ。

 市民への二次感染とみられる事例も確認され、沖縄以外の基地でも感染者が出ている。米軍と日本政府は地元自治体と連携し、早急に対策を講じる必要がある。

 さらなる感染拡大を防ぐには、感染者の行動履歴や居住地など詳細な情報が欠かせまい。

 しかし米軍は当初、対策に必要な情報を十分には提供しなかった。感染者数に関しては沖縄県に伝えたものの、非公表を求めた。

 これでは実効性のある対策を講じようにも難しい。

 背景には米国防総省が軍の運用への懸念から、基地や部隊ごとの感染者数は明かさない指針を設けていることがある。

 だが在韓米軍では感染者の身分や行動歴などを積極的に公表している。二重基準は否めない。

 米軍は県の強い要請を受け、感染者数の公表を認めたが、基地内の追加対策の詳細は明らかにせず、県民の不信感は募るばかりだ。

 米軍を巡っては、羽田空港から入国した軍関係者が山口県の岩国基地に移動する際、日本側に虚偽申告していたことも分かった。

 移動には公共交通機関ではなくレンタカーを使うと説明していたのに、PCR検査の結果が判明する前に、民間機で移動していた。

 日本の感染対策を軽視する姿勢は目に余る。

 基地で働く日本人従業員の子どもが感染防止を理由に、通学を自粛させられるケースも相次ぐ。

 米軍の集団感染によって、子どもの人権や学習機会が阻害されるようなことがあってはならない。

 問題の根底には軍に特権的地位を認めた日米地位協定がある。抜本改定を急がなくてはならない。



在日米軍とコロナ 信頼壊す行為は許されぬ(2020年7月19日配信『産経新聞』ー「主張」)

在日米軍には新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、万全の措置をとってもらいたい。

 感染が確認された米軍岩国基地(山口県岩国市)の関係者3人が、羽田空港から入国した後、利用しないと約束した民間機で岩国入りしていた。沖縄の米軍基地では140人以上の感染者が出ている。そのような中で、在日米軍の防止対策が十分ではないことも分かった。いずれもゆゆしき事態である。

 米軍関係者は、公共交通機関を使わずレンタカーで岩国へ移動すると虚偽の申告をして、実際には民間機を利用した。新型ウイルスを拡散しかねず、在日米軍とその規律への信頼を損なう行動であり許されない。

 沖縄の米軍普天間飛行場(宜野湾市)やキャンプ・ハンセン(金武町など)では、クラスターが発生した。県民の間で不安が広がっている。防衛省や外務省、県は米軍の対応を確認するため、海外や県外からの赴任者、家族を隔離していたホテル(北谷町)への立ち入りを行った。

 政府は14日、岩国の事案について在日米軍に遺憾の意を伝え、厳格な処分と再発防止の徹底を申し入れた。17日には、海外から在日米軍基地に到着する全ての米軍関係者に、PCR検査を実施することも要請した。


 政府の申し入れは当然である。在日米軍は応じる姿勢だ。

 今年4月、政府は米国を入国拒否の対象にした。ただし、米軍関係者は日米地位協定に基づき入国を認めている。検疫に当たる在日米軍は発熱などの症状がある人にだけPCR検査をしていた。

 米軍基地と外との人的交流があるため、県民への感染拡大の恐れが指摘されている。沖縄の米軍関係の感染者の多くは無症状か軽症である。このため、河野太郎防衛相は17日の記者会見で、「無症状の人がこれだけいるので、PCR検査は必須だ」と指摘した。

 在日米軍は日米安全保障条約に基づき駐留している。同盟国の軍隊として有事には命を賭して日本防衛にも当たる重要な存在だ。東日本大震災や熊本地震では災害救援に汗を流し、日本国民との間に信頼関係を培ってきた。

 虚偽申告や不十分な水際対応は、長く培ってきた信頼と同盟の抑止力を損なう。在日米軍の猛省と対策改善が急務である。



米軍基地感染拡大 情報開示と対策強化を徹底せよ(2020年7月19日配信『愛媛新聞』-「社説」)

 在日米軍基地で新型コロナウイルスの感染が拡大している。沖縄では普天間飛行場とキャンプ・ハンセンでクラスターが発生し、米軍はロックダウン(基地封鎖)に踏み切った。国内の米軍関係者の感染者数は140人を超えている。

 基地で働く日本人や基地の外に居住する軍関係者もいる。市中に感染を広げない対策が急務だ。ところが、米軍が感染者の行動履歴などを詳細に提供しておらず、関係自治体で不安や不信感が広がっている。

 感染実態が分からなければ、適切な手は打てない。米軍は軍の論理を優先するのではなく、周辺住民の命や健康を第一に考えなければならない。関係自治体が必要とする情報を提供し、住民の不安解消と感染対策の強化に努めるべきだ。

 感染者数と死者数が世界最多の米国を、日本政府は入国拒否の対象国としている。だが、米軍人については日米地位協定に基づき、入国拒否の対象になっていない。民間空港から入国する場合には、日本側の検疫でPCR検査を実施しているが、基地内の飛行場に直接入った際の検疫は米軍側に委ねられる。これまで熱などの症状がなければPCR検査は実施されなかったという。まさに水際対策の「抜け穴」になっていたと見るべきだ。

 沖縄では、4日の米国独立記念日に合わせ、基地外にある飲食店などで米軍人らによるパーティーが催された。その際、十分な感染防止策が講じられていなかったことも、感染を広げた一因として浮上している。特権的な立場に甘えて、感染対策をおろそかにしていた疑念が拭えない。

 米軍関係者を送迎した沖縄のタクシー運転手の感染も確認され、影響は基地外にも広がる。見過ごせないのは、米軍が情報開示に後ろ向きなことだ。当初は感染者数の公表さえ拒み、いまだ感染者の行動履歴や濃厚接触者の情報開示は一部にとどまる。米国防総省が「運用上の懸念」を理由に、3月に出した基地や部隊ごとの感染者数を明かさないとの指針が影響しているが、容認できない。関係自治体の追跡調査や市中感染防止の妨げになっていることを深く省みるべきだ。

 米軍を巡っては他にも問題がある。山口県の岩国基地では感染者3人が羽田空港に入国後、レンタカーを使うと申告しながら、実際には民間機で移動していたことも発覚した。許されない虚偽申告であり、周辺住民らから怒りの声が上がるのは当然である。

 日ごろの基地負担の上に、コロナ対策でも関係自治体が対応に苦慮する中、日本政府は役割を果たしているとは言い難い。基地が絡む危機の責任は、日米政府双方にある。自治体の窮状を重く受け止め、米側に情報開示と、実効性のある防止策を講じるよう強く迫らなければならない。






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