FC2ブログ

記事一覧

[動物愛護法改正] 共生できる社会実現を(2020年7月19日配信『南日本新聞』-「社説」)

 動物に対する虐待や殺傷を防ごうと、罰則引き上げや通報義務を盛り込んだ改正動物愛護法が施行された。

 近年、犬や猫を虐待する動画をインターネット上に投稿する悪質なケースが確認されており、5年ごとの見直しに合わせて厳罰化した。

 動物は「命あるもの」という法の理念を改めて共有し、人間と動物が共に生きていける社会を目指したい。

 改正法は、みだりに殺傷した際の罰則を強化。「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」から「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に変更し、刑法の器物損壊罪より軽いとの批判に応えた形となった。

 ペットが大量に繁殖し、十分に世話ができない「多頭飼育崩壊」が社会問題となっているのを踏まえ、著しく適正を欠いた密度で飼うことは虐待であると初めて明記した。

 また、虐待の早期発見につなげようと、獣医師による通報を義務化した。

 適正飼養や遺棄防止のため、繁殖・販売業者への規制も強化。早期に親と引き離さないように、生後56日を経過しない犬や猫の販売を原則禁じるほか、マイクロチップ装着を義務付け、2022年6月までに施行される。

 虐待は増加傾向にある。全国の警察が19年、動物愛護法違反容疑で摘発した動物虐待は105件で、統計がある10年以降で最多となった。

 鹿児島県警は17年、飼育していた猫17匹を不衛生な環境に置いて、餌や水を与えなかったとして「猫カフェ」元経営者を書類送検した。19年には猫の死体が木につるされる事件もあった。

 一方で、動物は慈しむべきだという考え方は社会で広がっているようだ。

 他人の飼い猫を虐待死させたとして動物愛護法違反罪などに問われた被告に対し、富山地裁高岡支部は19年9月、求刑より重い懲役8月、執行猶予4年の判決を言い渡し、後に確定した。

 裁判官は、懲役6月の求刑について「(検察側は)判例などから量刑を考えたと思うが、最近の動物愛護意識の高まりを考えると軽い」と指摘した。画期的な判決と言えるだろう。

 鹿児島県内でも、動物と共生しようとする動きが見られる。

 鹿児島市や姶良市は今年、動物愛護に関する条例を相次いで制定した。県によると、犬猫を新たな飼い主へ引き渡す割合である譲渡率は10年度が10.4%だったが、19年度は45.2%と大幅に上がった。これに伴い殺処分は4754匹から1074匹に減少した。

 動物を飼うということは、命を預かる責任を持つことにほかならない。殺処分が減ったとはいえ、人間の都合で命を奪っている事実は残ったままだ。

 動物愛護法という法律があり、それを強化せざるを得ないこと自体、私たちへの問題提起と受け止めたい。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ