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コロナ禍のがん 先送りしない医療体制を(2020年7月20日配信『信濃毎日新聞』-「社説」)

 20万人以上の新型コロナウイルス感染が確認されたドイツで、がん治療への影響が問題になっている。

 コロナ対応が優先され、3月中旬から6月末までに推計約5万件の手術が延期になった。診察や検診も先送りされた事例が多く、同国のがん支援協会が「致命的な事態が起きる」と警告している。

 日本でも、第1波の感染が広がった都市部で、一般診療の休止や手術の延期に追い込まれる医療機関が相次いだ。

 がん患者が感染を恐れて通院をためらい、手術や検診を延期した事例があることも、支援団体の調査で明らかになっている。

 ドイツと同様に日本もコロナ禍で適切ながん治療が受けづらくなっている。

 がんは、年間約100万人に新たに見つかり、死因の1位でもある。感染が再拡大する今、各自治体が急ぐ医療体制の整備では、がん患者への目配りも求めたい。

 第1波では、国は都道府県に対して、コロナ感染者を症状別に振り分けるよう要請した。実際は、受け入れを拒否する病院もあり、症状の程度を問わず高度医療機関に感染者が集中する状況が、一部の地域で生まれた。

 業務や人員がコロナで割かれると、医療機関はがん患者を受け入れられなくなる恐れがある。病院間の役割を明確にして負担を減らしたい。流行が繰り返されるようなら、コロナ専用病院を設けることも視野に置くべきだろう。

 がんを含めたさまざまな病気に対しても治療や診察が途切れない体制になるように整えていかねばならない。

 がん患者の場合、治療方法によっては体の抵抗力が衰え、感染すると重症化するリスクが高まるとされる。一方で治療の先送りは手遅れにもつながりかねない。

 緊急事態宣言中(4月7日〜5月25日)に日本対がん協会が受け付けた無料電話相談では、全体の3割を超える217件がコロナ関連だった。

 感染や重症化への不安や恐怖が最も多く、「気持ちが落ち着かない」といった心の不調を訴える相談も目立ったという。

 こうした不安や疑問に応えようと、日本癌(がん)学会と日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会は共同で、各ホームページを通じて患者向け情報を発信している。

 各自治体も医師会や福祉団体と協力して、相談窓口を開くなど患者のストレスや不安を和らげる取り組みを進めたい。





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Author:gogotamu2019
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