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永田町の裏を読む;間抜けの象徴「アベノマスク問題」今なおだらしなく進行中(2020年7月23日『日刊ゲンダイ』)

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高野孟ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

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安倍首相のアベノマスク。大臣らでさえ使っていない

 アベノマスクをいまさら話題にするのもうっとうしいが、依然として進行中のことなので問題点を指摘しておきたい。

 第1に、4月1日に安倍晋三首相が誇らしげに宣言して17日に配布が始まり、菅義偉官房長官が「6月15日におおむね完了する」としていたアベノマスクが、7月になってもまだ届かない家がある。

 7月7日付朝日新聞に載った千葉県の62歳主婦の投書によると、この人のところには6日昼を過ぎても届かない。厚労省に電話してどの部署の誰が責任者なのかを問うと「そういう部署も人もいない」と言われてあぜんとしたという。

 第2に、幸いにも届いた人たちはそのマスクを使っているかを1863人を対象に尋ねた調査結果が、18日付朝日の週末別刷版「be」に載っているが、驚くべきことに95%が「いいえ」。理由は、小さい、使い捨てが入手できる、無駄の象徴だから使いたくない、首相以外であまり見たことがない……などで、その4分の3の人たちは「家に置いてある」と答えている。

第3に、多くの人々が、あの小さなマスクが安倍の顔にチョコンとのっているのを見ただけで「これは役に立ちそうにないな」と直感的に判断したのは正しくて、後に環境疫学の専門家が実験したところでは、布マスクやガーゼ製のアベノマスクの「漏れ率」は100%。つまり、空中を漂うウイルスを吸い込まずに済む確率はゼロである(7日付朝日夕刊)。

 とはいえ、自分が感染者であった場合に大きな咳やくしゃみで飛沫を周りにまき散らすのを防いだり、ウイルスが付着した手で直接鼻や口を触って感染してしまうのを防いだりすることは可能。

 いま普通に出回っている使い捨ての不織布マスクも、普通に着けたのでは布やガーゼと同じく漏れ率100%だが、正しく着けると漏れ率を80~50%程度まで下げることができる。いちばん効果的なのは、医療用の米国基準N95、日本基準DS2の高性能マスクで、正しく着ければ漏れ率1%、つまり空気中からの感染をほとんど遮断することができる。

 政府がなすべきは、マスクの種類と性能についての正しい知識を広め、そのどれをどこで入手すべきかを、台湾当局のようにアプリを通じて刻々と告知して国民を安心させることであったはずだが、日本は最初から間抜けの連続で、それがまだ総括もされずにだらしなく続いている。




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Author:gogotamu2019
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