FC2ブログ

記事一覧

宣言解除2カ月 バランス取れた政策を(2020年7月23日配信『秋田魁新報』-「社説」)

 政府の緊急事態宣言が全面解除されて25日で2カ月となる。解除以降、人の動きが活発化して新型コロナウイルスの感染が東京都を中心に再び拡大。若者中心だった感染が中高年者にも広がりつつある。

 県境を越えた移動や外出などの自粛要請解除が、経済の再生にとって重要であることは論をまたない。しかし一気に感染防止対策を緩めて経済を最優先させれば、再燃を招いてかえって経済に打撃を与えかねない。

 経済再生と感染防止のバランスを取ることがいかに難しいか。それを実感させられた2カ月ではなかったか。

 国内の死者はクルーズ船関連を含め千人を超えた。これだけの命が奪われたことを改めて胸に刻む必要がある。東京では今月、1日の新規感染者が300人に迫る日が連続。累計感染者数は1万人を超えた。22日は1日の全国の新規感染者が795人と過去最多になった。

 こうした現状を見て心配になるのは医療体制の問題だ。専門家によると、集中治療の水準が上がるとともに、抗ウイルス薬などに一定効果がある可能性が判明、病気の進行を抑えられるようになってきた。

 東京の重症者は21日現在10人台。1日で100人を超えていた4月下旬に比べれば低い水準にある。だが、感染爆発が起これば医療崩壊に至る恐れもある。緊急事態宣言が出された4月は地方も含め病床の多くが埋まる厳しい状況にあった。病床数不足などで救急搬送の受け入れ拒否が大都市で頻発した。

 特に地方には高齢者が多く、感染すれば重症化の傾向があることが懸念される。十分な病床数は確保できているのか。高度な集中治療を提供できる医療機関は足りているのか。急激な拡大に備え、体制整備の速度を上げなければならない。

 安倍政権は国民の声をきちんとすくい上げられなくなっているのではないか、と思わせられる事例もある。最たるものが昨日始まった政府の観光支援事業「Go To トラベル」だ。開始直前になり東京発着の旅行を除外、前言を翻してキャンセル料を税金で負担すると言いだし、全国に混乱を広げている。

 これ以前にも政権の判断が揺れ動いたり、政策に疑念を感じさせられたりする事例が続発。目玉政策だった減収世帯への30万円給付を一律10万円給付へと急転換、検察官定年延長を盛り込んだ法案は世論の逆風で廃案とした。契約総額約260億円という布マスク全戸配布も効果を疑問視する声が相次いだ。

 感染拡大というこの重大局面に適切に対処するため、安倍政権がなすべきことは何か。国民の声に粘り強く耳を傾け、細心の注意を払って、経済再生と感染防止対策のバランスを取り続ける。それが今、最も求められていることだ。政権を担う者は強い意志を持って、この難問に取り組まなければならない。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ