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在日米軍コロナ感染増(2020年7月24日配信『宮崎日日新聞』-「社説」)

◆政府が前面に立ち交渉せよ◆

 在日米軍基地で新型コロナウイルスの感染者が急増している。特に米軍専用施設が集中する沖縄では、確認された感染者が163人(23日時点、県発表)となった。市民への拡大が懸念される。

 在日米軍司令部は21日までにホームページで基地別の感染者数を公表し、10基地の計140人(16日時点)が陽性であることを発表した。沖縄県の発表内容とは数字が異なるが、このうち沖縄県内の施設は計123人で9割近くを占めている。

 日本政府は、感染者数が世界最多の米国を入国拒否の対象国としている。しかし、日米地位協定に基づいて、基地に直接入る米軍人は入国拒否の対象となっていない。沖縄だけの問題ではない。三沢基地(青森県)、岩国基地(山口県)、佐世保基地(長崎県)などでも米軍関係者らの感染が確認された。

 問題なのは、感染者の行動履歴などに関する十分な情報が地元自治体には提供されていないということだ。行動履歴が分からなければ濃厚接触者の追跡調査も行えず、市中感染に対処できない。玉城デニー沖縄県知事は15日、河野太郎防衛相と会談し、日本政府から米軍人らの検査徹底や行動履歴の情報提供を米側に申し入れることや、地位協定の見直しを要請した。

 在日米軍基地の運用には、地元自治体との信頼関係が不可欠だ。米軍は詳細な情報を自治体に提供し、感染拡大の防止に努めるべきだ。日本政府も米側にさらに厳しい対処を求める必要がある。

 日米地位協定は在日米軍の法的な特権的地位を認めており、基地に直接入る米軍人には日本の国内法が原則として適用されない。日本側での検疫も行えず、入国後に基地外に出るのも自由だ。感染者を防ぐ水際対策の「抜け穴」になっている。

 沖縄では、米国の独立記念日の4日前後、基地外にある飲食店などでパーティーが開かれ、多くの米軍関係者らが参加していたという。玉城知事が「米軍の感染防止対策に強い疑念を抱かざるを得ない」と指摘する通り、危機意識が欠落している。

 日米間では2013年の日米合同委員会の合意で、米軍基地内で感染症が発生した場合、地域を管轄する保健所と情報を共有することとしている。しかし、米軍は3月末、安全保障上の理由から世界各地の米軍基地や部隊ごとの感染者数について公表しない方針を表明した。

 沖縄でも米軍側は当初、県に感染者数は公表しないよう要求。交渉の結果、県が数字を公表することは妨げないと方針を一部転換した。自治体任せでは対応に限界がある。政府が前面に立って米側と交渉すべきだ。




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