FC2ブログ

記事一覧

ともかく予防の徹底だ(2020年7月25日配信『日本経済新聞』-「春秋」)

 コレラ、赤痢、腸チフス……。こうした感染症による死者が目に見えて減ったのは、戦後、抗生物質が普及してからだ。それまで人々にできることといえば、とにかく予防だった。家庭の対策も多岐にわたった。小泉和子編著「家で病気を治した時代」が紹介している。

▼台所では布巾と雑巾の置き場所を必ず分け、まな板や包丁はせっけん水でよく洗って日光で乾かすか、煮え湯をかける必要があった。生魚を食べるのは避け、野菜や果物も一度熱湯を通してから調理。病気の媒介者を駆除するハエたたきは必需品であった。少しでも感染リスクを減らそうと、まめに手を打っていたわけだ。

▼いまの家庭にも、その姿勢が求められよう。新型コロナウイルスの感染拡大は収束にほど遠い。マスク着用はもちろん、買い物は店内に長居をしない、帰宅したら手洗いは30秒ほどかけて指先や手首も丁寧に、といった基本を改めて励行したい。ウイルスを家に持ち込まない、家族に広げない、という心配りが大切になる。

▼戦前などの家庭看護を振り返った前掲書からは主婦の苦労が伝わる。夜中に氷を割り、氷嚢(ひょうのう)を交換。注射や薬の調合もした。家族全員で家事をする時代のいまは、ドアノブ、リモコンの消毒や部屋の換気などのコロナ対策も分担し、感染防止に漏れがないようにしたい。抗生物質の普及前のように、ともかく予防の徹底だ。






スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ