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緊急事態解除2カ月(2020年7月25日配信『宮崎日日新聞』-「社説」)

◆地方の声に機敏に対応せよ◆

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が全面解除されて25日で2カ月となった。東京都など自治体と国との間で不協和音が目立つ中、「第2波」と呼ぶべき感染拡大再燃を招いた。収束が見通せない以上、持久戦の構えが必要だ。

 本県を含む39県では一足早く5月14日に緊急事態宣言が解除された。県内の繁華街の客足は少しずつ回復してきているが、観光やビジネスの往来が活気を取り戻すまでにはほど遠い。

 迷走を続ける国の観光支援事業「Go To トラベル」が22日にスタート。東京都発着は除外されたものの、県境を越えた人の動きが活発化することで、沈静化している地域へウイルスが持ち込まれることへの警戒感が高まっている。県内では高齢者施設で面会禁止の方針を出すなど防御策をとる施設も出始めた。

 「感染防止」と「経済再生」の二兎(にと)を一度に追うことの難しさを実感した2カ月だった。状況に応じてブレーキとアクセルを踏み換えなければ、一兎も得られない危険が大いにある。

 東京都の1日当たりの新規感染者は宣言解除後に徐々に増え、6月19日の県境越え移動全面解禁後から急上昇した。24日には260人となり、国内全体の感染者数は4月の水準を上回り、死者は千人を超えている。経済を回しながらの感染拡大防止は、少なくとも現時点では成功していない。

 コロナ対策は安倍晋三首相ら国のリーダーシップの下、自治体が結束すべきだ。だが実際には、世論を背に不満を強める地方や与党から突き上げられ、政府が方針転換する朝令暮改が続いた。

 同事業の東京除外、それに伴うキャンセル料補償は最たる例だ。以前にも、緊急事態宣言の発令判断、店舗への休業要請と補償、減収世帯対象の30万円給付から全国民一律10万円給付への変更、自治体向け臨時交付金2兆円増額などは、いずれも地方や与党に迫られ実行した。

 生活や仕事の現場にある国民の声が政府に届かなくなっていることが背景にあるだろう。政府は4月に比べ重症者が少ないことを根拠に宣言再発令を否定する。仮に「Go To トラベル」によって感染が地方に飛び火した場合、責任の所在や対策は明確に示されていない。地方で高まる危機感に鈍感な証左ではないか。

 未体験の事態に臨むコロナ対策では曲折も避けられまい。実践しつつ検証し、国民に説明責任を果たして果断に軌道修正すべきだ。その際、国は地方の声を機敏に吸い上げ、足らざるを補う柔軟な姿勢が不可欠だ。




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Author:gogotamu2019
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